テオスカー・ヘルナンデス

ドミニカ共和国のプロ野球選手

テオスカー・ホセ・ヘルナンデスTeoscar José Hernández, 1992年10月15日 - )は、ドミニカ共和国サンチェス・ラミレス州コトゥイ英語版出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。MLBロサンゼルス・ドジャース所属。

テオスカー・ヘルナンデス
Teoscar Hernández
ロサンゼルス・ドジャース #37
トロント・ブルージェイズ時代
(2020年7月27日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サンチェス・ラミレス州コトゥイ英語版
生年月日 (1992-10-15) 1992年10月15日(31歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
180 lb =約81.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2011年 アマチュアFA
初出場 2016年8月12日
年俸 $23,500,000(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2023年
プレミア12 2015年

経歴 編集

プロ入りとアストロズ時代 編集

2011年2月にヒューストン・アストロズと契約してプロ入り[2]。契約後、傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・アストロズでプロデビュー。65試合に出場して打率.274、7本塁打、35打点、16盗塁を記録した。

2012年アメリカ合衆国本土に渡り、この年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・アストロズとA級レキシントン・レジェンズでプレー。2チーム合計で59試合に出場して打率.243、5本塁打、23打点、11盗塁を記録した。

2013年はA級クァッドシティーズ・リバーバンディッツ英語版[3]でプレーし、123試合に出場して打率.271、13本塁打、55打点、24盗塁を記録した。

2014年はA+級ランカスター・ジェットホークスとAA級コーパスクリスティ・フックスでプレーし、2チーム合計で119試合に出場して打率.292、21本塁打、85打点、33盗塁を記録した。

2015年はAA級コーパスクリスティでプレーし、121試合に出場して打率.219、17本塁打、48打点、33盗塁の成績を残した。オフの11月には第1回WBSCプレミア12ドミニカ共和国代表に選出された。

2016年は開幕をAA級コーパスクリスティで迎えた。6月末にはAAA級フレズノ・グリズリーズへ昇格。メジャー初昇格までに2球団合計で107試合に出場して打率.307、10本塁打、53打点、34盗塁を記録した。8月12日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[4]。同日のトロント・ブルージェイズ戦にて「8番・中堅手」で先発出場してメジャーデビュー。6回裏にフランシスコ・リリアーノからメジャー初安打となる本塁打を放ち、この試合は4打数2安打、1打点、1四球の活躍で、チームも5-3で勝利した[5]。この年メジャーでは41試合に出場して打率.230、4本塁打、11打点を記録した。

ブルージェイズ時代 編集

2017年7月31日にフランシスコ・リリアーノとのトレードで、青木宣親と共にブルージェイズへ移籍した[6]。9月1日にセプテンバー・コールアップマイケル・ソーンダースリチャード・ウレーニャルーク・メイリーと共にメジャーに昇格し[7]、同日の試合でブルージェイズ移籍後初出場し、5回に移籍後初安打を記録した[8]。9月10日のデトロイト・タイガース戦で移籍後初本塁打を記録し、同日は1試合2本塁打を記録し、2011年7月22日のJ.P.アレンシビアが記録した新人による初本塁打を記録した日に1試合2本塁打に並んだ[9]

2018年は開幕をAAA級バッファロー・バイソンズで迎えた。4月13日にジョシュ・ドナルドソン故障者リスト入りに伴って昇格した[10]。6月25日にブルージェイズの一員としてヒューストンに戻ってきた際に、チームメイトのタイラー・クリッパードから前年のワールドシリーズ優勝リングを受け取った[11]。MLBで初めてフルシーズン左翼手として守備を行ったため守備面では難を見せたが、打撃面では初めて100試合の出場に到達した時点で51長打を放っていた[12]。134試合に出場し、打率.239、22本塁打を記録した。

2019年のシーズン最初の2ヶ月は不振に陥り、打率.189、3本塁打だった。5月16日にオプションで降格した後、2週間後にMLBに昇格し、中堅手として改善されたプレーを見せた。125試合に出場し、26本塁打を記録した。

2020年COVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなる中で主軸選手として活躍し、自身初となるシルバースラッガー賞を受賞した。

2021年は開幕をMLBで迎え、ヤンキースとの開幕戦ではゲリット・コールから本塁打を記録するなどチームの勝利に貢献した[13]。しかし、その後COVID-19に感染し、COVID-19特例故障者リスト入りした。4月30日にCOVID-19特例故障者リストから復帰した[14]。7月1日にファン投票で自身初となるオールスターに選出された[15]。オールスターゲーム前日の7月12日に「8番 左翼手」で先発出場することが発表された[16]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは2回表にオールスターゲーム初打席に立ち、ブルワーズのコービン・バーンズと対決したが、併殺打に打ち取られた[17]。5回表に2打席目を迎えてマーリンズのトレバー・ロジャースからオールスターゲーム初安打を記録した[17]。8月16日にプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞した[18]。このシーズンは打率.296・32本塁打・116打点という成績を残した。 オフの11月23日に自身初めてオールMLBチームのセカンドチーム外野手の1人に選出された[19]。また2年連続でシルバースラッガー賞を受賞した。

2022年開幕戦テキサス・レンジャーズ戦では5回に同点となる3点本塁打を放ち、一時7点差をつけられていたチームの逆転勝ちに貢献した。このシーズンは4月14日に故障者リストに入る[20]と打撃不振に陥り、5月終了時点で打率が1割台に沈んでいたが、6月以降は復調し最終的に131試合に出場、打率.267、25本塁打、77打点という成績を残した。ポストシーズンではシアトル・マリナーズと対戦したワイルドカードシリーズ第2戦で元チームメイトのロビー・レイから2本の本塁打を放つ活躍をみせた。

マリナーズ時代 編集

2022年11月16日にエリック・スワンソンアダム・マッコ英語版とのトレードで、マリナーズへ移籍した[21]

2023年はシーズン開幕前の3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシックドミニカ共和国代表に選出された。 シーズンでは160試合に出場して打率.258、26本塁打、93打点、7盗塁を記録した。オフの11月3日にFAとなった[22]

ドジャース時代 編集

2024年1月8日にロサンゼルス・ドジャースと1年2350万ドルで契約を結んだ[23]

2024年3月14日にMLB史上初となる韓国ソウルサンディエゴ・パドレスと開催する開幕戦に帯同する選手として発表された[24]。3月15日に仁川国際空港に到着[25]。3月20日に開幕ロースター入りした[26]。同日の開幕戦でドジャース移籍後初出場を果たした。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2016 HOU 41 112 100 15 23 7 0 4 42 11 0 2 0 1 11 1 0 28 5 .230 .304 .420 .724
2017 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- ---- ---- ----
TOR 26 95 88 16 23 6 0 8 53 20 0 1 0 1 6 0 0 36 0 .261 .305 .602 .908
'17計 27 95 88 16 23 6 0 8 53 20 0 1 0 1 6 0 0 36 0 .261 .305 .602 .908
2018 134 523 476 67 114 29 7 22 223 57 5 5 0 3 41 0 3 163 14 .239 .302 .468 .771
2019 125 464 417 58 96 19 2 26 197 65 6 3 0 1 45 1 1 153 8 .230 .306 .472 .778
2020 50 207 190 33 55 7 0 16 110 34 6 1 0 1 14 0 1 63 4 .289 .340 .579 .919
2021 143 595 550 92 163 29 0 32 288 116 12 4 0 2 36 1 7 148 5 .296 .346 .524 .870
2022 131 535 499 71 133 35 1 25 245 77 6 3 0 0 34 0 2 152 18 .267 .316 .491 .807
2023 SEA 160 678 625 70 161 29 2 26 272 93 7 2 0 7 38 2 8 211 6 .258 .305 .435 .741
MLB:8年 811 3209 2945 422 768 161 12 159 1430 473 42 21 0 16 225 5 22 954 60 .261 .316 .486 .802
  • 2023年度シーズン終了時

WBCでの打撃成績 編集















































2023[27] ドミニカ共和国 4 7 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 3 0 .000 .286 .000

年度別守備成績 編集



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2016 HOU 22 19 0 0 0 1.000 15 17 1 1 0 .947 6 10 0 1 0 .909
2017 - - 1 1 0 0 0 1.000
TOR 18 21 1 1 0 .957 5 13 0 0 0 1.000 2 4 0 0 0 1.000
'17計 18 21 1 1 0 .957 5 13 0 0 0 1.000 3 5 0 0 0 1.000
2018 87 142 8 4 2 .974 - 35 69 3 4 0 .947
2019 46 78 7 3 4 .966 79 183 2 0 0 1.000 -
2020 - 9 14 1 0 0 1.000 40 62 6 3 2 .958
2021 58 40 0 2 0 .952 2 0 0 0 0 ---- 110 220 7 3 1 .987
2022 8 16 0 0 0 1.000 - 117 227 10 4 1 .983
2023 SEA - - 135 249 12 3 7 .989
MLB 239 316 16 10 6 .971 110 227 4 1 0 .996 446 842 38 18 11 .980
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰 編集

記録 編集

背番号 編集

  • 35(2016年 - 2017年途中、2023年)
  • 37(2017年途中 - 2022年、2024年 - )

代表歴 編集

脚注 編集

  1. ^ Teoscar Hernández Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2024年1月9日閲覧。
  2. ^ Hernandez homers twice, continues to rake”. MiLB.com (2014年5月21日). 2017年3月30日閲覧。
  3. ^ 2013年よりアストロズ傘下
  4. ^ http://www.chron.com/sports/astros/article/Astros-to-call-up-outfielder-Teoscar-Hernandez-9138976.php
  5. ^ Musgrove gets first career win, Astros beat Blue Jays 5-3
  6. ^ Toronto gets Aoki, prospect for Liriano”. Official Toronto Blue Jays Website (2017年7月31日). 2017年8月2日閲覧。
  7. ^ Blue Jays call up prospects Hernandez, Urena MLB.com (英語) (2017年9月1日) 2017年9月2日閲覧
  8. ^ Highly touted Teoscar debuts with Blue Jays MLB.com (英語) (2017年9月1日) 2017年9月2日閲覧
  9. ^ Hernandez gives Blue Jays a glimpse of future MLB.com (英語) (2017年9月10日) 2017年9月14日閲覧
  10. ^ Blue Jays lose Donaldson (shoulder) to DL” (2018年4月13日). 2018年4月13日閲覧。
  11. ^ Blue Jays’ Hernandez, Clippard appreciative of time with Astros” (2018年6月25日). 2018年6月25日閲覧。
  12. ^ https://www.baseball-reference.com/players/h/hernate01.shtml Teoscar Hernandez @ Baseball Reference
  13. ^ Keegan Matheson (2021年4月2日). “Clutch in big moments, Blue Jays edge Yanks” (英語). MLB.com. 2021年4月9日閲覧。
  14. ^ Keegan Matheson (2021年5月1日). “Teoscar returns from COVID IL; Roark DFA” (英語). MLB.com. 2021年5月2日閲覧。
  15. ^ Matt Kelly, Manny Randhawa (2021年7月2日). “Here are your 2021 All-Star Game starters” (英語). MLB.com. July 11, 2021閲覧。
  16. ^ Anthony Castrovince (2021年7月12日). “All-Star Game starting pitchers, lineups, FAQ” (英語). MLB.com. 2021年7月13日閲覧。
  17. ^ a b Keegan Matheson (2021年7月14日). “Led by Vlad, Blue Jays drive AL offense” (英語). MLB.com. 2021年7月29日閲覧。
  18. ^ Michael Guzman (2021年8月17日). “Players of the Week: Hernández, Gilbert” (英語). MLB.com. 2021年8月24日閲覧。
  19. ^ Anthony Castrovince (2021年11月24日). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. 2021年11月24日閲覧。
  20. ^ Transctions”. MLB.com. 2022年11月17日閲覧。
  21. ^ Teoscar Hernández trade: Mariners acquire All-Star outfielder from Blue Jays in three-player deal”. www.cbssports.com. 2022年11月16日閲覧。
  22. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (2023年11月3日). 2023年11月10日閲覧。
  23. ^ ドジャースまた補強 右打ちヘルナンデス外野手獲得、1年34・1億円うち12・3億円は後払い”. 日刊スポーツ (2024年1月8日). 2024年1月8日閲覧。
  24. ^ Juan Toribio (2024年3月14日). “Dodgers reveal roster for trip to South Korea” (英語). MLB.com. 2024年3月21日閲覧。
  25. ^ ドジャースの大谷翔平らが韓国到着 ソウルでパドレスと開幕戦へ”. 聯合ニュース (2024年3月15日). 2024年3月21日閲覧。
  26. ^ Dodgers announce Seoul Series 26-man roster” (英語). MLB.com (2024年3月20日). 2024年3月21日閲覧。
  27. ^ 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年4月6日閲覧
  28. ^ All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集