ファーマシー・テクニシャン

ファーマシー・テクニシャン(pharmacy technician)、調剤技師とは、薬局に関連する職業であり。[1] 就業場所は様々で、自治体、小売、病院内薬局などが多数であるが、介護施設、薬剤メーカー、医療保険会社、ソフトウエア会社、政府機関、教育職であったりもする。

職務には患者に対して、処方薬の調剤、医療機器の提供や調整などが含まれる。ほか、調剤に関わる監査、たとえば医師オフィスにて保険会社への処方依頼や請求書支払作業などもある。

米国では、ファーマシーテクニシャンは民間団体による民間資格である[2]。一方でイギリスタンザニアでは、ファーマシーテクニシャンは国家規制委員会の登録資格である[3]

ファーマシーテクニシャンを導入することによって薬剤師は薬学的な専門知識が必要な専門業務に専従することができる。日本では実現していないが、無資格調剤問題を受けて議論が存在する。

アメリカ合衆国 編集

アメリカ合衆国労働省労働統計局の統計によれば、ファーマシーテクニシャンのおおよそ75%は小売部門(独立薬局ー、大手小売チェーン、通信販売薬局など)に就業、残り25%は病院にて就業している[2]。少数だが、介護施設、医薬品卸売業、連邦政府にて就業する者もいる。資格要綱は各州によって様々である[4]

たとえばカリフォルニア州においては、高校卒業資格が必要で、さらにPharmacy Technologyの準学士号(アソシエイト)を保持するか、または規定の施設において240時間の教育を受ける必要などがある。

イギリス 編集

ファーマシー・テクニシャン
英名 Pharmacy technician
実施国   イギリス
資格種類 国家資格(NVQ)
分野 医療
認定団体 General Pharmaceutical Council
  ウィキプロジェクト 資格
  ウィキポータル 資格
テンプレートを表示

イギリスにおいては、ファーマシー・テクニシャンは全国職業資格(NVQ)/スコットランド職業資格(SVQ)レベル3の資格とされ、商業技術教育委員会(BTEC)認定の Pharmacy Service Skills 職業教育を受けるか、あるいはNational Pharmacy Association レベル3の認定を受け、その上でGeneral Pharmaceutical Council (GPhC)に登録される必要がある[3]。これは患者への薬剤調剤に加えて、患者とのカウンセリングが行える資格である。

テクニシャンの下位資格としてファーマシー・アシスタント(Pharmacy assistant, 調剤助手)があり、 これはNVQ/SVQレベル2の資格であり、同じく監督下で調剤を行うが、患者とのカウンセリングは行うことはできない[5]

アガサ・クリスティは第一次世界大戦中に薬剤師のアシスタントとして働いたことで、ミステリー小説に使われる毒物の知識を得た。

ドイツ 編集

ドイツ連邦統計局によれば、2011年にはドイツ国内で66,867人のファーマシーテクニシャンが就業しており、その約90%は自治体薬局から雇用されている。平均月収は1837-2400ユーロであり、賃金は雇用主団体と薬剤師労働組合(Adexa)間の交渉で決まる。

脚注 編集

  1. ^ Pharmacy technician”. 国民保健サービス. 2015年10月1日閲覧。
  2. ^ a b US Bureau of Labor Statistics. "Pharmacy Technicians and Aides", Occupational Outlook Handbook, 2010-11 Edition, accessed February 6, 2011.
  3. ^ a b NHS Careers > Pharmacy technician”. 国民保健サービス. 2015年10月1日閲覧。
  4. ^ http://www.careerstep.com/docs/pharmacy-technician-requirements.pdf”. Career Step. 2012年7月20日閲覧。
  5. ^ NHS Careers > Pharmacy assistant”. 国民保健サービス. 2015年10月1日閲覧。

関連項目 編集