ノートブック英語: notebook)は、筆記用紙冊子状に仕立てた文房具である。帳面(ちょうめん)、筆記帳(ひっきちょう)などと呼ばれたりもする(以下、ノートと略す)。

開いた小さめのノート(モレスキン手帳

多種多様なノートがあるが、文章あるいは説明に供する図形を書くのが主目的であり、を書くためのスケッチブックなどとは区別される。ノートの表紙、裏表紙を除いた紙の色は一般的には白色で、表面は無地のもの、あるいはあらかじめ横罫や縦罫、マス目が印刷されているものなどがある。

なお、ノートというだけでノートブックを指す用法は和製英語である[1][2]。英語のノート(note)の意味は、短い記述、書きつけ、覚え書き注釈予約などで、ノートブックの意味はない。

ノートブックの種類 編集

 
大学ノート
学習帳
小学校中学校の授業を想定したノート。国語音楽算数など科目別に特化されたマス目や罫線が記載されている。一般的にはB5サイズのものが用いられる[要出典]
大学ノート
多目的な利用を想定したノート。上部に見だし欄と日付記入欄がある他は横罫線のみで基本的にマス目はない。中学生高校生大学生などが授業に利用することが多い。一行の高さは、A罫は7 mm、B罫は6 mm、C罫は5 mm、U罫は8 mm、UL罫は10 mm。他に、方眼罫、縦罫、無地などがある。一般的にはB5、あるいはA4サイズのものが用いられる。
東京大学の前の松屋という文房具屋で1884年(明治17年)に売り出されたことからその名がついたといわれている。当時としては珍しい洋紙(フールスキャップという)が使われ、表紙に細かい毛が入った紙を使用していた。
ルーズリーフ
紙面の一辺に穴が連なって開けられている用紙(リフィル)を、専用のバインダーに複数枚綴じて使用する文房具。任意のページの前後を入れ替えたり、用紙を追加したりして利用出来る利点がある。[独自研究?]
日本では一般に「ルーズリーフ」と呼ばれているが、単語"loose-leaf"(形容詞)の発音は/lu:sli:f/であり、「ルースリーフ」に近い。
一般的にはB5、A5、及びA4サイズのものが用いられる。A5サイズは20穴、B5サイズは26穴、A4サイズは30穴である。2穴のバインダーとの互換性のために、一部の穴が大きくなっているリフィルもある。
A5サイズ20穴のリフィルにはB5サイズ26穴のバインダーに対する互換性はない。
市販されているリフィルは多様で、無地、横罫、縦罫などがある。最も一般的なB5サイズでは、これらの他に学科ごとに特化した様々な用紙も存在する。
手帳
携帯を目的としたノート。ページごとに週間予定・月刊予定・連絡先など特殊なレイアウトがされている。ペンホルダーが付いていることが多い。高機能な手帳は電卓、収納ポケット、物差し地下鉄路線図などさまざまなものが付く。B6サイズとA6サイズの二者が主流である。システム手帳とはルーズリーフを採用した手帳である。ビジネス手帳は仕事で便利な項目を持った手帳である。[独自研究?]
日記帳
日々の出来事を記録するためのノート。あらかじめ日付が振られており一定期間での買い換えを前提としている。1年単位のものが多い。また機密性が求められるため他人が勝手に読むことができないようにがかかるものもある。
落書き帳
自由に好きなものを書くためのノート。罫線が無く無地のものが多い。ノートのレイアウトよりも使用者の意志で落書き帳と定義されることが多い。大学ノートを落書き帳として使う人や、1枚ずつ切り離して使えることから、コピー用紙の代用品として用いる人もいる。(主にA3、B4、B5サイズがあるが、大きめの場合「スケッチブック」と称して発売するものもある)[独自研究?]
自由帳
主にB5サイズの無地のノート。用途は落書き帳と同様。
実験ノート
実験を行う研究者や研究方法を学ぶ学生、趣味で研究を行っている者などが、実験の記録などを行うために用いるノート。
野帳
フィールドワーク工事現場など野外で、必要なデータを書き込むのに便利なノート。手簿、フィールドノートともいう。

束ねた状態で使うものがノートであり、使用に際して一枚一枚を切りはずして使うメモ帳・便箋・レポート用紙などはノートとは呼ばない。ルーズリーフは復元可能であるためノートだともいえる。[独自研究?]

紙ではないがノートと名づけられた物もある。

デジタルノート
電子機器の画面を紙に見立て、専用のペンで書き込むノート。キーボードなどが使えるものもある。内容はデジタルデータとして保存される。機器そのものがデジタルノートのために作られたものと、パソコンでアプリケーションとして使うものがある。

脚注 編集

  1. ^ 安田和生「和製英語の語形」『時事英語学研究』第1971巻第10号、日本メディア英語学会、1971年、33-42頁、doi:10.11293/jaces1962.1971.10_33 
  2. ^ 相澤一美、磯達夫「小学校4年生教科書及び副読本に使用されているカタカナ英語の分析」『小学校英語教育学会紀要』第11巻、小学校英語教育学会、2011年、37-42頁、doi:10.20597/jesjnl.11.0_37 

関連項目 編集

外部リンク 編集