ディディーコングは、任天堂テレビゲームドンキーコングシリーズマリオシリーズに登場するキャラクター。開発はレア社だが、現在は任天堂に所属している。

ディディーコング
ドンキーコングシリーズ
マリオシリーズのキャラクター
初登場作品スーパードンキーコング
英語版声優アンドリュー・サビストン
日本語声優鈴木勝美(ゲーム版)
林原めぐみ(アニメ版)

概要 編集

赤色のベスト[注釈 1]帽子[注釈 2]を身に付けたチンパンジー[注釈 3]2代目ドンキーコング(以下ドンキー)の弟分であり、共に行動することも多い。ガールフレンドにディクシーコングがいる。

イニシャルはドンキー、ディクシー、ディンキーと同じ「DK」である。

一人称はゲーム、アニメ共に「オイラ」であることが多いが、『スーパードンキーコング3』とアニメ版の漫画では「ぼく」。

非常に身軽で動きはドンキーよりも俊敏。また、自在に操れる長いを持ち、自身の体重程度の重さなら楽に支えられる。それ以外の力は基本的に弱いため、『ドンキーコング リターンズ』では地面を叩くアクション(ドンキーで言うハンドスラップ)を、ピーナッツ・ポップガンで行っている。足もかなり速く、『スーパーマリオスタジアム ミラクルベースボール』では、走塁力がヨッシーに次いでメインキャラクター中2位であったが、パワーはメインキャラクター中最下位。

他キャラクターに比べると性格設定に不明確な部分が多く、「ドンキーに比べてしっかり者」ということくらいしか分かっていない。会話シーンやムービーで誰よりも早く何かに気付くことが多い。

基本的にドンキーと仲が良く、『マリオパーティDS』ではドンキー宛てだった手紙を読んでおり、彼と共に行動する機会が非常に多い。

声優は、アニメ版『ドンキーコング』では林原めぐみ、ゲーム版はドンキーコングシリーズでは開発スタッフのクリス・サザーランドが担当していた[要出典]が、『ドンキーコングたるジェットレース』、マリオシリーズでは『マリオテニスGC』以降、鈴木勝美が彼の声を担当している。『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』ではドンキーコング同様に声優が起用されず、サウンドエフェクトによる声となっている。

歴史 編集

ドンキーコングシリーズ全体で見ると、基本的に準主人公的な扱いと言える。

1994年の『スーパードンキーコング』で初登場。ドンキーの相棒として、キングクルールに盗まれたバナナを取り返しに向かった。当時からドンキーとは対照的な設定が成されており、「身軽だが多少非力なキャラ」として現在まで引き継がれている。当初から2人1組で行動する事を前提に開発されたため、ディディーでは倒せない敵やクリア出来ないトラップも存在していた。なお、このゲームを新規に始めた場合、ディディーはタルに詰められた状態で発見出来る。これは、バナナ倉庫(ドンキーの家の真下)の番をしていた所をクレムリン軍によって閉じ込められ、彼らが撤収する際にそのまま捨てていった為である。

続編の『スーパードンキーコング2』(1995年)では、主人公となる。ドンキーが拉致され、ディディーが率先して救出しに向かった。相棒はディクシーとなり、2人共スピード重視のキャラだった為にパワー系の敵には苦戦したが、新たにチームアップ(相棒を肩車し、投げる技)を編み出し、全体的なパワーの低さを補った。また、リメイク版では単独でのタイムアタック、「ディディーのダッシュ」というモードも追加されている。ディディーとディクシーの基本的な行動は同じであるが、物の持ち方が異なり、ディディーは前方(これは次作のディンキーも同じ)、ディクシーは頭上(これは前作のドンキーも同じ)に構える。したがって、物を運んでいる際の守備範囲が異なる。また、ダッシュやジャンプは両者とも俊敏である。『2』では声が低くなった。

3作目『スーパードンキーコング3』(1996年)ではドンキーと共にクレミス島の探検に向かったが、途中でバロンクルールに捕まり、ロボット「カオス」の体内に2匹共々幽閉された。最終的にディクシーらの活躍によって助けられたが、登場した際には「バナナの山の夢を見ていた」と訳の分からない事を口にするだけで、結局いつどこで捕まったのかは判明せずに終わった。探検時の置き手紙に「明日戻る」と書かれており、数日経過しても戻らなかったことから、探検初日もしくは翌日には事件に巻き込まれていたことになる。

1997年の『ディディーコングレーシング』では、それまでと異なり、友人のティンバー(トラ)から誘われる形で、ティンバーアイランドを占拠していたウィズピッグ(ブタ)を倒しにへ遠征している。また、この作品には軽いキャラが多いため、平均体重がディディーと同じ位になっている。

ドンキーとは、1999年の『ドンキーコング64』で再共演。ゲームシステム上、共に行動する事は無いが、その分単独での技は多彩になっている。シリーズおなじみの横トンボ返り(側転)攻撃に加え、尻尾を鞭代わりに振るう基本攻撃や、頭突きと突進を合わせた「ディディータックル」、尻尾をばねにして大ジャンプする「スプリングテール」、空を飛ぶ「バレルジェット」、ピーナッツを発射する「ピーナッツ・ポップガン」、周囲の敵を一掃する「エレキ・ショッカー」など独自の技も多数生まれている。本作では身軽さがジャンプ力という点において特に顕著であり、独自の技を使わなくてもほかのキャラクターより高い所によじ登ることができる。

その後、2002年にレアがマイクロソフトに吸収合併され、出演が決まっていた『ディディーコングパイロット』等の作品は凍結された。またDS版の『ディディーコングレーシングDS』も2010年10月未だに日本では発売されていない。しかし、既に世界的に有名なゲームキャラクターとなっていたディディーは、マリオシリーズに初登場したキャメロット製作の『マリオゴルフファミリーツアー』やナムコ開発の『ドンキーコンガ』(共に2003年)にも出演しており、以前よりはむしろ目立った活躍が多く見られるようになった。

なお、任天堂が直接開発した『マリオカート ダブルダッシュ!!』(2003年)ではレーサーとして参戦しているが、反面『ディディーコングパイロット』はバンジョーを主人公にした『バンジョーパイロット』に内容が変更されている。

マリオテニスGC』(2004年)に至っては形状こそ異なるもののバレルジェットも登場している。しかし、スピードを売りにしたキャラとしてはヨッシーがおり、差別化の為にサルらしさを強調(以前は行動面でかなり擬人化して描かれていた)する事を余儀なくされている。

2005年、『ぶらぶらドンキー』では、彼が単独で冒険するモードが存在する。攻撃力が少し弱いが、ジャンプ力が高い。説明書には、「ジャングルピックの優勝候補ナンバーワン」と書かれている。

ドンキーコング たるジェットレース』(2007年)では、コーナリングの得意な能力を持って参戦。アタックは回し蹴りで攻撃する。対になるキャラとして、キップ(この作品で初登場)が存在する。彼には一方的にライバル視されている。

ドンキーコング ジャングルクライマー』(2007年)では、久々にドンキーとコンビを組んで冒険している。ただし、『スーパードンキーコング』のようにタッチによる交代で彼を直接操作できるわけではなく、ドンキーのアクションを増やす形でついて行く。投げ飛ばされることによって通常では取れないアイテムを取ったり、ボス戦で有利になれるなど貴重な役割をしている。会話の中では、宇宙に逃げそうになったキングクルールに追いつく手段をとっさに発見し、しっかり者という性格を表している。

ドンキーコングリターンズ』(2010年)では、ティキ族からバナナを取り返す為にドンキーと共に冒険する。ピーナッツ・ポップガンとバレルジェットを持ち出しおり、横スクロールアクションでは初の使用となる。アクションバレルジェットの形状や効果は今までと異なっており、リュックサックに収まる程小型化されているためか上昇はできない。彼だけでラストボスを倒すと、専用のムービーが見られる。今作から声がかなり高くなった(声は今までと同じく鈴木勝美があてている)が、プリレンダムービーではいつも通りの低めの声である。

ドンキーコング トロピカルフリーズ』(2014年)では、ドンキーだけでなく、ディクシーやクランキーとも冒険することになる。前作通りの能力に加え、水中を高速で移動する「ジェットブラスト」が使えるようになっている。一定の条件を満たせば他のコング同様単独での操作が可能となり、任意にピーナッツ・ポップガンも撃つことができる。プリレンダムービーでも高めの声で統一されている(しかし後に発売された『マリオゴルフ ワールドツアー』では低めの声に戻っており、「ドンキーコング64」のボイスが同時に起用されている)。

大乱闘スマッシュブラザーズX』では新たなプレイヤーキャラクターとして参戦した。サルらしいアクロバティックな動きが特徴で、ピーナッツ・ポップガンとバレルジェットも使用する。最後のきりふだは、バレルジェットで飛びながらピーナッツ・ポップガンを撃ちまくるバレルジェットパニック。アドベンチャーモード「亜空の使者」では自分を逃がす形で戦闘不能となり敵に捕らわれてしまったドンキーを助けるべく、冒険の道中で出会ったフォックスファルコを半ば無理矢理連れて行く。この事から、『スマブラ』においてはやや強引な性格とされていることがうかがえる。2008年2月29日『ファミ通』増刊号の「直撃!!桜井政博さんインタビュー 新規参戦キャラクターについて聞く後編」のディディーのインタビューにて、実は開発当初は『スーパードンキーコング2』のようにディクシーコングとペアで出す予定で、タッチする事で2人を入れ替えるはずだったが、製作の事情によりカットになったと語っている。『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』にもプレイヤーキャラクターとして参戦している。

アニメでの設定は『ドンキーコング (アニメ)』の項を参照。

登場作品 編集

ドンキーコングシリーズ 編集

マリオシリーズ 編集

ゲスト出演 編集

amiibo 編集

大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』のディディーコングのamiiboが発売されている。『スーパーマリオメーカー』等のソフトに対応[1]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1995年以降の作品では黄色い五芒星マークが入っている。
  2. ^ 2003年の『マリオゴルフファミリーツアー』以降、一部アートワークでのみ書かれていた「Nintendo」のロゴがゲーム内でも書かれるようになった。
  3. ^ ただし、アマダから発売されたトレーディングカードでは種族が「ゴリラ」とされていた。

出典 編集