タカラトミー

日本の東京都葛飾区にある玩具メーカー

株式会社タカラトミー: TOMY COMPANY,LTD.)は、東京都葛飾区立石に本社を置く日本の玩具メーカー。JPX日経中小型株指数の構成銘柄の一つ[1]

株式会社タカラトミー
TOMY COMPANY,LTD.
タカラトミー本社
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 7867
1999年3月15日上場
本社所在地 日本の旗 日本
124-8511
東京都葛飾区立石7-9-10
設立 1953年昭和28年)1月17日
三陽工業株式会社
業種 その他製品
法人番号 8011801003488 ウィキデータを編集
事業内容 玩具事業
代表者 代表取締役会長CEO 富山幹太郎
代表取締役社長COO 小島一洋
資本金 34億5,953万円
発行済株式総数 9629万850株
(2016年9月30日現在)
売上高 連結:1,768億5,300万円
(2019年3月期)
営業利益 連結:144億700万円
(2019年3月期)
純利益 連結:93億200万円
(2019年3月期)
純資産 連結:673億1,500万円
(2019年3月31日現在)
総資産 連結:1,433億6,400万円
(2019年3月31日現在)
従業員数 連結:2,665人 単独:509人
(2019年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 司不動産(株) 8.73%
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) 7.97%
日本トラスティ・サービス信託銀行(株)(信託口) 7.91%
(2016年9月30日現在)
主要子会社 タカラトミーアーツ 100%
外部リンク https://www.takaratomy.co.jp/
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概要

2006年平成18年)3月1日に玩具メーカーであるタカラトミーが合併して誕生した[2][3][4]。なお、日本国外ではトミーの知名度が高いことから、英文社名に「タカラ」の名称を含めておらず、旧トミーの英文社名「TOMY COMPANY,LTD.」を継続使用している。

21世紀初頭、日本の玩具業界は1990年代後半から続く少子化の流れを受けて縮小傾向にあり、業界大手のバンダイが大手ゲームメーカーのナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)と経営統合するなど、業界再編が進んでいた。

この頃、タカラはヒット商品を相応に出してはいたが、ベイブレードブーム終了の反動で過剰な在庫を抱えることが多発した事や、別途展開していたチョロQ実車化によるミニカー事業や家電品事業がそれぞれ失敗したことで経営危機に陥り、廃業倒産の危機にあった。

一方、トミーはバブル崩壊後の経営危機(自社ブランドによるヒット商品に恵まれなかった事に起因する停滞など)をファービーポケモン関連商品のヒット、リストラなどの事業縮小で乗り切ってはいたものの、今ひとつ派手さにかける企業イメージの改善と更なる経営基盤の改善を求められていた。

この様な経緯により、共に葛飾区に本社を持つ両社は水面下で企業提携などを含めた交渉を図り、最終的には合併という形に落ち着いた。もっともこの合併は決して平坦ではなく、一時は物別れになりそうなところをインデックスグループ(当時)のCEOだった落合正美が間に入って合併にこぎつけている。合併時の存続会社はトミーであり、トミーが同日付でタカラトミーへ商号変更した(合併比率はトミー1株に対してタカラ0.178株)[5]。新会社の社長にはトミー社長・富山幹太郎が就任し、タカラ会長・佐藤慶太が副社長に就任した。なお、タカラトミーはインデックスの民事再生法申請前の2013年6月12日に、インデックスが「金融商品取引法違反容疑による証券取引等監視委員会の調査について」を公表したことを受けて、保有していたインデックス株全株を売却し[6]、2013年10月までに関係を解消している。

現在は旧トミー・タカラ両社の持っていた資産を活用して開発・発売される新商品や、タカラトミーのグループ会社間でコンテンツや版権ビジネスの相互活用を図る。

しかし、短期間で性急に合併した反動による数々の課題点(日本国外の現地法人社名が「TOMY」であることや、日本国内でもトミー興産やトミーテックに代表されるようにタカラトミーアーツなど一部の例外を除いてブランド統合が進んでいないこと、旧社同士で被る事業の整理や負債解消など)を抱えており、今後はそれらの解消と更なる発展が求められている。

合併後に発売された現在の新製品は新ロゴ(青地に前身2社のロゴを組み合わせたもの)を使用しているが、合併後もしばらくの間は一部の新製品に旧タカラ、旧トミーのブランドを使用していたものもあった(ネオブロックスなど)。

特色

日本国外での販売に力を入れている。これは"Tomiyama"(トミヤーマ)のブランド名で知られた旧トミーの前身企業である富山商事時代からの流れを受けたもの。トミー時代にはハズブロと業務提携して代理店(実質的には子会社のトミーダイレクトが担当)となり、スター・ウォーズシリーズ関連商品などを扱ったり、ディズニーの関連商品をほぼ独占的に扱っていた。この様な経緯により、合併後の会社名も英語表記では「TOMY COMPANY,LTD.」となっている。キャラクターコンテンツ産業については先代のトミー社長・富山允就の方針もあり、ほぼ無関心で手を出そうとしなかった。允就がキャラクターの人気を利用したやり方を否定し、あくまでも玩具の出来あいで勝負という職人気質に近い持論を持っていたからである。

2015年6月、旧トミー創業家の富山家以外かつ日本国外の出身者としては初めてオランダ人ハロルド・ジョージ・メイが代表取締役社長に就任した。

コンピュータゲーム関連事業

合併当初はゲーム事業に力を入れる事を公言し、旧・タカラモバイルエンタテインメントを改組してインデックスとの合弁会社・タカラトミーエンタメディア(現:タカラトミーフィールドテック)を設立した。しかし、エンタメディア社はゲームソフト開発会社ではなくパブリッシャー(発売専門)会社であり、実際の開発は、ドリームファクトリーなど、設立以前と同様外部ソフトメーカーに完全に依存している。合併前は、タムソフトやE-GAMEやバーンハウスエフェクトなどが主に実制作を担当していた。

2012年以降、AQインタラクティブ(マーベラスAQLを経て現在のマーベラス)と共同開発した『ポケモンバトリオ』やシンソフィアと共同開発した『プリティーリズム』などのトレーディングカードアーケードゲームを含めたコンピュータゲーム関連事業の大半が子会社のタカラトミーアーツへ移管されたが、タカラトミー本体にもゲーム開発部門は残されており2015年には『イジン爆闘!! ウデジマン』をリリースした。その後2016年に『WAR OF BRAINS』、2017年に『ZOIDS FIELD OF REBELLION』をリリースするなどゲーム事業を本格的に再開させており、2019年発売のNintendo Switch用ソフト『ゾイドワイルド キングオブブラスト』よりコンシューマゲーム市場にも再参入した。

沿革

 
タカラトミー青戸オフィス(旧タカラ本社)
  • 2006年(平成18年)
    • 3月1日 - トミーを存続会社としてタカラを吸収合併し、株式会社タカラトミーが発足[2][3][4]
    • 12月26日 - ベビー用品販売大手の赤ちゃん本舗(大阪市中央区)と資本・業務提携することで合意、赤ちゃん本舗が発行する優先株50万株を取得し傘下にすると発表。
  • 2007年(平成19年)
  • 2008年(平成20年)
    • 2月25日 - 主要株主であるインデックス・ホールディングスの第三者割り当て増資を引き受け、6.66%を取得。株式を相互に持ち合うこととなった。
    • 3月18日 - ユージン(現・タカラトミーアーツ)の完全子会社化を目的としたTOBを実施すると発表。
      • その後、TOBは成立し、同年7月にユージンはタカラトミーの完全子会社となった。
    • 11月20日 - 臨時株主総会で、連結子会社であるユージン、ハートランド、すばる堂、ユーメイトの4社を2009年(平成21年)1月1日をもって合併することを発表(存続会社はユージン)。
  • 2009年(平成21年)1月1日 - ユージン、ハートランド、すばる堂、ユーメイトの4社が合併。同年1月5日より社名をタカラトミーアーツへ変更。
  • 2010年(平成22年)4月1日 - ユーエース、ユニオントイマーケティングの2社が合併。(存続会社はユーエース)[7]
  • 2011年(平成23年)4月29日 - 米国・イリノイ州に本社を置く玩具メーカー・RC2を買収、完全子会社化。
  • 2012年(平成24年)10月1日 - 国内営業業務をタカラトミーマーケティングへ移管[8][9]
  • 2013年(平成25年)
    • 3月31日 - タカラトミーマーケティング、タカラトミーロジスティクスの2社が合併。(存続会社はタカラトミーマーケティング)[10]
    • 6月12日 - インデックスが「金融商品取引法違反容疑による証券取引等監視委員会の調査について」を公表したことを受け、保有していたインデックス株全株を売却(後にインデックスもタカラトミーの全株式を売却)[6]
    • 7月16日 - 孫会社のトイズユニオンの全株式をハピネットへ譲渡[11]
  • 2014年(平成26年)
  • 2015年(平成27年)6月24日 - ハロルド・ジョージ・メイが第2代社長に就任。
  • 2018年(平成30年)1月1日 - 小島一洋が第3代社長に就任[14]
  • 2024年(令和6年)- 創業100周年(予定)。

主な製品

オリジナル玩具

キャラクター玩具

ゲーム(コンピュータゲーム以外)

カードゲーム

ロボット 

展開終了した製品

玩具
海外製品

主にハズブロ社製品。一部は他社に移管して現在も販売が継続されている。

OHaNAs

2015年、NTTドコモと共同でコミュニケーショントイ・オムニボット「OHaNAs」を開発した。ドコモのしゃべってコンシェルの技術を応用し円滑な会話が可能となっている[17][18][19]

その他

コンピュータゲーム

タカラトミー設立後に同社ブランドでリリースされたタイトルのみ記載。

コンピュータゲームソフト
アーケードゲーム
以下のタイトルは、いずれも2012年に子会社のタカラトミーアーツへ移管されている。
オンラインゲーム・ソーシャルゲーム

主なグループ企業

主な連結子会社

関連会社

  • タツノコプロ - 旧連結子会社。2014年1月に日本テレビへ株式を譲渡し連結対象からは除外されたが、引き続き20%の株式を保持し持分法適用関連会社としている。
  • 工画堂スタジオ - 資本関係は存在しない。旧タカラ時代にデザイン制作部が女児玩具のパッケージデザイン等を手がけて以来取引が続いており(同社サイトの「会社概要→沿革」によると、1968年に取引開始とある)、ソフトウェア開発部ではPHOENIXというブランドによるパソコン用ゲームソフトの開発支援を行っていた。
  • リトルファクトリー - 福島県田村郡小野町にあるリカちゃんキャッスルの運営会社。タカラ福島工場→タカラいわき工業が前身で、2006年にマネジメント・バイアウトで資本的にはタカラトミーから独立しているが現在もリカちゃんやジェニーのOEM生産を行っている。

過去の子会社

  • 株式会社ワコー - 2007年、プリヴェ企業投資ホールディングスが筆頭株主となり子会社でなくなる。
  • 株式会社すばる堂 - 2009年1月1日付でユージン(タカラトミーアーツ)と合併、解散。
  • 株式会社ハートランド - 同上。
  • 株式会社ユーメイト - 同上。
  • 株式会社タカラトミーロジスティクス - 2013年3月31日付でタカラトミーマーケティングと合併、解散。
  • 株式会社タカラトミー販売 - 2013年6月4日付で解散。子会社のトイズユニオンも同年7月16日付でハピネットへ全株式を譲渡。
  • 株式会社タカラトミーエンジニアリング - 2014年11月1日付でタカラトミービジネスサービス(タカラトミーアイビス)と合併、解散。
  • トミー興産株式会社 - 同上。
  • 和興株式会社 - 2015年4月1日付でタカラトミーアーツと合併、解散。
  • 株式会社ティンカーベル - 2015年12月に全株式を売却。

不祥事

  • 2006年平成18年)、合併直後に同社がメインスポンサーとして参加していたテレビアニメ『スパイダーライダーズ 〜オラクルの勇者たち〜』が9月末で放送を終了。これを受けて、同社が日本での販売を行っていた関連商品の発売を中止。そのため、当初4クールの放送を予定していたが、2クール放送の半年をもって打ち切られた。[要出典]
  • 2007年平成19年)、合併直後に「くまのプーさん わたあめポット」(旧トミー製品)に安全面で問題が発生、自主回収が行われている。[要出典]
  • 旧タカラ時代に「レンジでチン ハローキティホット2フレンド」という製品の回収を行っていた。2006年9月には新たに事故が起こったことから、同年10月3日の新聞朝刊末尾で、製品の回収を改めて呼びかけている[21]
  • 2016年平成28年)、「プリスポ」シリーズの新感覚スポーツトイ「トワールリングバトン」の「ブルー」「ピンク」「パープル」の商品で、本体のシャフト部分から色落ちすることが判明し、発売が延期された[22]
  • 2020年令和2年)10月21日、タカラトミー公式ツイッターが、同社の主力商品である「リカちゃん」の宣伝時に「小学5年生の女の子の個人情報を暴露します」といった不適切な表現のあるツイートを発信したことで、同年10月24日に公式アカウントで謝罪した[23][24]。なお、公式ツイッターでは2019年(令和元年)にもアニメ番組について不適切な表現を含むツイートをしていたなどとして、同年6月開催の株主総会で指摘されていた[24]

関連項目

商品化した主な作品

タカラトミー設立以後に商品化された(されている)主な作品のみを記載。合併前の旧トミー及び旧タカラ時代に商品化された作品についてはそれぞれの記事を参照。

など多数

関連企業・施設

脚注

注釈

  1. ^ 同社が展開するシリーズとは別にコトブキヤとのコラボレート企画商品であるHMMシリーズも展開している。
  2. ^ 親会社が展開するシリーズとは別に子会社のトミーテックが発売する『チョロQzero』も展開している。
  3. ^ 爆丸ジオガンライジング』以降は、同社による日本国内での玩具展開は行われていない。
  4. ^ ニンテンドー3DS専用ソフト「NARUTO -ナルト- 疾風伝 忍立体絵巻! 最強忍界決戦!!」(2011年3月31日発売)まで。
  5. ^ 2006年発売のアトラス版の同名ゲームとは別物。
  6. ^ V03弾以降は、子会社・タカラトミーアーツへ移管されたが、2012年5月にV05弾を以ってサービス終了している。
  7. ^ シーズン9以降は、子会社・タカラトミーアーツへ移管。

出典

  1. ^ JPX日経中小型株指数構成銘柄一覧 (2021年9月30日時点) jpx.co.jp 2021年10月4日公表 2021年10月8日閲覧。
  2. ^ a b 株式会社トミーと株式会社タカラの合併による新会社「株式会社タカラトミー」の基本方針に関するお知らせ 株式会社タカラ、株式会社トミー、2005年(平成17年)8月24日、2022年7月19日閲覧。
  3. ^ a b トミーとタカラ、来年3月に合併 ITmediaニュース、2005年5月13日、2022年7月19日閲覧。
  4. ^ a b 「数時間前までもめていた」──タカラトミー、スピード交渉の舞台裏 ITmediaニュース、2005年5月13日、2022年7月19日閲覧。
  5. ^ 合併公告 タカラトミー[リンク切れ]
  6. ^ a b 株式会社インデックスの民事再生手続開始の申立てに伴う当社への影響に関するお知らせ”. タカラトミー (2013年6月28日). 2013年7月5日閲覧。
  7. ^ 孫会社の合併に関するお知らせタカラトミー 2009年10月21日
  8. ^ 組織変更並びに人事異動に関するお知らせタカラトミー 2012年9月24日
  9. ^ 子会社の商号変更に関するお知らせタカラトミー 2012年9月19日
  10. ^ タカラトミーグループ再生計画タカラトミー 2013年3月25日
  11. ^ 子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせタカラトミー 2013年7月16日
  12. ^ 子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ
  13. ^ 連結子会社間の合併に関するお知らせタカラトミー 2014年9月24日
  14. ^ 代表取締役社長の異動及び執行役員人事に関するお知らせ
  15. ^ 「ブライス」製造および製品流通についてグッドスマイルカンパニー 2021年12月3日
  16. ^ ブライスドールの発売元変更のお知らせクロスワールドコネクションズ 2021年4月6日
  17. ^ タカラトミーの新商品「OHaNAS」を共同で開発
  18. ^ 話の分かる、ロボットです
  19. ^ タカラトミー、会話ロボOHaNAS(オハナス)発表。ドコモのクラウドで自然な会話を実現
  20. ^ 人生ゲームがNintendo Switchで登場!/パーティーゲームで盛り上がろう!”. タカラトミー. 2023年10月21日閲覧。
  21. ^ 引き続き、お客様へのお願いです。謹告「レンジでチン ハローキティホット2フレンド」の商品回収を進めています タカラトミー、2013年11月、2022年7月19日閲覧。
  22. ^ 【PDF】「トワールリングバトン」発売延期のお知らせ| タカラトミー
  23. ^ リカちゃん困惑!?…“#個人情報暴露”で炎上、タカラトミー公式「不適切ツイート」謝罪スポニチ Sponichi Annex、2020年10月25日。
  24. ^ a b タカラトミー「リカちゃん」炎上に学ぶ、致命的なNG投稿と話題になる投稿の紙一重の違い 企業公式の炎上が後を絶たない理由”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン). p. 2 (2020年11月6日). 2020年11月6日閲覧。
  25. ^ TDRに大異変! 入場減とスポンサー離れ - J-CASTニュース 2006年10月20日

外部リンク