フィリポ新約聖書に登場するイエスの弟子、十二使徒の一人。文語訳聖書口語訳聖書新改訳聖書の表記ではピリポ日本ハリストス正教会での表記はフィリップ。伝統的教会すべてにおいて聖人とされる。『使徒行伝』に登場する福音宣教者フィリポとは別人。

聖フィリポ
フィリポの像(サンクトペテルブルク聖イサアク大聖堂のもの)
使徒
崇敬する教派 カトリック教会、非カルケドン派、正教会、聖公会、ルーテル教会
記念日 5月1日(聖公会・ルーテル教会・カトリック(1955年以前))
5月11日(カトリック(1955-69))
5月3日(カトリック(1969-))
11月14日(正教会)
テンプレートを表示

フィリポという名前はギリシア語の男性名で、ユダヤ人としての名は別にあったと想定される。なおフィリポ、ピリポという表記は「馬を愛する者」を意味するピリッポス(フィリッポス)の、日本語聖書翻訳の新共同訳聖書における、格変化語尾をはずして名詞幹のみにした慣用表記である。

フィリポは四福音書の十二使徒のリストすべてに登場するが、その記事はあまり多くなく、『ヨハネによる福音書』に集中している。それによればフィリポはベトサイダの出身で、イエスに直接招かれて弟子になる。フィリポは知り合いのナタナエルにイエスを紹介し、ナタナエルも弟子になった。また、「ギリシャ人」(これはギリシア語を話すユダヤ人である可能性もある)がイエスに会いにきたときには、まずフィリポに仲介を頼んでいる。

崇敬 編集

西方教会における記念日はもともと5月1日であり、聖公会ルーテル教会においては現在もその日に記念されている。ローマ・カトリック教会においては1955年から5月11日に、さらに1969年から5月3日に移動されて現在に至っている。

正教会においては、11月14日(ユリウス暦をもちいる場合。グレゴリオ暦11月27日に相当)フィリップ(フィリポ)の祭日をもって、降誕祭前の斎の開始とし、これを「フィリップの斎」と呼ぶ。

脚注 編集


関連項目 編集