トゥール ダルジャン(La Tour d'argent)は、フランス パリ5区セーヌ川対岸シテ島ノートルダム大聖堂を見渡すトゥルネル河岸通り15-17番地に本店、日本国内の東京都千代田区紀尾井町 ホテルニューオータニ内に支店があるフランス料理の最高級レストラン(グランメゾン)。店名は日本語で「銀の塔」の意味。

料理が名物。ミシュランの3つ星を長く保持していたことも有名。

現在(2021版)はパリ本店も、東京ニューオータニ店も、ミシュランの1つ星である。

略歴 編集

1582年セーヌ川のほとりに誕生する。

鹿狩りの帰り、たまたま通りかかったアンリ3世の知る所となってから、「上流階層の社交場」として発展し、その過程をして「フランス料理の歴史そのもの」と言わしめるほどとなった。

1933年の3つ星第一回から、戦時中断を挟んで、1951年まで3つ星を維持するが、1952年初めて2つ星に降格。しかしオーナーのクロード・テライユの努力により、翌1953年3つ星に復帰した。

1984年秋、ホテルニューオータニ内に世界唯一の支店として、トゥールダルジャン・東京店が開業した。

1996年、43年間継続していたギド・ミシュラン3つ星を2つ星に落とすという2度目の失態を演じ、フランス料理界に激震が走る。その後も凋落傾向は続き、2006年、評価は1つ星になってしまった。

2007年12月、東京・代官山にパリ本店直営のブティックが誕生。フランス直輸入のフォアグラ・紅茶・ジャム・チョコレートなどが購入できるほか、パリ本店のワインカーヴより直送された約4,000本を含む総数約10,000本のワインなどを扱っていたが、2009年7月31日をもって閉店した。

2016年、本店内にギフトショップを移転し、元々のギフトショップの場所に直営のパン店と、ビストロ(ミシュラン掲載、星はない)を開店した。

エピソード 編集

 
  • 19世紀末に活躍した給仕長のフレデリック・デレールは、手がけた鴨の一羽一羽に番号をつけ提供するというアイデアを発案し、これが現在でも引き継がれている。
  • 1921年6月21日昭和天皇(当時は皇太子)のパリ来店に際し53,211羽目の鴨で、1971年の2度目の来店に際しては423,900羽目の鴨でもてなした。東京店では、これに由来し、53,212羽目の鴨からナンバリングしている。
  • ソムリエのメッカ(聖地)としても知られ、数多くの有名ソムリエを輩出している。
  • 陶芸家、美食家の北大路魯山人は鴨料理を「ソースが合わない」と評価し、持参したわさび醤油で食べたとされている。
  • ドラマ「半沢直樹」シーズン2のロケ地として登場し、半沢の「3人まとめて1000倍返しだ!!」や大和田との「タンデム土下座」などの名シーンで登場する[1]
  • Chef cavisteの林秀樹は2021年12月に逝去。1986年以降、35年にわたりcavisteを務めた。その後、cavisteは置かれず、ワインはsommelierが管理している。

脚注 編集

  1. ^ Starwave (2020年10月7日). “半沢直樹御用達のニューオータニ東京で名シーンを振り返る!”. StarwaveのDisney&Hotels Life. 2022年10月29日閲覧。

外部リンク 編集