ハーゲンダッツ

アメリカ発祥のアイスクリーム・ブランド
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ハーゲンダッツHäagen-Dazs)は、アメリカ合衆国のアイスクリームの大手のブランドのひとつ。

Häagen-Dazs
種類
子会社
業種 小売
設立 ニューヨーク州, ブロンクス区
1960年 (64年前) (1960)
創業者 ルーベン・マッタス
ローズ・マッタス
本社 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ミネアポリス
製品 アイスクリーム
所有者
ウェブサイト www.haagendazs.us ウィキデータを編集
香港国際金融中心ショッピングモールの店舗

概要 編集

全世界規模で営業展開されている高級アイスクリームブランドである。アメリカ合衆国の大手食品会社ゼネラル・ミルズが所有する。

アメリカ合衆国とカナダでは、フロネリ(ネスレとPAIパートナーズの合弁会社)が2100年までの独占ライセンスを有しており、同社グループのドライヤーズ英語版社(本社・米国オークランド)が製造、販売を行っている。

日本では、ゼネラル・ミルズのオランダ法人ハーゲンダッツ・ネザーランド、サントリーホールディングスおよびタカナシ乳業の3社による合弁会社であるハーゲンダッツジャパン株式会社が販売する。

語源 編集

“ハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)”という言葉自体に深い意味はない。創始者ルーベン・マッタスが、アイスクリームはデンマーク産というイメージがある(デンマークは酪農が盛んな国であり、デンマーク産の乳製品は欧米で広く知られているため)からと、コペンハーゲンの「ハーゲン」と、その余韻がマッチする「ダッツ」を組み合わせて作り出した造語である。

米国の消費者にヨーロッパ風だという先入観を持たせ、ヨーロッパの伝統と職人技を連想させるためにこのような名前になった。さらに印象を強くするために創始者のマッタスは、デンマークの国土の一部の形を会社のロゴに取り入れた[要出典]

ちなみに米国では /ˈhɑːgənˌdɑːs/(「ハーゲンダース」、あるいは「ハーグンダース」に近い)または"zs"が濁って/ˈhɑːgənˌdɑːz/(ハーゲンダーズ)と発音される。この言葉はヨーロッパで話されている言語とは関係ないので、ウムラウト(äの上部の2つの点)や"zs"は発音を考慮されていない(デンマーク語正書法では ä は使用されない。また、ドイツ語ä日本語の「エ」に近い発音である)。

歴史 編集

1920年代ポーランドからのアシュケナジム・ユダヤ人移民ルーベン・マッタス英語版とその妻ローズ・マッタスが、アメリカ合衆国のニューヨークブロンクス区で、アイスクリームの行商を荷馬車で始めたのが起源である。

1961年には、レシピ卵黄を加え、乳脂肪分を17%まで上げて社名を「ハーゲンダッツ」とした。

1983年ピルズベリー社英語版が買収し、経営権を取得した。米国では、1999年にピルズベリーとネスレのアイスクリーム部門が合併し、アイスクリーム・パートナーズUSAとなった。2001年にゼネラル・ミルズがピルズベリーを買収し、当ブランドの権利はゼネラル・ミルズに移った。ネスレは、アイスクリーム・パートナーズUSAの全株式を買い取り、当ブランドの北米における独占ライセンスを取得した。

日本における販売戦略 編集

 
東京青山の店舗

日本では1984年に日本法人が設立され、同年東京都港区青山に第1号店がオープンした。日本第1号店が開店した際には、長い行列ができたことが多くのマスコミに取り上げられ話題となり、ブームとなった。

以降、大都市圏を中心に店舗が増加、ピーク時の1994年には全国で95店舗を展開していた。しかし、1999年以降は減少傾向となり、2013年4月25日に千葉県浦安市の新浦安店(ショッパーズプラザ新浦安内)が閉店し、御殿場プレミアム・アウトレット店1店舗のみである。

現在ではコンビニエンスストアスーパーなどで販売するパッケージ商品が主力となっている。

高級感あるCM
当時日本ではアイスクリームは子供の食べ物という概念があり、ハーゲンダッツは大人の高級アイスクリームというイメージを打ち出すため、テレビCMを作成。大人の消費者の獲得に成功した。また、先行していたレディーボーデンパイント(473ミリリットル、8分の1米ガロン)しかないなか、1食分をコーヒー1杯程度の価格で販売するミニカップ(120ミリリットル、2021年現在は110ミリリットル)を主力に据え、手軽に購入できるようにしたことも拡販に一役買っている。
セクシーな外国人男女が絡み合い、最後に「Shall we Häagen-Dazs?」というセリフで締めるテレビCMは、当初は日本のみのオンエアであったが、日本での評判を受けて世界各国で同様のCMがオンエアされるようになった。
なお近年はCMの方針を変え、柴咲コウ中条あやみ等がCMに出演。2024年現在は佐藤健小松菜奈が出演するCMが放送されている。コマーシャルはサントリーが提供に入っている番組で放送されることが多い。(TBS系列土曜日夜11時30分からの番組等)
高価格の維持
高級アイスクリームとしてのブランド力を維持するために大幅な値引き等は行われない。1997年には公正取引委員会より、正当な理由がないのにもかかわらず取引先の小売業者に対して希望小売価格の維持を強要しさらに並行輸入品の取り扱いを妨害するなど独占禁止法第19条に違反しているとして勧告を受け、その後スーパーなどの小売店では時々1~3割程度の割引販売が行われるようになった。

なお、ハーゲンダッツのアイスクリーム工場は現在世界に4箇所あり、そのうちの一つが日本の群馬県にある(生産はタカナシ乳業が受託しており、ハーゲンダッツのみを生産する専用工場を設立している)。

商品構成 編集

通常商品 編集

ハーゲンダッツ等のオンラインショップのみならず、スーパーマーケットコンビニエンスストア、専用自動販売機などにおいても、ハーゲンダッツブランドの商品を扱っている。

季節限定商品などにも力を入れており、好評を博している。

ミニカップ
フレーバーは8種類だが、毎年の限定商品(5~10種類)とともに定番も売れ筋に応じて絶えず変化する。ミニカップの容量は110 mL[広報 1]。マルチパックのミニカップの容量は75 mL[広報 2]
2021年の期間限定商品として、「濃厚ロイヤルミルクティー」、「バニラ&クランチショコラ」、「アーモンドキャラメルクッキー」、「抹茶チョコレートクッキー」、「ストロベリーチーズケーキ」、「密いも」、「キャラメルホリック」、「ヘーゼルナッツ&ミルク」、「マンゴー&パッションフルーツ」、「濃苺」の10商品が販売されている。
コンビニエンスストア限定商品として「ストロベリーフロマージュクッキー」、「ジャポネ 抹茶あずき黒蜜」の2種類が販売されている。価格は通常のミニカップより安価で、サイズも一回り小さくなっている(83 mL)。
パイント
フレーバーは4種類。容量は473 mL(スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも売られている。ネット通販では8個セットが主流)。ハーゲンダッツショップでは店頭にある好きなフレーバーを詰めてもらえた。
クリスピーサンド
アイスクリームをキャラメル練乳黒蜜などでコーティングした後ウエハースでサンドしたもの。2001年に日本で開発され世界に広まった商品である。フレーバーは4種類。
バー
アイスクリームバー(棒タイプのもの)フレーバーは3種類。
ドルチェ
2007年から発売を開始したミニカップの上級版。発売時にティラミスが大ヒット。2010年春の新製品はフレジェ。
クレープグラッセ
アイスクリームをクレープで包んだもの。2011年から日本で展開。
パルフェ
アイスクリームとソースを層にしたカップ入りのデザート。

ハーゲンダッツショップ限定商品 編集

下記については、ハーゲンダッツショップでのみ販売されている(一部については、ウェブショップでも販売)。

クォート
パイントよりさらに大きいサイズ。容量は946 mL。ハーゲンダッツショップでのみ販売。好きなフレーバーをつめてもらえる。
クッキーサンド
アイスクリームをクッキーにはさんだ商品(ハーゲンダッツショップ、ウェブショップのみ販売)。
シェイク
ハーゲンダッツショップ限定。好きなフレーバーで作ってもらえる。
ソフトアイス
ハーゲンダッツショップ限定。バニラ味。
パーティパック
ハーゲンダッツショップ限定。コーン(別売)もセットで購入することができる。

脚注 編集

出典 編集

広報資料・プレスリリースなど一次資料 編集

参考文献 編集

  • Jean Anderson. American Century Cookbook. Potter, New York, 1997.

関連項目 編集

外部リンク 編集