ヘンゼルとグレーテル (テレビドラマ)

ヘンゼルとグレーテル』(Hansel and Gretel)は、1982年ティム・バートンディズニー・チャンネルのハロウィン番組のために製作した単発のテレビドラマである。

ヘンゼルとグレーテル
Hansel and Gretel
監督 ティム・バートン
脚本 ジュリー・ヒックソン
原案 グリム兄弟
製作 リック・ヘインリックス
ジュリー・ヒックソン
出演者 マイケル・ヤマ
ジム・イシダ
アリソン・ホン
アンディ・リー
音楽 ジョン・コスタ
撮影 ヴィクター・アブダロフ
配給 ウォルト・ディズニー・カンパニー
公開 アメリカ合衆国の旗 1983年10月31日
ディズニー・チャンネルでテレビ放映)
上映時間 34分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $116,000[1]
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概要 編集

本作は、まだアニメーターとしてディズニーに在籍していたティム・バートンが、同社のケーブルチャンネルディズニー・チャンネルのハロウィン番組用に製作された。監督がその前に撮影した短編ストップモーション『ヴィンセント』に次ぐ短編作品だが、監督にとって実物の役者を演出した初めての実写作品である。1983年10月31日ハロウィンの夜に一度だけテレビ放映された。その後は再放送されることがなかったが、ニューヨーク近代美術館パリで開催された『ティム・バートンの世界展』で限定的に公開された。原作のストーリーを忠実に再現されているが、キャラクター等に様々な変更がなされており、中でも全て東洋人キャストで製作されているほか、カンフー武術なども取り入れられた一風変わった作品となっている。また、原作では木こりの父親の職業がおもちゃ職人へ変更されていることで、劇中では様々なおもちゃを見ることが出来る。

全編ロケなしのシンプルなセットで撮影されているが、その分セットデザインや装飾、劇中の備品や「森」や「お菓子の家」の見せ方に至るまで様々な工夫がなされているほか、ミニチュアやアニメーションを使用したユーモラスな演出もバートンらしい作品となっている。またバートン監督によれば、主要なキャラクターに日系人キャストを配役することやデザインの色彩、機械仕掛けおもちゃなどの構想は、監督自身が幼少期によく見ていた『ゴジラ』などの日本特撮映画や日本のおもちゃが原点であると語っている[2]

ストーリー 編集

おもちゃ職人の父親(ジム・イシダ)を持つヘンゼル(アンディ・リー)とグレーテル(アリソン・ホン)の一家。そんな一家の悩みは意地悪で子供たちに横暴な継母(マイケル・ヤマ)の存在。継母は自分優位な考え方で父親を罵声し、ヘンゼルとグレーテルには暴力までふるい、継母の存在がそれまで幸せだった一家に大きな影を残していた。だが、父親をはじめヘンゼルとグレーテルはそんな継母の意地悪な仕打ちにもめげずにお互いを支え合っていた。

ある日、継母はヘンゼルとグレーテルを近くの森に連れ出す。継母の目的は2人を森に迷わせて、そのまま放置することが目的だったが、賢い2人のおかげでその目的も失敗。その後、細工したおもちゃを使って再び2人を森に連れ出すと、今度は2人を森に迷わせることに成功した。一方で、継母とはぐれてしまったヘンゼルとグレーテルは、壮大な森の中を歩き続けて一軒の不思議な家を発見する。その家の壁からはカラフルなお菓子の液体が噴出し、食べられるドアノブや壁などに2人は大喜びする。すると、そんな2人の前に黒装束で怪しい感じの老婆(マイケル・ヤマ)が現れて、2人を家の中へ招き入れる。家の中も食べられるテーブルなどがあり、ヘンゼルもグレーテルも我を忘れて食べることに夢中になるが、徐々に老婆の本性が現れ始め、森に住む魔女であることに気づき、魔女とヘンゼルたちの対決の幕が開く。

キャスト 編集

スタッフ 編集

  • 監督・デザイン:ティム・バートン
  • 脚本:ジュリー・ヒックソン
  • 製作:リック・ヘインリックス、ジュリー・ヒックソン
  • 音楽:ジョン・コスタ
  • 撮影:ヴィクター・アブダロフ
  • 編集:クリストファー・ロス、ほか

脚注・出典 編集

  1. ^ Business for Hansel and Gretel”. imdb. 2015年1月3日閲覧。
  2. ^ マーク・ソールズベリー著、遠山純生訳『バートン・オン・バートン』フィルムアート社、1996年11月1日、ISBN 4-8459-9661-8

外部リンク 編集