ドンソン文化(ドンソンぶんか、中国語: 東山文化ベトナム語: Văn hóa Đông Sơn)は、ベトナム北部の紅河流域を中心に成立した[1]東南アジア初期の金属器文化[2][3]

ドンソン文化
青銅の短剣
各種表記
チュ・クオック・グー Văn hóa Đông Sơn
漢字・チュノム 文化東山
北部発音: ヴァンホア・ドンソン
英語表記: Dong Son culture
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銅鼓ベトナム ディエンビエン省ダ川(沱江)出土(紀元前1千年紀中頃)
青銅製の置物。タイ王国出土(紀元前500年から紀元前300年

概説 編集

ドンソン文化は、共伴する中国遺物の年代により[2]紀元前4世紀頃から紀元1世紀頃にかけて続いたとされる[4]

タインホア省(清化省)タインホア市マー川(馬江)右岸のドンソン英語版に、ドンソン文化の遺跡が存在し[5]、指標になっている[2]。遺跡は1920年代フランス極東学院考古学者らによって発見され、特徴的な銅鼓が有名になった。祭器としての青銅器が極めて発達しているが、鉄器も知られている[6][7]

銅鼓の起源については、紀元前5世紀頃、中国の雲南西部で創出されたとされ、紀元前4世紀になってドンソン銅鼓英語版[8](ヘーゲル I 式銅鼓、: Heger Type I drum)が生産されるようになる[9]。その後、中国南部からマレー半島タイインドネシアにも広く分布している[10]

脚注 編集

参考文献 編集

  • 『岩波講座 東南アジア史 1 原史東南アジア世界』岩波書店、2001年。ISBN 4-00-011061-6 
  • 桃木至朗(代表) 編『新版 東南アジアを知る事典』平凡社、2008年。ISBN 978-4-582-12638-9 

関連項目 編集

外部リンク 編集