トウゴマ(唐胡麻、学名Ricinus communis)は、トウダイグサ科トウゴマ属の多年草。別名、ヒマ(蓖麻)[1]

トウゴマ
トウゴマ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
: トウゴマ属 Ricinus
: トウゴマ R. communis
学名
Ricinus communis L.
和名
トウゴマ(唐胡麻)
英名
Castor bean

種子から得られる油はひまし油(蓖麻子油)として広く使われており、種にはリシン (ricin) というタンパク質がある[2]

属名の Ricinusラテン語ダニを意味しており、その名のとおり果実は模様と出っ張りのため、ダニに似ている。トウゴマは栽培品種が多くあり、その植生形態は個体によって大きく変化し、あるものは多年生で小さな木になるが、あるものは非常に小さく一年生である。の形や色も多様であり、育種家によって分類され、観葉植物用に栽培されている。

リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[3]

特徴 編集

一属一種。原産は、東アフリカと考えられているが、現在では世界中に分布している。公園などの観葉植物として利用されることも多い。

種子は40-60%の分を含んでおり、主にリシノリン英語版などのトリグリセリドを多く含むほか、毒性アルカロイドリシニンも含む[4]

トウゴマの種は、紀元前4000年頃につくられたエジプトの墓所からも見つかっている。ヘロドトスや他のギリシャ人旅行者は、ひまし油を灯りや身体に塗る油として使用していたと記述している。インドでは紀元前2000年頃からひまし油を灯りや便秘薬として使用していたと記録されている。中国でも数世紀にわたって、内用・外用の医薬品として処方されている。日本では、ひまし油は日本薬局方に収録されており、下剤として使われる。ただし、猛毒であるリシンが含まれているため、使用の際は十分な注意が必要である。特に妊娠中や生理中の女性は使用してはならない。また、種子そのものを口にする行為はさらに危険であり、子供が誤食して重大事故が発生した例もある。

生産 編集

現在、トウゴマは世界で年間約100万トン生産されており、主な生産地はインド中国ブラジルである[5]。これらの国々では活発な生産計画が実施されている。

出典 編集

関連項目 編集