ネズミドリ科(ネズミドリか、学名 Coliidae)は、鳥類ネズミドリ目 Coliiformes唯一の科である。ネズミドリ(鼠鳥)と総称される。

ネズミドリ目
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
上目 : 新顎上目 Neognathae
階級なし : ネオアヴェス Neoaves
階級なし : コロナヴェス Coronaves
: ネズミドリ目 Coliiformes
: ネズミドリ科 Coliidae
学名
Coliiformes Murie, 1872
Coliidae Swainson1837
和名
ネズミドリ(鼠鳥)
英名
Mousebird

特徴 編集

分布 編集

アフリカ大陸サハラ砂漠以南)

形態 編集

全長は約30–36cm.。頭に冠羽がある。羽毛灰色などくすんだ色をしている。

通常、鳥の体を覆っている羽毛の大部分(正羽)には羽鉤(はねかぎ)と呼ばれる鉤状の小突起があり、これによって羽毛同士は引っかかり、まくれあがらないようになっている。しかしネズミドリ目にはこの羽鉤がないため、羽毛がまるでネズミの毛のようにボサボサと立っている。

(あしゆび)が4本全て前を向く皆前趾足だが、より詳しく言えば、後趾と外趾を後ろ向きにできる随意対趾足である。これは樹上生活に適応した結果である。

生態 編集

樹上で10–30羽程度の群れを作って生活している。時折、群れのメンバーがまるでおしくらまんじゅうの様な塊を形成することがある。これはクラスタリングと呼ばれ、ネズミドリ科特有の行動である。

餌は主に、果実種子などの植物食だが、まれに昆虫も食べる。

樹上でネズミのように走り回ることから、ネズミドリと呼ばれる[1]

系統と分類 編集

系統と上位分類 編集

伝統的に、単独でネズミドリ目を構成してきた。

Sibley分類では、Neoaves新顎類に相当)の6つの小綱の1つネズミドリ小綱 Coliae を単独で構成していた。

系統的には、スズメ目などからなる land birds 系統の一員である。詳細な系統は不確実だが、フクロウ目と姉妹群である可能性が高い[2]

属と種 編集

2属6種が属す[3]。Sibley分類ではこれらをネズミドリ亜科 Coliinae とオナガネズミドリ亜科 Urocoliinae に分けたが、いずれも単型であるためほとんど使われない。

出典 編集

  1. ^ 松井正文 (2006), “鳥綱”, in 松井正文, バイオディバーシティ・シリーズ 7 脊椎動物の多様性と系統, 裳華房, ISBN 4-7853-5830-0 
  2. ^ Hackett, SJ.; et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320: 1763-1768 
  3. ^ IOC World Bird List 2.4: Mousebirds by Frank Gill, David Donsker and the IOC team