プリテンダー (トランスフォーマー)

トランスフォーマーシリーズの登場キャラクター

プリテンダー(Pretenders)は、『トランスフォーマー』シリーズに登場する架空のキャラクター。

概要 編集

トランスフォーマーを、人型あるいは動物や乗り物の形をした外殻(日本ではプリテンダースーツ、アメリカではアウターシェル)に収納するという、シリーズの中でも特異なギミックを有するキャラクターである。ハズブロの「人間からロボットに変形させたい」という要請に対してタカラ(現タカラトミー)側が苦肉の策として打ち出したものであり、他のトランスフォーマーに比べデザインや変形機構などが大味なものとなっている。

日本では『トランスフォーマー 超神マスターフォース』に、アメリカ版ではマーベルコミック版にそれぞれ登場。アメリカ版では、玩具同様トランスフォーマーが外殻を装着しているという設定で、アウターシェルが独立して活動することも可能。日本版では、人間(デストロン側は魔人)への変身[1]能力を有するトランスフォーマーで、人間の姿からプリテンダースーツを装着したスーツモードに、さらに巨大化してロボットモードに「変身」する。当初は名前はサイバーフォース[2]

アメリカでは、1988年度から1989年度の主力商品として展開された。シリーズ後期の「トランスフォーマー+ビークル」という要素は、後のアクションマスターやマイクロトランスフォーマーにも継承されている。しかし日本ではあまり人気が出ず、『超神マスターフォース』の放送が開始してからしばらくして商品の販売を終了してしまった[3]。ただし、翌年の『V』でも、プリテンダーの名は冠していないもののアメリカで販売されたプリテンダーの仕様変更品が発売されている。

アメリカではこの後、アクションフィギュアシリーズの『アクションマスター』を展開したのに対し、日本では合体ロボットを中心とした展開となっていった。

2018年、ハズブロ側から『POWER OF THE PRIME』シリーズのメインアイテムとして本製品の機能(特に「メガプリテンダー」としての側面が強い)を持つ「デコイアーマー」がジェネレーションズにラインナップされた。本製品は『レジェンズ』での国内導入に当たっては『プリテンダースーツ』と呼ばれることとなる。

一覧 編集

ランダー/Landmine
ダイバー/Waverider
フェニックス/Cloudburst
メタルホーク/Metalhawk
日本版オリジナルキャラクター。
グラウンドブレーカー/Groundbreaker
スカイハイ/SkyHigh
スプラッシュダウン/Splashdown
ピンチャー/Pincher
ダブルヘッダー/DoubleHeader
ロングトゥース/LongTooth
ダウロス/Skullgrin
ギルマー/Submarauder
ブラッド/Bomb-Burst
イグアナス/Iguanus
バグリィ/Bugly
フィンバック/Finback
オクトパンチ/OctoPunch
ストラングルホールド/StrangleHold
ブラジオン/Bludgeon

プリテンダービースト 編集

四脚動物型のアウターシェルを装着するプリテンダー。

チェーンクロー/ChainClaw
キャティラ/Catilla
カーニバック/Carnivac
スナーラー/Snarler

プリテンダービークル 編集

ビークル型のシェル(アウタービークル)。本体を収納するだけでなく、TFを搭乗させることも可能。

ガンランナー/GunRunner
ロードグラバー/RoadGrabber

プリテンダークラシック 編集

これまでの作品に登場したキャラクター達がプリテンダーとなったという設定。日本では本体ロボットのみの4体セットが『ヒーローセット』として発売された。また、海外では本体ロボットのみの単品商品4種がケイビー限定で発売された。

グリムロック/Grimlock
バンブル/BumbleBee
マイスター/Jazz
スタースクリーム/StarScream

メガプリテンダー 編集

ビークルへ変形するアウターシェルを持つプリテンダー。ビークル形態では本体とアウターシェルを合体させることができる。日本ではクロスブレイズとサンダーウイングの仕様変更品がクロスフォーマーとして『V』に登場した。

ヴルーム/Vroom
クロスブレイズ/CrossBlades
サンダーウイング/ThunderWing

ウルトラプリテンダー 編集

メガプリテンダー同様に変形するシェルに加え、さらにアウターシェルを収納するビークルを持つ。

スカイハマー/SkyHammer
ロードブロック/RoadBlock

プリテンダーモンスター 編集

小型のプリテンダーチームで、本体が合体してモンストラクターとなる。日本ではアウターシェルを恐竜に変更したものが恐竜戦隊/ダイノキングとして登場した。

スカウル/Scowl
ブリスルバック/BristleBack
スロッグ/Slog
アイスピック/IcePick
ワイルドフライ/WildFly
バードブレイン/BirdBrain
モンストラクター/Monstructor

ダブルプリテンダー 編集

一つのアウターシェルの中に二体の小型ロボットが収納されるプリテンダー。試作品が製作されたが[4]生産はされなかった。長らく正式な名称がなかったのだがジェネレーションズ マグニフィカスの付属コミックにてゴリラ型のプリテンダーのみ登場し[5]オイルマスターと名付けられた。因みに名称の元ネタは日本国内のTFコレクター。

オイルマスター/Oilmaster
蜘蛛型ダブルプリテンダー

プリテンダー/ヘッドマスター 編集

日本版オリジナルキャラクター。『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』のフォートレスマキシマスの仕様変更品で、ヘッドマスターがプリテンダースーツを装着する。

グランドマキシマス

プリテンダー/劇場映画 編集

トランスフォーマー/リベンジに登場したプリテンダーで一見、見るとほとんど人間とは見分けがつかない。玩具化されてはいない。

アリス / Alice

補足 編集

  • 当時のカタログではロボットを取り出し後のアウターシェルは小物入れとしての利用を推奨されていた。
  • 中にロボットを入れる都合上、アウターシェルは太目の体格をしているため「スモウトロン」と呼ばれることもある[6]

注釈 編集

  1. ^ 超神マスターフォース」本編中、ホークが秀太に自身の秘密を語る時「人間にプリテンド(変身)する」と述べている。
  2. ^ 鈴木敏夫編「TVアニメーションワールド」『アニメージュ 1988年6月号』徳間書店、昭和63年6月10日、雑誌01577-6、103頁。
  3. ^ 谷澤崇編「TF MANIAX TF紳士録 餘家英昭×大野光仁」『トランスフォーマー ジェネレーション2011 VOL.1』、ミリオン出版、2011年5月2日、ISBN 978-4-8130-2141-4、71頁。
  4. ^ DoublePretenders画像” (英語). TFWiki.net. 2013年12月11日閲覧。
  5. ^ e-HOBBY限定 トランスフォーマージェネレーションズ マグニフィカス”. e-HOBBY. 2013年12月11日閲覧。
  6. ^ 安斎レオ、田中秀明編「Chapter2 変形・合体超進化論トランスフォーマーからビーストウォーズへ 突然の終了とそれぞれの復活 一九八七年」『変形・合体ロボット完全攻略書』フットワーク出版、1999年3月27日、ISBN 4-87689-315-2、67-68頁。