スバル・1000 > スバル・ff-1

スバルff-1(スバル エフエフワン)は富士重工業(現・SUBARU)が生産していた乗用車。

スバル・ff-1
A14/15型
スポーツセダン
スポーツセダン リア
概要
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1969年-1970年
設計統括 百瀬晋六
ボディ
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 1.1L F4 EA61型/EA61S型
車両寸法
ホイールベース 2,420mm
全長 3,900-3,930mm
全幅 1,480mm
全高 1,390mm
車両重量 705kg
系譜
先代 スバル・1000
後継 スバル・ff-1 1300G
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概要 編集

スバル・10001966年発売)のマイナーチェンジ版として1969年3月発売。マイカー時代の到来に伴い、トヨタ・カローラ1100(1966年11月発売)、日産・サニー1000(1966年4月発売)などが位置する、いわゆる小型車市場で、富士重工初の小型車であるスバル・1000は1969年3月には月販4,000台を上回り、一定のシェアを確保することに成功した。しかし、市場からのさらなる豪華さ、モアパワーの要求に応え、商品性の向上を図ったもの。翌1970年7月には、さらなるマイナーチェンジを受け、スバル・ff-1 1300Gシリーズに移行したことを考えれば、結果的に多少中途半端なモデルであったことは否定できず、1年余りの短命なモデルに終わった。一方、アメリカ向け輸出車両としては、富士重工業としては初となる本格的な小型車で、1970年から1971年にかけて1万台余りが海を渡っている。

初代 A14/15型 (1969年-1970年) 編集

  • 1969年3月1日 - スバル・ff-1シリーズ発売。
    • 6月 - ff-1スポーツセダン「箱根ターンパイク・ヒルクライム大会」クラス優勝・総合2位(小関典幸
    • 10月6日 - 既存のff1スポーツセダンの実質的な4ドアセダン版にあたるff-1スーパーツーリングを追加・発売。
  • 1970年2月 - ff-1スポーツセダン「70RCCウィンターラリー」クラス優勝・総合2位(江原/中原)
    • 7月10日 - ff-1 1300Gシリーズ発売。

主要諸元 編集

車種 1969年 スバル・ff-1
4ドアセダン スーパーデラックス
1969年 スバル・ff-1
スポーツセダン
寸法・重量
全長×全幅×全高 3,930mm×1,480mm×1,390mm 3,900mm×1,480mm×1,390mm
ホイールベース 2,420mm
トレッド(前輪/後輪) 1,225mm/1,210mm
最低地上高 180mm 165mm
車両重量 705kg
燃料タンク容量 36L
最小回転半径 4.8m
最高速度 145km/h 160km/h
エンジン・サスペンション
エンジン形式 EA61型水冷水平対向4気筒OHV EA61S型水冷水平対向4気筒OHV
三国工業製ソレックス×2[注釈 1]
排気量 1,088cc
ボア×ストローク 76.0mm×60.0mm
圧縮比 9.0 10.0
最高出力 62PS/6,000rpm 77PS/7,000rpm
最大トルク 8.7kgf・m/3,200rpm 8.8kgf・m/4,800rpm
サスペンション(前輪/後輪) ダブルウィッシュボーン/トレーリングアーム+トーションバー
ブレーキ(前輪/後輪) リーディングトレーリング ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 6.15-13-4PR 145SR13ラジアル

エンジン 編集

搭載される標準の「EA61」、そのツインキャブ版で、スポーツセダン、スーパーツーリングに搭載される「EA61S」エンジンともに、スバル・1000の「EA52」(ボア×ストローク:72.0×60.0mm)、およびスバル・1000スポーツセダンの「EA53」のボアを4mm拡大したのみで、大きな変更は行われていない。

シャシー・サスペンション 編集

スバル・1000と同じ。スポーツセダンとスーパーツーリングに、2系統ブレーキシステムを採用。

エクステリア 編集

スバル・1000と基本的に共通だが、フロントグリルが台形をモチーフにしたプラスティック一体成型のものに変更され、イメージチェンジを図っている。

このスバル・ff-1で採用された「台形グリル」は、1993年発売のBD/BG型レガシィからスバルのイメージ・モチーフとして復活し、細かい変形を加えられながら現在も用いられている。

標準車は全車にボンネット先端に「ff-1」エンブレムが追加。またデラックス以上にリヤガーニッシュ、トランクフード・オーナメントが装着される。

スバル・ff-1から、Cピラーにベンチレーターが新設され、右がルームベンチレーションとして、左が燃料パイプブリーザーとして機能する。

デラックス以上に装着されるバンパー・オーバーライダーを樹脂製に変更。

スポーツセダンは樹脂製砲弾ミラー、ボンネット先端に「SUBARU」オーナメント、専用ホイールキャップを採用。

インテリア 編集

基本的にはスバル・1000と共通だが、ダッシュボード中央下に、ベンチレーション・コントロール、ラジオ、シガーライター、灰皿を一体にしたナセルを新設。標準車のステアリング・ホイールもクラッシュパッド一体型の樹脂製に変更した。

スポーツセダン、スーパーツーリングには木目調樹脂製・ステアリング・ホイール、木目調シフトノブ、ビニールレザー貼のセンターコンソールが標準装備となる。オプションでクーラーが設定されていた。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 途中からゼニス・ストロンバーグ・キャブレター2連装に変更。

出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集