ベルメスの顔(ベルメスのかお、Caras de Bélmez)は、スペインアンダルシーア州ハエン県ベルメス・デ・ラ・モラレーダ民家で発生した現象。その家のコンクリート床に、顔のような染みが浮かび上がるというものである。

ベルメスの顔

概要 編集

1971年8月23日、自宅にいたマリア・ゴメス夫人は、床に顔のような染みを発見した。これを夫と息子に伝えると、すぐに破壊されて新しい床に替えられた。しかし、その後も顔は浮かび上がり続け、が広まると市長は破壊を禁じ、調査のために破壊されたコンクリートを採取した。事件は大きく報道され、徐々に多くの観光客が集まるようになった。

以来、その顔は全く異なった男女の表情に変わり続け、壁にも複数現れるようになった[1]。この現象は調査しても、一向に原因究明されない怪奇現象だと言われているが、懐疑派による徹底した調査によれば、塗料の存在や薬品への耐性などが行われ、実際に同じ現象が発生するかどうかを再現した実験も行われた[2]。そこで、コンクリートから採取された成分にはいくつかの薬剤(酢酸セメント等)の使用が疑われ[3]、これらが紫外線によって変色したという報告がある[4]。これらの検証により、いたずらである可能性が高いとされた。

 
2012年に撮影されたベルメスの顔。現在は壁に埋め込まれガラスの中に保管されている。

その後、2004年2月にマリア・ゴメスが死去。この時、超心理学研究協会は「染みは体によるものである」と主張し、関連性のあるマリアの生家を調べると、その家の床にも顔が浮かび上がっていた。これについても各新聞社によって、観光客を呼ぶために作られた偽物であると批判があり、制作方法についての暴露本まで出版されている[5]

現在も[いつ?]怪奇現象信者と懐疑派の間では議論が行われており、家はスペインに現存している。

脚注 編集

  1. ^ 消しても取り除いてもまた床に現れる「ベルメスの顔」の謎 (2021年10月21日) - エキサイトニュース(2/4)”. エキサイトニュース. 2022年8月12日閲覧。
  2. ^ Tort, Cesar in Journal of the Society for Psychical Research (op. cit.), p. 164.
  3. ^ Alonso, JJ (1976). "Informe acerca de unas muestras traídas para su análisis al Instituto Hidrológico y Mineralógico de Valencia". Psi Comunicación . 2 (3/4) : 77–80.
  4. ^ Tort, Cesar in Journal of the Society for Psychical Research (op. cit.), p. 170.
  5. ^ Las nuevas caras de Bélmez fueron falsificadas por unos 'cazafantasmas' en complicidad con el ayuntamiento (2004年11月28日、エル・ムンド紙)

関連項目 編集


座標: 北緯37度43分25.68秒 西経3度22分50.88秒 / 北緯37.7238000度 西経3.3808000度 / 37.7238000; -3.3808000