ピロ亜硫酸カリウム(ピロありゅうさんカリウム、: Potassium metabisulfite)は化学式K2O5S2で表される無機化合物亜硫酸の二量体であるピロ亜硫酸のカリウム塩で、メタ重亜硫酸カリウムとも呼ばれる。性質や用途はピロ亜硫酸ナトリウムに類似している。

Potassium metabisulfite
識別情報
CAS登録番号 16731-55-8 チェック
PubChem 28019
E番号 E224 (防腐剤)
RTECS番号 TT4920000
特性
化学式 K2O5S2
モル質量 222.32 g mol−1
外観 白色の結晶性粉末
密度 2.34 g/cm3 (固体)
融点

190℃(分解)

への溶解度 可溶
溶解度 エタノールに不溶
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1175
GHSピクトグラム 腐食性物質急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H315, H318, H335
主な危険性 刺激性、喘息リスク
NFPA 704
0
1
0
関連する物質
その他の陰イオン 亜硫酸水素カリウム
亜硫酸カリウム
その他の陽イオン ピロ亜硫酸ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

性質 編集

二酸化硫黄の刺激臭がある白色の粉末で、単斜晶系の結晶構造を持つ。190℃で酸化カリウムと二酸化硫黄とに分解する。

 

用途 編集

E番号224の食品添加物として、保存料酸化防止剤漂白剤として用いられる[1]ワインでは酸化防止や微生物の繁殖防止の目的で、発酵前に添加される。ビールでは野生酵母雑菌の繁殖防止、原料水中のクロラミンの除去に使用される。家庭での醸造が認められている地域では、「カムデン錠 (Campden tablets」の名称で販売されている。写真化学の領域では、定着液の酸性化に使われる[2]

安全性 編集

皮膚に対する刺激性があり、吸入すると喘息のような発作を引き起こす[3]

脚注 編集