ブロンディ (バンド)

アメリカ合衆国のバンド

ブロンディBlondie)は、アメリカ合衆国出身のロックバンド

ブロンディ
1977年撮影
基本情報
別名 エンジェル・アンド・ザ・スネーク
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
ジャンル
活動期間
レーベル
公式サイト Blondie.net
メンバー
旧メンバー 別記参照

女性ボーカリスト デボラ・ハリーが在籍し、1970年代末から隆盛した「ニュー・ウェイヴ」の代表的グループとして知られる。1982年に一度解散したが、1997年に再結成。

全世界のアルバム・セールスは4000万枚以上。2006年ロックの殿堂』入り[2]

経歴 編集

 
UK・ロンドン公演(2017年11月)

1974年、ガールズ・バンド「スティレットーズ」に所属していたデボラ・ハリーと、バックバンドにいたクリス・シュタインが中心となって結成された。「ブロンディ」というバンド名は通りがかりのトラックの運転手がハリーにかけた言葉("Hey Blondie"=「よぉ、ブロンドのお姉ちゃん」)に由来する。1975年にはハリー、シュタイン、クレム・バーク、ジミー・デストリ、ゲイリー・バレンタインというメジャーデビュー時のメンバーが揃い、CBGBなどのニューヨークの有名クラブに出演することで徐々に地元で人気を獲得していく。

1976年12月、デビュー・アルバム『妖女ブロンディ(Blondie)』発表。直後にバレンタインが脱退(ただし、次作にも曲提供している)し、フランク・インファンテが新ベーシストとなるが、間もなく元シルヴァーヘッドのナイジェル・ハリスンがベーシストとして加わったため、インファンテはギターに持ち替えた。

1977年、前年に出した2枚目のシングル「愛してほしい(In the Flesh)」をクリサリス・レコードから再発売。同曲はオーストラリアで2位を記録した。

1978年2月、セカンド・アルバム『囁きのブロンディ(Plastic Letters)』発表。シングルカットされたカバー曲「デニスに夢中」がイギリスで2位、オランダで1位、ベルギーで1位、アイルランドで3位を記録。主にヨーロッパで人気に火が付く。

1979年、シングル曲「ハート・オブ・グラス」が米国、イギリスなど6か国で1位を記録。ハリーはセックス・シンボルとしても大いに注目されるようになる。

1980年2月公開の映画『アメリカン・ジゴロ』に、ハリーとジョルジオ・モロダーが共同で作詞作曲した「コール・ミー」を提供。同作品は米英で1位を記録した。同年10月に発表したカバー曲「夢みるNo.1」も米英で1位を記録。

途中メンバーのソロ作制作もはさみながら活動を続けたが、シュタインがまれな自己免疫疾患である 尋常性天疱瘡にかかっていることが判明。ハリーはシュタインの看病に当たることを決め、バンドは1982年に解散した。

1981年、映画『007 ユア・アイズ・オンリー』の主題歌候補として「For Your Eyes Only」(詞も曲も異なる)を歌うが、最終選考でシーナ・イーストンに敗れた。

再結成後

1997年に再結成。1999年、再結成後初のシングル「マリア」をリリースし、19年ぶりに全英ナンバーワンを獲得した。1999年には17年ぶりの7thアルバム『ノー・エグジット』を発表。

その後は『カース・オブ・ブロンディ』(2003年)、8年ぶりの作品『パニック・オブ・ガールズ』(2011年)[3]、デビュー40周年作品『Blondie 4(0)-Ever』(2014年)[4]、最新作『ポリネーター』(2017年)[5]など、アルバムリリースを重ねている。

2006年ロックの殿堂入り[6]

評価 編集

 
セックスシンボルでもあったデボラ (1979年)

当初はニューヨーク・パンク・バンドの一つとされていたが、後に「ハート・オブ・グラス」でディスコ、「ラプチュアー」ではラップといった、当時最先端の音楽にも手を広げ、ニュー・ウェイブの範疇で評価されることもあった。同時に、ロックステディ・グループのパラゴンズの「夢みるNo.1」や、ドゥーワップ・グループのランディ&ザ・レインボウズの「Denise」(邦題は「デニスに夢中」)をカヴァーしたり、ガレージ・ビート系のアレンジを積極的に取り上げるなど、新旧織り交ぜた音楽性を魅せた。

メンバー 編集

現ラインナップ 編集

旧メンバー 編集

  • フレッド・スミス (Fred Smith) - ベース (1974年-1975年)
  • ビリー・オコーナー (Billy O'Connor) - ドラムス (1974年-1975年) R.I.P.2015年
  • アイヴァン・クラール (Ivan Kral) - ギター (1975年)
  • ティッシュ・ベロモ (Tish Bellomo) - バッキング・ボーカル (1975年)
  • アイリーン・ベロモ (Eileen Bellomo) - バッキング・ボーカル (1975年)
  • ゲイリー・バレンタイン ゲイリー・バレンタイン英語版(Gary Valentine) - ベース (1975年-1977年、1997年)
  • ジミー・デストリ (Jimmy Destri) - キーボード (1975年-2004年)
  • フランク・インファンテ英語版 (Frank Infante) - ギター (1977年-1982年)
  • ナイジェル・ハリスン (Nigel Harrison) - ベース (1978年-1997年)
  • ケビン・パトリック (Kevin Patrick (aka Kevin Topping)) - キーボード (2003年-2007年)
  • ジミ・K・ボーンズ (Jimi K Bones) - ギター (2003年)

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

アルバム名 USチャート UKチャート
1976年 妖女ブロンディ - Blondie - -
1978年 囁きのブロンディ - Plastic Letters 72 10
1978年 恋の平行線 - Parallel Lines 6 1
1979年 恋のハートビート - Eat to the Beat 17 1
1980年 オートアメリカン - Autoamerican 7 3
1982年 ザ・ハンター - The Hunter 33 9
1999年 ノー・エグジット - No Exit 18 3
2003年 カース・オブ・ブロンディ - The Curse of Blondie 160 36
2011年 パニック・オブ・ガールズ - Panic of Girls - 73
2014年 ゴースト・オブ・ダウンロード - Ghosts of Download (Blondie 4(0)-Ever) 109 16
2017年 ポリネーター - Pollinator 63 4

シングル 編集

曲名 USチャート UKチャート アルバム名
1976年 "X-Offender" - - Blondie
1976年 "In the Flesh" - - Blondie
1976年 "Rip Her to Shreds" - - Blondie
1977年 デニスに夢中("Denis") - 2 Plastic Letters
1977年 "(I'm Always Touched by Your) Presence, Dear" - 10 Plastic Letters
1978年 "Picture This" - 12 Parallel Lines
1978年 "Hanging on the Telephone" - 5 Parallel Lines
1979年 ハート・オブ・グラス ("Heart of Glass") 1 1 Parallel Lines
1979年 "Sunday Girl" - 1 Parallel Lines
1979年 "One Way or Another" 24 - Parallel Lines
1979年 ドリーミン ("Dreaming") 27 2 Eat to the Beat
1979年 "Union City Blue" - 13 Eat to the Beat
1980年 "The Hardest Part" 84 - Eat to the Beat
1980年 コール・ミー ("Call Me") 1 1 アメリカン・ジゴロ ("American Gigolo soundtrack")
1980年 銀河のアトミック("Atomic") 39 1 Eat to the Beat
1980年 夢みるNo.1 ("The Tide Is High") 1 1 Autoamerican
1981年 ラプチュアー ("Rapture") 1 5 Autoamerican
1982年 誘惑の楽園("Island of Lost Souls") 37 11 The Hunter
1982年 "War Child" - 39 The Hunter
1999年 マリア ("Maria") 82 1 No Exit
1999年 "Nothing Is Real But The Girl" - 26 No Exit
1999年 "No Exit" - - No Exit
2003年 "Good Boys" 96 12 The Curse of Blondie
2006年 "Rapture Riders" - - Best of: Sight & Sound

備考 編集

  • 「コール・ミー」はオリジナル・アルバムには収められていないが、『オートアメリカン』アナログ日本盤の発売当時、スパニッシュ・バージョン、「ヒーローズ (Live Version)」とのカップリングでシングル盤がオマケで付いていた。

日本公演 編集

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集