ピオーネ

生食用葡萄品種

ピオーネイタリア語: Pione)は、黒葡萄の一種。名前は、「開拓者」という意味のイタリア語に由来する。また、ピヨーネと呼ばれることもある。

兵庫県三木市で栽培されたピオーネ

概要 編集

1957年に、静岡県井川秀雄が交配し作出された4倍体品種である。巨峰よりも香りが強く、かつ日持ちのよい品種とされている[1]

従来、巨峰カノンホールマスカットを掛け合わせた品種であるとされてきたが、「カノンホールマスカット」がピオーネの親である説は九州大学農学部の研究によって否定された[2]

強い甘みでありながら爽やかな酸味があり、すっきりとした味が特徴。また大粒なのに身が詰まり、果汁が豊富。なお、種無しになるようジベレリン処理し栽培したものはニューピオーネと呼ばれる。

「黒い真珠」と呼ばれ、その色はポリフェノールのひとつであるアントシアニンから出来ており、広島県の三次ピオーネ生産組合は「黒い真珠」を商標登録している。

生産 編集

代表的な産地は岡山県、山梨県、長野県、広島県で生産面積は岡山県が一位、山梨県が二位となっている[3]

脚注 編集

  1. ^ 中野幹夫、松田政紀、片岡衛、“ピオーネの品質改善に関する研究”『岡山大学農学部農場報告』P.12、1986年8月1日、岡山大学農学部農場
  2. ^ 白石眞一, 若菜章, 嬉野健次 ほか, 「ブドウにおけるアイソザイム多型と系統発生並びに品種分化に関する研究」『九州大学農学部農場研究資料』 16巻 1994年 p.11-49, 九州大学農学部附属農場, doi:10.15017/12700
  3. ^ 農林水産省 平成23年産特産果樹生産動態等調査

関連項目 編集

外部リンク 編集