ハンス・アイゼンク

イギリスの心理学者

ハンス・ユルゲン・アイゼンクドイツ語: Hans Jurgen Eysenck, 1916年3月4日 - 1997年9月4日)は、ドイツ心理学者

ハンス・ユルゲン・アイゼンク
人物情報
生誕 (1916-03-04) 1916年3月4日
ドイツの旗 ドイツ ベルリン
死没 1997年9月4日(1997-09-04)(81歳)
学問
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経歴 編集

1916年、ドイツ・ベルリン生まれ。フランスイギリスの大学を卒業後、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで心理学博士号を取得する。キングス・カレッジ・ロンドン精神医学研究所(IoP)心理学部主任などを経て、キングス・カレッジ・ロンドン教授などを務めた。生涯に『人格の次元』をはじめとして数多くの論文や著書を発表した。

業績と評価 編集

  • アイゼンクは、不適切な学習によって神経症が引き起こされると考えた。そして、それを行動療法によって治療しようと試みた。
  • パーソナリティ研究の分野で活躍し、1975年アイゼンク性格検査を考案した。
  • 精神分析の実証性について痛烈な批判を行ったことで知られる。

没後21年となる2019年に論文の不正が指摘され、大学により25報の共著論文が「安全ではない」とされた。最終的に学術誌により71論文に対して懸念表明がなされ、14論文が撤回された[1]

著書 編集

単著 編集

  • 『心理学における科学と偏見』小見山栄一ほか訳編、誠信書房、1961年。 
  • 『心理学の効用と限界』帆足喜与子ほか訳、誠信書房、1962年。 
  • 『あなたのIQは?』広田君美永田良昭訳、誠信書房、1964年。 
  • 『行動療法と神経症 神経症の新らしい治療理論』異常行動研究会訳、誠信書房、1965年。 
  • 『犯罪とパーソナリティ』MPI研究会訳、誠信書房、1966年。 
  • 『心理学における事実と虚構』岩脇三良訳、誠信書房、1968年。 
  • 『心理療法の効果』大原健士郎清水信訳、誠信書房、1969年。 
  • 『人格の構造 その生物学的基礎』梅津耕作ほか訳、岩崎学術出版社〈岩崎学術双書 ; 20〉、1973年10月。 
  • 『世間知の心理学 実験的社会』岩脇三良清水秀美千原孝司訳、誠信書房、1977年4月。 
  • 『自己発見の方法 自分ではわからない自分を知る』本明寛訳、講談社、1978年7月。 
  • 『知能の構造と測定』大原健士郎監訳、星和書店、1981年4月。 
  • 『神経症はなおせる』塩見邦雄岸本陽一訳、ナカニシヤ出版、1982年7月。 
  • 『精神分析に別れを告げよう フロイト帝国の衰退と没落』宮内勝ほか共訳、批評社、1988年1月。 
  • 『英語の発想に基づく知的ゲームへの挑戦 新I・Qテスト集』金関寿夫村上紀子訳編、秀文インターナショナル、1989年3月。ISBN 4-87963-377-1 
  • 『たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか 癌と心臓病の有効な予防法を探る』清水義治ほか訳・監訳、星和書店、1993年7月。ISBN 4-7911-0257-6 

共著・編著・共編著 編集

  • S・ラックマン共著『神経症 その原因と治療』黒田実郎訳編、岩崎学術出版社〈精神科学全書 ; 9〉、1967年。 
  • G・D・ウィルソン共著『社会態度 パーソナリティとイデオロギイ』塩見邦雄訳、ナカニシヤ出版、1981年9月。 
  • D.K.B.ナイアス共著『性・暴力・メディア マスコミの影響力についての真実』岩脇三良訳、新曜社、1982年7月。 
  • G・D・ウィルソン共編 編『心理学概論』塩見邦雄監訳、創元社、1984年4月。ISBN 4-422-11101-9 
  • L・ケイミン共著『知能は測れるのか IQ討論』斎藤和明ほか訳、筑摩書房、1985年5月。 
  • D.K.B.ナイアス共著『占星術:科学か迷信か』岩脇三良・浅川潔司共訳、誠信書房、1986年4月。ISBN 4-414-30408-3 
  • マイケル・アイゼンク共著『マインドウオッチング 人間行動学』田村浩訳、新潮社〈新潮選書〉、1986年12月。ISBN 4-10-600319-8 
  • H・J・アイゼンク編著『スモーキング 健康とパーソナリティをめぐって』上里一郎監訳、同朋舎出版、1988年9月。ISBN 4-8104-0724-1 

脚注 編集