ネプツニウム系列(ねぷつにうむけいれつ、: Neptunium series)は、ネプツニウム237からタリウム205までの崩壊過程のことである。ネプツニウム系列に属する核種質量数はnを整数とすると4n+1で表すことができるので4n+1系列ともいう。親核種であるネプツニウム237の半減期が200万年程度しかなく子孫核種の半減期はそれよりも短いため、ネプツニウム系列の同位体は最終系列核種のビスマス209とタリウム205を除いて、ほとんど現存していない。そのため、自然界で確認できる他の3つの崩壊系列に対して発見が遅れ、「ミッシング・シリーズ」と呼ばれていたが、1947年にプルトニウム241を起点とする崩壊系列として発見された。因みに自然界に於いては、ウラン鉱の中から極微量のネプツニウム237が核種崩壊の際の副産物としてしばしば発見されるため、わずかながら自然界に於いても確認されている。

崩壊系列表 編集

下表ではネプツニウム237の親核種に当たる同位体群も含まれている(プルトニウム241から始まっている)。

 
ネプツニウム系列
核種 崩壊モード 半減期 DE/MeV 娘核種
241Pu β- 99.9975 %
α 0.0025 %
14.4 年 0.021
5.14
241Am
237U
241Am α 432.2 年 5.638 237Np
237U β 6.75 日 0.519 237Np
237Np α 2.144×106 4.959 233Pa
233Pa β- 26.967 日 0.571 233U
233U α 1.592×105 4.909 229Th
229Th α 7,880 年 5.168 225Ra
225Ra β- 14.9 日 0.357 225Ac
225Ac α 10.0 日 5.935 221Fr
221Fr α 99.9 %
β- 0.1 %
4.9 分 6.458
0.312
217At
221Ra
221Ra α 28.0 秒 6.886 217Rn
217At α 99.99 %
β- 0.01 %
32.3 ミリ秒 7.202
0.740
213Bi
217Rn
217Rn α 0.54 ミリ秒 7.889 213Po
213Bi β- 97.91 %
α 2.09 %
45.49 分 1.426
5.982
213Po
209Tl
213Po α 4.2 ミリ秒 8.537 209Pb
209Tl β- 2.20 分 3.980 209Pb
209Pb β- 3.253 時間 0.644 209Bi
209Bi α 1.9×1019 3.137[1] 205Tl
205Tl 安定

出典 編集

  1. ^ Pierre de Marcillac; Noël Coron, Gérard Dambier, Jacques Leblanc, Jean-Pierre Moalic (4 2003). “particles from the radioactive decay of natural bismuth”. Nature 422 (6934): 876. doi:10.1038/nature01541. http://www.nature.com/nature/journal/v422/n6934/pdf/nature01541.pdf 2008年6月20日閲覧。. 

関連項目 編集