ブリティッシュ・スティール

ジューダス・プリーストのアルバム

ブリティッシュ・スティール』(British Steel)は、ジューダス・プリースト1980年に発表したアルバム。スタジオ・アルバムとしては6作目。

ブリティッシュ・スティール
ジューダス・プリーストスタジオ・アルバム
リリース
録音 1980年
ジャンル ヘヴィメタル
時間
レーベル CBSイギリスの旗
コロムビア・レコードアメリカ合衆国の旗
プロデュース トム・アロム
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 4位(イギリス[1]
  • 34位(アメリカ[2]
  • 69位(日本[3]
  • ジューダス・プリースト アルバム 年表
    イン・ジ・イースト
    (1979年)
    ブリティッシュ・スティール
    (1980年)
    黄金のスペクトル
    (1981年)
    ミュージックビデオ
    「Breaking The Law」 - YouTube
    「Living After Midnight」 - YouTube
    テンプレートを表示

    解説 編集

    本作より元トラピーズデイヴ・ホーランドが加入。デイヴは1980年代を通じてバンドに籍を置くこととなる。

    レコーディングは、バークシャーのアスコットにあるリンゴ・スター所有のスタジオで行われた。かつてジョン・レノンが住んでいた場所でもあり、メンバーはジョンやリンゴが生活していた風景を見て感動したという[4]。まだ十分な数の新曲ができていなかった時点でレコーディングが開始され、「ブレイキング・ザ・ロウ」「リヴィング・アフター・ミッドナイト」「ザ・レイジ」等はレコーディングが開始されてから作られた曲である[5]。シンプルな構造の楽曲が多く、バラード・タイプの曲は収録されていない。

    本作はセールス的に成功を収め、本国イギリスでは初のトップ10入りを果たして最高4位に達した[1]。更に「リヴィング・アフター・ミッドナイト」(全英12位)、「ブレイキング・ザ・ロウ」(同12位)、「ユナイテッド」(同26位)というシングル・ヒットも生んだ[1]。アメリカのBillboard 200でも初のトップ40入りを果たし(最高34位)[2]、アメリカでの人気を確立することとなった。

    イギリス盤とアメリカ盤では曲順が違い、コロムビア・レコードから発売されたUSオリジナル盤では「ブレイキング・ザ・ロウ」がA面の1曲目、「リヴィング・アフター・ミッドナイト」がB面1曲目となっていた[6]。日本盤LPやCDもかつてはアメリカ盤に準じていたが、2001年のリマスター以降は、イギリス盤の曲順による9曲にボーナス・トラック2曲を追加したフォーマットで統一された。

    「メタル・ゴッズ」は、人間が機械に支配されるという内容の歌詞だが、やがてバンド自体の愛称となった。この曲の録音では、楽器以外の音(アンプのコード、ビリヤードキュー、食器)も使われている[4]

    「ブレイキング・ザ・ロウ」は、テレビの音楽チャンネル「VH1」において「40 Greatest Metal Songs」の第40位、「Top 100 Hard Rock Songs」の第12位にランク・インしている。

    2001年には、本作の制作秘話に関するメンバーや関係者の証言、ライヴ映像等を収録したDVD『ブリティッシュ・スティール』が発表された[4]

    収録曲 編集

    全曲ともロブ・ハルフォードK・K・ダウニンググレン・ティプトンの共作。

    1. ラピッド・ファイア - Rapid Fire - 4:07
    2. メタル・ゴッズ - Metal Gods - 3:58
    3. ブレイキング・ザ・ロウ - Breaking the Law - 2:34
    4. グラインダー - Grinder - 3:58
    5. ユナイテッド - United - 3:35
    6. オールド・トゥ・ビー・ワイズ - You Don't Have to Be Old to Be Wise - 5:04
    7. リヴィング・アフター・ミッドナイト - Living After Midnight - 3:31
    8. ザ・レイジ - The Rage - 4:44
    9. スティーラー - Steeler - 4:30
      下記2曲は2001年リマスターCDのボーナス・トラック。
    10. レッド、ホワイト・アンド・ブルー - Red, White & Blue - 3:42
    11. グラインダー (ライヴ) - Grinder - 4:49

    USオリジナル盤 編集

    1. Breaking the Law - 2:34
    2. Rapid Fire - 4:07
    3. Metal Gods - 3:58
    4. Grinder - 3:58
    5. United - 3:35
    6. Living After Midnight - 3:31
    7. You Don't Have to Be Old to Be Wise - 5:04
    8. The Rage - 4:44
    9. Steeler - 4:30

    カヴァー 編集

    • 「ブレイキング・ザ・ロウ」は、ハンマーフォールがライヴで取り上げた。メンバー全員がパートを交替したスタイルにより演奏されており、全曲カヴァーのコンピレーション・アルバム『Masterpieces』(2008年)にも同様の形で収録された。また、ファイアーウインドのアルバム『Days of Defiance』(2010年)のヨーロッパ限定盤や日本盤にカヴァーが収録された。
    • 「メタル・ゴッズ」は、プライマル・フィアのコンピレーション・アルバム『Metal Is Forever - The Very Best of Primal Fear』(2006年)のディスク2にカヴァーが収録された。
    • 「リヴィング・アフター・ミッドナイト」は、ザ・ドナス『The Donnas Turn 21』(2001年)でカヴァーされた。

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    1. ^ a b c ChartArchive -Judas Priest-
    2. ^ a b Judas Priest - Awards : AllMusic
    3. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.167
    4. ^ a b c 【お宝VIDEO発売】ジューダス・プリーストの魅力を凝縮 メタル・ゴッド君臨の知られざるエピソード満開! / BARKS特集(北井康仁)
    5. ^ 日本盤リマスターCD(MHCP 293)ライナーノーツ(ジューダス・プリースト)
    6. ^ Judas Priest -British Steel (LP) at Discogs-