ステルヴィオ峠イタリア語: Passo dello Stelvio)は、イタリア北部のアルプス山中にあるロンバルディア州北部(ソンドリオ県)と南チロル(ボルツァーノ自治県)とを結ぶ。標高は2757mで、アルプス山系の峠としてはイズラン峠(標高2770m)に次ぐ高さを誇る。峠のすぐ北にはスイスとの国境線が走る。

ステルヴィオ峠
ステルヴィオ峠へと登るつづら折りの道
(ボルツァーノ自治県側)
所在地 イタリアの旗 イタリア
座標 北緯46度31分43秒 東経10度27分10秒 / 北緯46.52861度 東経10.45278度 / 46.52861; 10.45278座標: 北緯46度31分43秒 東経10度27分10秒 / 北緯46.52861度 東経10.45278度 / 46.52861; 10.45278
標高 2757 m
山系 アルプス山脈
ステルヴィオ峠の位置(アルプス山脈内)
ステルヴィオ峠
ステルヴィオ峠 (アルプス山脈)
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

地名 編集

日本語文献では「ステルビオ峠」と表記されることも多い。

  • ドイツ語: Stilfser Joch(シュティルフサー・ヨッホ)

地理 編集

 
峠の頂上。店舗やホテルが建ち並ぶ

この地を通る道路は、1826年に開通した。ソンドリオ県ボルミオボルツァーノ自治県プラート・アッロ・ステルヴィオとを結んでおり、行政上はボルミオとステルヴィオの境界に位置する。

峠のすぐ北側はスイス領であり、峠からの比高約100mの「三言語の山」ドライシュプラーヘンシュピッツェDreisprachenspitze、2843m。イタリア語でチーマ・ガリバルディ Cima Garibaldi とも呼ばれる)が、グラウビュンデン、ロンバルディア、チロルの境界となっている。「三言語の山」は、ロマンシュ語(グラウビュンデン)、イタリア語(ロンバルディア)、ドイツ語(チロル)の領域が交わるところから名づけられた。第一次世界大戦まで、ボルツァーノ自治県(南チロル)がオーストリア・ハンガリー帝国領であったことから、「三言語の山」は3か国の国境が集まる地点であった。

峠の頂上から西に下った地点からは、北へスイス側に越える道路(サンタ・マリア・ヴァル・ミュシュタイアーに至る)が分かれている。スイスに越える地点はウンブライル峠 (Umbrail Passと呼ばれている。

道路 編集

峠越えの道路は、西側(ソンドリオ県側)から以下の集落を通過する。

この道路は、ソンドリオ県とボルツァーノ自治県を結ぶ唯一の道路であり、イタリア国道38号 (it:Strada statale 38 dello Stelvioの一部として指定されている。

  • 峠の北東に位置するプラート・アッロ・ステルヴィオを起点とした場合、峠は水平距離に換算して約26kmの地点にあり、平均斜度7.7%、最大斜度は15%。
  • 南西に位置するボルミオを起点とした場合、峠は水平距離に換算して約21.5kmの地点にあり、平均斜度7.1%、最大斜度12.1%。

峠の道中はヘアピンカーブの連続という、厳しい行程となっている。自転車競技グランツールと称するロードレース大会の一つ、ジロ・デ・イタリアにおいて度々登場することでも知られる。

英国BBC Twoの自動車バラエティ番組トップ・ギアにおいては、「世界最高のドライビングロード」として評価されている。

外部リンク 編集