ピーター・コヨーテ(Peter Coyote、1941年10月10日 - )、本名ラクミール・ピンカス・ベン・モーシャ・コーホン(Rachmil Pinchus Ben Mosha Cohon)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市生まれ、ニュージャージー州出身の俳優作家

ピーター・コヨーテ
Peter Coyote
ピーター・コヨーテ Peter Coyote
本名 Rachmil Pinchus Ben Mosha Cohon
生年月日 (1941-10-10) 1941年10月10日(82歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク
配偶者 Marilyn McCann (1977-1991)
Stefanie Pleet (1998-)
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人物 編集

父方セファルディ、母方アシュケナージユダヤ人家庭に生まれ育つ。父親は投資銀行家[1]。母方の祖父はラビとして訓練を受けたが、徴兵を逃れて帝政ロシアから米国に移住し、ブロンクスで小さなキャンディストアを開いた[2]

多くのドキュメンタリー映画オーディオブックナレーションを務めていて、ソルトレイクシティオリンピックのオープニング・セレモニーのナレーションもコヨーテである。アカデミー賞のテレビ放送ではプロデューサーも担当している。

さらに、エメット・グローガン英語版とともに劇団「The Diggers」を創設した1人でもある。この劇団は1960年代中期、サンフランシスコヘイト=アシュベリー英語版地区で1日600人近い人々に無料で公演し、サマー・オブ・ラブ[3]の時、大勢の家出した若者たちのために、無料ストア、無料メディカル・クリニック、無料の家、短い期間だったが無料銀行を提供したことで有名なアナーキスト・グループだった。またコヨーテは急進的で政治的な街頭劇団「San Francisco Mime Troupe」の役者兼作家兼演出家でもあった。サンフランシスコのヒッピーたちの間ではコヨーテは有名人で、そのことで『Voices from the Love Generation』という本のインタビューを受けている。

『The Minstrel Show, Civil Rights in a Cracker Barrel』の出演・演出で最初の全国横断ツアーをし、自作の戯曲『Olive Pits』(共作にSan Francisco Mime Troupeメンバーのピーター・バーグ)ではニューヨークの「ヴィレッジ・ヴォイス」誌のオビー賞を受賞した。コヨーテは1975年から1983年にかけてCalifornia Arts Councilのメンバーを経て議長となった。

1970年代後半からは、舞台・映画俳優にシフトした。1990年代からは、テレビ番組にも出演している。

ドイツ語フランス語に堪能である。なお、芸名の「コヨーテ」は、ペヨーテというサボテンから取られる幻覚剤を服用中、コヨーテとのスピリチュアルな出逢いをしたことから名付けられた。

主な出演作品 編集

映画 編集

公開年 邦題
原題
役名 備考
1980 脱獄アルカトラズ
Alcatraz: The Whole Shocking Story
コートニー・テイラー テレビ映画
1981 サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出
Southern Comfort
クロフォード・プール
1982 E.T.
E.T. the Extra-Terrestrial
キーズ
真夜中の極秘実験
Endangered Species
スティール
1983 タイムライダー
Timerider: The Adventure of Lyle Swann
ポーター・リース
クロスクリーク
Cross Creek
ノートン・バスキン
ストレンジャーズ・キス
Strangers Kiss
スタンリー
スレイグラウンド
Slayground
ストーン
1984 シークレット・ファイル
Best Kept Secrets
フランク・ミッチェル テレビ映画
ハートブレーカー[要曖昧さ回避]
Heartbreakers
アーサー・ブルー
1985 白と黒のナイフ
Jagged Edge
トーマス
ビリージーンの伝説
The Legend of Billie Jean
リングウォルド
バック・トゥ・ザ・ドリーム
The Blue Yonder
マックス テレビ映画
1987 うるさい女たち
Outrageous Fortune
マイケル
殺人容疑
Sworn to Silence
サム テレビ映画
ア・マン・イン・ラブ
Un homme amoureux
スティーヴ・エリオット
1988 ホンキートンク天国
Baja Oklahoma
スリック・ヘンダーソン テレビ映画
ハート・オブ・ミッドナイト
Heart of Midnight
シャープ/ラリー
1989 熱き瞳のままに/炎のタッチダウン
Unconquered
リッチモンド・ファウラー・シニア テレビ映画
1991 ねじれた家族
Crooked Hearts
エドワード
殺しのアーティスト
A Grande Arte
ピーター・マンドレイク
シカゴ捜査網
Keeper of the City
フランク テレビ映画
1992 赤い航路
Bitter Moon
オスカー
1993 キカ
Kika
ニコラス
1994 愛欲の監禁要塞
Breach of Conduct
アンドリュー・ケイス テレビ映画
1995 バッファロー・ガールズ
Buffalo Girls
バッファロー・ビル テレビ映画
ムーンライト&ヴァレンチノ
Moonlight and Valentino
ポール
1996 アンフォゲタブル
Unforgettable
ドン・ブレスラー
サイバーテックP.D.
Terminal Justice
ディーコン・ヴィヴィアン
1997 カジノ・ヒート
Top of the World
ドク・ザ・ブッチャー
デッドエンド
Road Ends
ジーン
1998 スフィア
Sphere
ハロルド・C・バーンズ
濡衣
Indiscreet
ロス刑事 テレビ映画
パッチ・アダムス
Patch Adams
ビル・デイヴィス
ルート9
Route 9
ドゥエイン・ホーガン保安官 テレビ映画
1999 ランダム・ハーツ
Random Hearts
カレン・チャンドラー
射殺
Execution of Justice
ハーヴェイ・ミルク テレビ映画
2000 エリン・ブロコビッチ
Erin Brockovich
カート・ポッター
水曜日の女
The Wednesday Woman
ドン テレビ映画
2002 ウォーク・トゥ・リメンバー
A Walk To Remember
サリバン牧師
ファム・ファタール
Femme Fatale
ブルース・ワッツ
ジ・イノベーター 革新者
Purpose
バーナード
2003 ノースフォーク 天使がくれた奇跡
Northfork
エディ
ボン・ヴォヤージュ
Bon voyage
アレックス・ウィンクラー
フェノミナン2
Phenomenon II
ジョン・リングゴールド テレビ映画
2005 バタリアン4
Return of the Living Dead 4: Necropolis
チャールズ・ギャリソン
バタリアン5
Return of the Living Dead 5: Rave to the Grave
チャールズ・ギャリソン
誘惑の囁き
Deepwater
ハーマン・フィンチ
2006 エネミー・ライン2 -北朝鮮への潜入-
Behind Enemy Lines II
マニング ビデオ映画
2009 The Harimaya Bridge はりまや橋
The Harimaya Bridge
アルバート・タニー
2010 欲望の帝国 女優ディディの告白
Di Di Hollywood
マイケル・ステイン
ラスト・トリック
Last Will
ガーナー
2012 私が愛したヘミングウェイ
Hemingway & Gellhorn
マックスウェル・パーキンス テレビ映画
2015 ドローン・オブ・ウォー
Good Kill
ラングレー 声での出演

テレビシリーズ 編集

放映年 邦題
原題
役名 備考
2004 デッドウッド ~銃とSEXとワイルドタウン
Deadwood
クロック 1エピソード
2004-2006 4400
The 4400
デニス・ライランド 12エピソード
2005 The Inside ヴァージル・ウェブスター特別捜査官 13エピソード
2005-2006 マダム・プレジデント 星条旗をまとった女神
Commander in Chief
ウォレン・キートン 7エピソード
2007 ブラザーズ&シスターズ
Brothers & Sisters
マーク・オーガスト 4エピソード
LAW & ORDER:犯罪心理捜査班
Law & Order: Criminal Intent
ライオネル・シル 1エピソード
2008 NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班
NCIS: Naval Criminal Investigative Servic
ネッド・クイン 1エピソード
2009-2010 フラッシュフォワード
FlashForward
セイヴ・セゴヴィア大統領 2エピソード
2010-2011 LAW & ORDER:LA
Law & Order: Los Angeles
ジェーリー・ハーディン検事 8エピソード

脚注 編集

  1. ^ Peter Coyote profile at Film Reference.com
  2. ^ "Peter Coyote: 'an outsider with a Jewish sense of humor'"
  3. ^ 1967年の夏に10万人の若者たちがサン・フランシスコに集まったことで、一般の人々にヒッピーカウンターカルチャー・ムーヴメントを知らしめた。詳細はen:Summer of Loveを参照。

外部リンク 編集