ブランドン・モス

アメリカの野球選手 (1983 - )

ブランドン・ダグラス・モスBrandon Douglas Moss, 1983年9月16日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州ウォルトン郡モンロー出身のプロ野球選手(一塁手または外野手)。右投左打。現在はフリーエージェント。愛称はモス・ドッグ[2]

ブランドン・モス
Brandon Moss
2012年7月29日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ジョージア州ウォルトン郡モンロー
生年月日 (1983-09-16) 1983年9月16日(40歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 一塁手外野手
プロ入り 2002年 MLBドラフト8巡目(全体238位)でボストン・レッドソックスから指名
初出場 2007年8月6日 ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム
年俸 $3,750,000 (2017年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入りとレッドソックス時代 編集

2002年MLBドラフトボストン・レッドソックスから8巡目(全体238位)で指名され、プロ入り。それまでは投手二塁手としてプレーしていたが、内野手として入団した。

2003年二塁手から右翼手に転向された。

2006年にはAA級ポートランド・シードッグスで133試合に出場し、打率.285・12本塁打・83打点を記録。

2007年はAAA級ポータケット・レッドソックスでプレーしていたが、忌引休暇でチームを離れたエリック・ヒンスキーに代わって8月6日にメジャー初昇格。同日のロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム戦で、4回裏からマニー・ラミレスに代わって左翼手の守備に入りメジャーデビュー。8月10日にヒンスキーの復帰によりAAA級ポータケットに降格するが、その後は再昇格を見通して右翼手以外にも左翼手中堅手一塁手として出場した。ロースターが40人に拡大された9月1日にメジャー再昇格。レッドソックスの外野陣はマニー・ラミレス、J.D.ドリューココ・クリスプジャコビー・エルズベリーらがいたため層が厚く、出場のチャンスに恵まれない中で15試合に出場し打率.280を記録した。

2008年3月25日東京ドームで行われたオークランド・アスレチックスとのメジャー開幕戦では、6番右翼手でスタメン出場(試合前の打撃練習で腰の張りを訴えたJ.D.ドリューの代役として出場)。6回表にタイムリーヒットを打ってアスレチックスの先発ジョー・ブラントンをマウンドから引きずり降ろし、1点を追う9回表には抑えのヒューストン・ストリートから自身メジャー初本塁打となる起死回生の同点本塁打を打つ活躍を見せ、レッドソックスの開幕戦の勝利に大きく貢献した。

パイレーツ時代 編集

2008年シーズン中、トレード期限となった7月31日マニー・ラミレスジェイソン・ベイを軸としたロサンゼルス・ドジャースピッツバーグ・パイレーツそしてレッドソックスの3球団による三角トレードが成立し、クレイグ・ハンセンと共にピッツバーグ・パイレーツへ移籍し[3]、ベイの代わりの外野手として起用される。

2009年は開幕戦スタメンこそ勝ち取るもののギャレット・ジョーンズデルウィン・ヤング英語版の台頭もあり、ピンチヒッターとしての起用が多くなる。

2010年スプリングトレーニングから不振のため、ほとんどをマイナーで過ごす。

フィリーズ時代 編集

2011年フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約。9月に昇格するが出場はほとんど無く、シーズン終了後にFAとなった。

アスレチックス時代 編集

2011年12月1日オークランド・アスレチックスとマイナー契約を結んだ。

2012年6月6日に昇格し、昇格後9試合で4試合連続を含む6本塁打を放ち不振にあえぐ打線のカンフル剤となった。結局、シーズン通して一塁手としてクリス・カーターとのプラトーン起用されながら265打数でチーム3位の21HR、OPS.954とチームの地区優勝に大きく貢献した。

2013年は、一塁ないし右翼のレギュラーに定着し、145試合に出場。自身初の30本塁打・80打点のラインをクリアし、大砲としてチームに貢献した。30本塁打は、ア・リーグ8位タイの数字だった。守備成績は一塁でも右翼でも芳しくなく、一塁は111試合で7失策・守備率.990・DRS - 12、右翼は27試合で1失策・守備率.978・DRS - 4という内容だった。

2014年1月17日にアスレチックスと410万ドルの1年契約に合意した[4][5]。この年は、自身初めてMLBオールスターに選出された。レギュラーシーズンの成績を、前年を僅かに更新する自己ベストの147試合に出場。2年連続で打率を落として.234だったが、25本塁打を放って81打点を叩き出し、3年連続20本・2年連続80打点のラインをクリアした。喫した三振153は、自己ワーストを更新してしまった。守備では、2013年以上にプラトーン性が強くなり、67試合で一塁、56試合で左翼、34試合で右翼を守った。一塁では5失策・守備率.990・DRS - 4と相変わらず良くない内容だったが、左翼では±0、右翼では + 6のDRSを記録し、外野守備では健闘した。

インディアンス時代 編集

2014年12月8日ジョーイ・ウェンドルとのトレードで、クリーブランド・インディアンスへ移籍した[6]

2015年1月16日に球団と年俸調停を回避し1年総額650万ドルで契約を結んだ[7]。ここでは右翼手のレギュラー格として起用され、移籍するまでに94試合に出場。持ち前のパワーを発揮して17二塁打・15本塁打と長打を量産したが、打率.217・106三振とミート面では芳しくなかった。右翼手の守備は79試合で守りに就き、4失策守備率.975・DRS - 3という成績で安定感を欠いた。また、10試合で一塁手も守った。

カージナルス時代 編集

2015年7月30日ロブ・カミンスキー英語版とのトレードで、セントルイス・カージナルスへ移籍した[8]

加入後は51試合に出場し、打率は移籍前より上昇して.250だったが、4本塁打・8打点という物足りない数字に終わった。カージナルスでは主に一塁を守り(32試合)、無失策でDRS +1という堅実な成績をマークした。外野では、右翼手(3試合)よりも左翼手(10試合)を多く守った。なお、インディアンス時代との通算では、145試合の出場で打率.226・19本塁打・58打点という成績で、3年連続で続けていた20本塁打以上が途切れた。

2016年は128試合に出場すると4年ぶりに規定打席に届かなかったが、打率.225・28本塁打・67打点・1盗塁という成績で、自身2番目に多い28本塁打をマーク。オフの11月3日にFAとなった[9]

ロイヤルズ時代 編集

2017年2月1日に2年総額1200万ドル(2019年のオプション付き)でカンザスシティ・ロイヤルズと契約した[10]。この年は118試合に出場して打率.207・22本塁打・50打点・2盗塁の成績を残した。

アスレチックス復帰 編集

2018年1月29日ジェシー・ハンヒース・フィルマイヤーとのトレードで、ライアン・バクターと共にアスレチックスへ移籍した[11]3月4日ハイロ・レイバート英語版の加入に伴いDFAとなり、6日に自由契約となった[12][9]

プレースタイル 編集

速球を得意とするパワーヒッターであり[13]、2012年から3年連続で20本塁打以上を放っている。一方で三振が多く、同期間中は出場試合数とほぼ同数の三振を喫している。守備能力はあまり高くないため、一塁手・左翼手・右翼手で起用される。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2007 BOS 15 29 25 6 7 2 1 0 11 1 0 0 0 0 4 0 0 6 1 .280 .440 .477 .379
2008 34 86 78 7 23 5 1 2 36 11 1 1 0 2 6 0 0 25 0 .295 .337 .462 .799
PIT 45 177 158 12 35 10 2 6 67 23 0 1 0 3 15 1 1 45 2 .222 .288 .424 .712
'08計 79 263 236 19 58 15 3 8 103 34 1 2 0 5 21 1 1 70 2 .246 .304 .436 .740
2009 133 424 385 47 91 20 4 7 140 41 1 5 0 1 34 3 4 84 7 .236 .304 .364 .668
2010 17 27 26 2 4 1 0 5 2 0 0 0 0 0 1 0 0 6 1 .154 .185 .192 .377
2011 PHI 5 6 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 1 .000 .000 .000 .000
2012 OAK 84 296 265 48 77 18 0 21 158 52 1 1 0 2 26 2 3 90 5 .291 .358 .596 .954
2013 145 505 446 73 114 23 3 30 233 87 4 2 0 3 50 3 6 140 4 .256 .337 .522 .859
2014 147 580 500 70 117 23 2 25 219 81 1 0 0 3 67 7 10 153 6 .234 .334 .438 .772
2015 CLE 94 375 337 36 73 17 1 15 137 50 0 0 0 3 32 2 3 106 9 .217 .288 .407 .695
STL 51 151 132 11 33 7 1 4 54 8 0 1 0 0 17 2 2 42 3 .250 .344 .409 .753
'15計 145 526 469 47 106 24 2 19 191 58 0 1 0 3 49 4 5 148 12 .226 .304 .407 .711
2016 128 464 413 66 93 19 2 28 200 67 1 0 0 5 39 3 7 141 8 .225 .300 .484 .784
2017 KC 118 401 362 41 75 14 0 22 155 50 2 0 0 2 37 0 0 128 7 .207 .279 .428 .707
MLB:11年 1016 3521 3133 419 742 159 17 160 1714 473 11 11 0 24 328 23 36 968 54 .237 .314 .452 .766
  • 2017年度シーズン終了時

記録 編集

背番号 編集

  • 44(2007年 - 2008年途中、2009年 - 2010年、2015年 - 同年7月29日)
  • 39(2008年途中 - 同年終了)
  • 24(2011年)
  • 37(2012年 - 2014年、2016年 - 2017年)
  • 21(2015年7月30日 - 同年終了)

脚注 編集

  1. ^ Brandon Moss Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2017年2月3日閲覧。
  2. ^ Jeffrey Flanagan (2017年8月24日). “Royals Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com. 2017年9月29日閲覧。
  3. ^ Surprise! Manny to LA, Bay to Boston Dodgers land slugger, Bucs get four players in last-minute deal”. MLB.com. 2008年8月1日閲覧。
  4. ^ "A's Agree to Terms with Four Players on One-Year Contracts" (Press release). MLB.com (Oakland Athletics). 17 January 2014. 2014年1月18日閲覧
  5. ^ Greg Johns (2014年1月17日). “A's close book on arbitration with all but Reddick”. MLB.com. 2014年1月18日閲覧。
  6. ^ Moss a great fit in Tribe lineup, clubhouse
  7. ^ Jordan Bastian Indians clear arbitration slate with three deals MLB.com (2015年1月17日) 2015年1月20日閲覧
  8. ^ Mike Axisa (2015年7月30日). “Indians trade Brandon Moss to Cardinals: Three things to know” (英語). CBSSports.com. http://www.cbssports.com/mlb/eye-on-baseball/25254329/indians-trade-brandon-moss-to-cardinals 2015年7月31日閲覧。 
  9. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2017年3月7日閲覧。
  10. ^ Jeffrey Flanagan (2017年2月1日). “Moss inks two-year deal with Royals”. MLB.com. 2017年2月2日閲覧。
  11. ^ Jane Lee (2018年1月29日). “A's add Moss, lefty Buchter in deal with Royals” (英語). MLB.com. 2018年1月31日閲覧。
  12. ^ Jane Lee (2018年3月6日). “Moss, DFA'd to open roster spot, released” (英語). MLB.com. 2018年3月7日閲覧。
  13. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、147頁。ISBN 978-4-331-51921-9 

関連項目 編集

外部リンク 編集