ピコ (歌手)

日本の男性歌手

ピコ(PIKO、1988年3月11日 - )は、日本の男性歌手兵庫県姫路市出身。声域が広く、男性と女性の両方の声質を併せ持つ[2]。2007年末よりニコニコ動画で自身の「歌ってみた」動画の発表を始め、2010年にメジャーデビュー。

ピコ
生誕 (1988-03-11) 1988年3月11日(36歳)
出身地 日本の旗 日本兵庫県姫路市
ジャンル
職業 歌手
担当楽器 ボーカル
活動期間 2007年 -
レーベル
  • ハートフルエンタテインメント(2009年)
  • Ki/oon Music(2010年 - 2015年)
事務所
  • T-INFINITY(2009年 - 2015年)
  • GiM Entertainment(2016年 - 2019年 )
共同作業者 赤ピコ飯まー☆
ピコ
YouTube
チャンネル
活動期間 2020年 -
ジャンル 音楽
登録者数 約2万人
総再生回数 約66.4万回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2023年9月25日時点。
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ピコという名前はニコニコ動画でアカウントを作る際に実家で飼っている愛犬の名前から付けたものだという[3]。ニコニコ動画では、同じ歌い手の赤飯と「赤ピコ飯まー☆」(あかピコはんまー[4])というユニットでの活動も行っている[5]

"ピω゚コ"という独自の顔文字を持っており、自身を表す際よく使用しているほか公式にロゴとしても使用されている。

シングルのカップリングには、恒例としてVOCALOIDキャラクター(主に初音ミクなど)が歌唱されている楽曲のカバーが収録されている。

来歴 編集

高校2年生の頃にコピーバンドのボーカルとして音楽を始め、大学時代には軽音楽部で活動[3]。インターネット上の動画共有サイト・ニコニコ動画にある「歌ってみた」カテゴリーの動画を見ていた際、母親から勧められ、2007年末よりニコニコ動画で自身の「歌ってみた」動画の発表を始め、ニコニコ動画で歌い手として広い人気を集めるようになる[6][3]

2009年7月22日にシングル『タナトス feat.ティッシュ姫』でインディーズデビュー。この作品当初からサポートメンバーとしてキーボードコンポーザーsamfree[注 1]が行っている。2010年3月27日には渋谷AXで初のワンマン・ライブを行い、そのライブの場でKi/oon Recordsよりメジャーデビューすることを発表した[7]

2010年10月13日にシングル『Story』でメジャーデビュー。また同年12月8日に2ndシングル『勿忘草』とともにピコの声を基にした歌声が合成できるソフト『開発コードPIKO「歌手音ピコ」』を発売した。翌2011年5月11日には、メジャーで初のアルバム『1PIKO』を発売した。

2015年の8thシングル発売後にKi/oon Musicとの契約を解消し、以後はライブを中心とした歌い手活動を行っている。

2018年8月31日に発売した配信シングル『HERO』では、作詞のみならず作曲もピコ自身が担当した。

2019年8月15日、末期の腎不全と診断され、ライブやイベントの活動をしばらく休止することを自身のツイッターで発表した[8]。2020年1月から2月にかけて、母親からの腎移植手術を受けるため入院[9]。退院後の3月11日、ピコ復活ワンマンライブ「かえってきたこーぴーちゃん!」を10月18日にTSUTAYA O-WESTで開催することを発表し、それに向けてリハビリに励んでいる[10]

作品 編集

最高位は、オリコンウィークリーチャートに基づく。

シングル 編集

発売日 タイトル 規格品番 最高位
初回限定盤 通常盤 完全・期間限定盤
ハートフルエンタテインメント
1st 2009年7月22日 タナトス feat.ティッシュ姫 HERJ-1001 63位
Ki/oon Records
1st 2010年10月13日 Story KSCL-1644/5 KSCL-1646 12位
2nd 2010年12月8日 勿忘草 KSCL-1703/4 KSCL-1705 KSCL-1706 18位
3rd 2011年3月9日 桜音 KSCL-1728/9 KSCL-1730 10位
4th 2011年10月5日 ユメハナ KSCL-1863/4 KSCL-1865 16位
5th 2012年4月25日 咲色リフレイン KSCL-2027/8 KSCL-2029 KSCL-2030/1 22位
6th 2012年8月15日 Make My Day! KSCL-2083/4 KSCL-2085 KSCL-2086/7 27位
7th 2013年6月5日 言ノ葉  KSCL-2253/4 KSCL-2254 KSCL-2255 19位
8th 2015年9月30日 村人A KSCL-2619/20 KSCL-2621 28位

音楽配信 編集

発売日 タイトル 最高位
1st 2017年12月17日 Re:Act
2nd 2018年8月31日 HERO
3rd 2021年12月18日 ポルターガイスト
4th 2022年9月28日 海月の幽霊
5th 2023年8月16日 人間賛歌

アルバム 編集

オリジナルアルバム 編集

発売日 タイトル 規格品番 最高位
初回限定盤 通常盤 完全限定盤
ハートフルエンタテインメント
1st 2009年9月9日 INFINITY HERJ-1002 105位
Ki/oon Records
1st 2011年5月11日 1PIKO KSCL-1764/5 KSCL-1766 7位
2nd 2012年5月30日 2PIKO KSCL-2048/9 KSCL-2050 KSCL-2051/2 15位
GiM Entertainment
3rd 2019年5月1日 Pathfinder-Black Swan- QAGM-1001 105位
Pathfinder-Realizing- QAGM-1002
C-works
4th 2023年3月8日 柩 -HITSUGI- QACW-2018 92位

カバーアルバム 編集

発売日 タイトル 規格品番 最高位
完全限定盤 期間限定盤
1st 2013年2月20日 ヒトコエ-42701340- KSCL-2175/6 KSCL-2177 34位

ベストアルバム 編集

発売日 タイトル 規格品番 最高位
初回限定盤A 初回限定盤B 通常盤
1st 2013年7月24日 ピコレクション“BEST+4” KSCL-2286/7 KSCL-2288/9 KSCL-2290 31位

映像作品 編集

発売日 タイトル 規格品番 最高位
初回限定盤 通常盤
1st 2011年12月21日 ピコ LIVE TOUR 2011 〜1PIKO〜 "ピコの夏祭り" KSBL-5977/8 KSBL-5979 106位

参加作品 編集

発売日 タイトル 規格品番 収録曲
2017年5月31日 ずっとずっと、大好きな君のそばで。 SMCL-481 恋トモ
2019年4月17日 TVアニメ「臨死!! 江古田ちゃん」エンディングテーマ曲・第11話 QWCE-00742 東京しのび咲き

タイアップ 編集

楽曲 タイアップ 時期
勿忘草 テレビ東京系アニメ『テガミバチ REVERSE』エンディングテーマ 2010年
桜音 テレビ東京系アニメ『よりぬき銀魂さん』エンディングテーマ 2011年
ユメハナ テレビ東京系『Vの流儀』オープニングテーマ
咲色リフレイン TBS系『COUNT DOWN TV』4月度オープニングテーマ 2012年
Make My Day! テレビ東京系アニメ『貧乏神が!』オープニングテーマ
言ノ葉 フジテレビ系アニメ『刀語』(ノイタミナ版)エンディングテーマ 2013年
東京しのび咲き テレビアニメ『臨死!!江古田ちゃん』第11話 エンディングテーマ 2019年

開発コードPIKO「歌手音ピコ」 編集

開発コードPIKO「歌手音ピコ」
開発元 キューンレコード
初版 2010年12月8日
使用エンジン VOCALOID2
対応OS
種別
公式サイト ピコ VOCALOID2 開発コードPiko 「歌手音ピコ」
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開発コードPIKO「歌手音ピコ」は、ヤマハの開発した音声合成技術VOCALOIDを使用した音楽製作(DTM)用の音声合成ソフトウェア。ピコの声を録音し作成された歌声ライブラリを収録しており、メロディや歌詞を入力することでパソコン上でピコの声をもとにした歌声を合成することが出来る。2010年12月8日にキューンレコードより発売された。歌手音(うたたね)という名前は、「歌い手」と「歌の種」を重ねて付けられた[11]。声質としては広い音域と多彩な音色を売りとしている[12]。「両声類」ということから、男声と女性の両方を使えることを意識して制作されたという[11]。パッケージにはユキタによる本製品のイメージキャラクターのイラストが描かれている[13]。キャラクターはピコのイメージに似せるようデザインされたものではないが、髪型は若干ピコを意識しているという[11]

ピコはネット上でVOCALOIDを用いて発表された楽曲のカバーを歌うという活動を経てメジャーデビューしたVOCALOIDとの縁のある歌手であり、キューンレコードは「VOCALOIDオリジナル楽曲を歌ってきた『歌い手』がVOCALOIDになるという、初めての逆転現象」と紹介している[2]

2011年9月14日にVOCALOID RECORDSより発売されたアルバム『THE VOCALOID produced by Yamaha』に、本製品の歌唱による曲として「言葉メテオ」が収録されている。

その後歌手音ピコはVOCALOID2以前の日本語ライブラリの中で唯一VOCALOID3以降のアップデート版が発売されることはなく、2020年8月頃に廃盤となった。

出演 編集

ラジオ 編集

テレビアニメ 編集

舞台 編集

  • IRONBANK Presents「ばけりのふし松」 (2013年12月4日 - 12月8日、戸野廣浩司記念劇場) ふし松 役
  • ユーキース・エンタテインメント第15回プロデュース公演「あしたのおもひで」 (2015年2月24日 - 3月1日、新宿村LIVE) リョウ 役
  • 舞台版『ロードス島戦記』(2017年1月、紀伊國屋サザンシアター) - エト 役
  • Sound Horizon 7.5th or 8.5th Story Concert 『絵馬に願ひを!』〜大神再臨祭〜 (2023年4月13日 - 6月3日、東京国際フォーラム外、全18公演) 八島知美 役

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ インディーズ作品では「SAM」と表記されている。

出典 編集

  1. ^ a b c d Buchanan, John D.. Piko - オールミュージック. 2020年12月22日閲覧。
  2. ^ a b “ニコ動の歌い手がVOCALOIDになった「歌手音ピコ」”. AV Watch (インプレス). (2010年12月1日). https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/410866.html 2010年12月11日閲覧。 
  3. ^ a b c 『歌ってみたの本を作ってみた』エンターブレイン、2010年、20-22頁頁。ISBN 978-4047267367 
  4. ^ ニコニコ動画にアップされている作品の記述より。
  5. ^ 『歌ってみたの本を作ってみた』エンターブレイン、2010年、50-53頁頁。ISBN 978-4047267367 
  6. ^ “ニコニコ動画発の歌い手ピコが着うた配信スタート”. ナタリー (ナターシャ). (2010年1月5日). https://natalie.mu/music/news/25959 2010年3月30日閲覧。 
  7. ^ ““両声類”アーティスト、ピコの初ワンマンに1200人”. BARKS (ITmedia). (2010年3月30日). https://www.barks.jp/news/?id=1000059718 2010年3月30日閲覧。 
  8. ^ “歌い手・ピコ、末期腎不全を公表 両親から腎移植受ける予定”. ORICON NEWS. (2019年8月16日). https://www.oricon.co.jp/news/2142423/full/ 2019年8月16日閲覧。 
  9. ^ ありがとう”. ピコ風呂(禍々) (2020年2月10日). 2020年6月5日閲覧。
  10. ^ ピコ [@piko_niconico] (2020年3月11日). "ピコ復活ワンマンライブ開催決定!㊗️". X(旧Twitter)より2020年6月5日閲覧
  11. ^ a b c 『ボカロ Plus vol.2』徳間書店、2011年、66頁。ISBN 978-4197203437 
  12. ^ 「開発コードPIKO「歌手音ピコ」本日発売!」『DTM magazine』第18巻第1号、寺島情報企画、2010年12月、112頁。 
  13. ^ “キューンレコード、新ボーカロイド「歌手音ピコ」発売”. マイナビニュース. (2010年11月12日). https://news.mynavi.jp/article/20101112-a098/ 2011年12月17日閲覧。 

外部リンク 編集