セイヨウニワトコ(西洋接骨木、学名 : Sambucus nigra)は、レンプクソウ科(クロンキスト体系以前の分類ではスイカズラ科ニワトコ属の被子植物である。種小名nigra とは「黒い」という意味であり、は熟すと黒くなることから由来する[2]

セイヨウニワトコ
セイヨウニワトコ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: マツムシソウ目 Dipsacales
: レンプクソウ科 Adoxaceae
: ニワトコ属 Sambucus
: セイヨウニワトコ S. nigra
学名
Sambucus nigra L.1753
シノニム
  • Sambucus graveolens Willd.
  • Sambucus peruviana Kunth [1]
和名
セイヨウニワトコ
英名
elder
black elder

特徴 編集

ヨーロッパ西アジア北アフリカに自生する低木または小高木樹である。9メートルほどになる。には太い随があり、は対生、奇数羽状複葉である[3]は、20センチほどの円形になる散房花序で強い香りを持つ[4]。6 - 7月にクリーム色の花を咲かせた後、秋に黒みがかった紫色の実がつく。

薬用 編集

ニワトコ属の植物は、古くから世界各地で薬用に使用される。セイヨウニワトコは、葉、茎、花に薬用がある[2]。花は接骨木花(せっこつぼくか)と称する生薬で、花の半開きのもの採取して風通しの良いところで陰干しして仕上げたものである[5]。葉は、打ち身や捻挫に外用する。花は、風邪花粉症咽頭炎関節炎の治療や緩下剤に使用される[3]。風邪、夜尿症に花10グラムを水400 で半量になるまで煎じて、温かいまま服用する用法が知られる[5]

脚注 編集

  1. ^ Sambucus nigra L.
  2. ^ a b セイヨウニワトコ 原料辞典 丸善製薬株式会社
  3. ^ a b エルダー 薬用植物園 東邦大学
  4. ^ モミジバセイヨウニワトコ 植物図鑑 筑波実験植物園
  5. ^ a b 馬場篤 1996, p. 85.

参考文献 編集

  • 馬場篤『薬草500種-栽培から効用まで』大貫茂(写真)、誠文堂新光社、1996年9月27日、85頁。ISBN 4-416-49618-4 

関連項目 編集