ホセ・マニュエル・ピレラJosé Manuel Pirela, 1989年11月21日 - )は、ベネズエラトルヒージョ州バレラ英語版出身のプロ野球選手二塁手外野手)。右投右打。

ホセ・ピレラ
José Pirela
メキシコシティ・レッドデビルズ #63
サンディエゴ・パドレス時代
(2017年6月25日)
基本情報
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
出身地 トルヒージョ州バレラ英語版
生年月日 (1989-11-21) 1989年11月21日(34歳)
身長
体重
183 cm
99 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手外野手一塁手三塁手
プロ入り 2006年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2014年9月22日
NPB / 2020年6月19日
KBO / 2021年4月3日
最終出場 NPB / 2020年11月11日
年俸 $1,200,000+出来高(2023年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

愛称はスペイン語で黒を意味するアギラ・ネグラAguila Negra[1]

経歴 編集

プロ入りとヤンキース時代 編集

 
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2015年5月24日)

2006年7月2日にニューヨーク・ヤンキースと契約。

2007年は傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・ヤンキース1でプロデビュー。65試合に出場して打率.273、4本塁打、29打点、15盗塁を記録した。

2008年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ヤンキースでプレーし、35試合に出場して打率.234、10打点、4盗塁を記録した。

2009年はA級チャールストン・リバードッグスでプレーし、97試合に出場して打率.295、46打点、9盗塁を記録した。

2010年はA+級タンパ・ヤンキースでプレーし、130試合に出場して打率.252、5本塁打、61打点、30盗塁を記録した。

2011年はAA級トレントン・サンダーでプレーし、128試合に出場して打率.239、8本塁打、45打点、9盗塁のを記録した。

2012年はAA級トレントンでプレーし、82試合に出場して打率.293、8本塁打、33打点・9盗塁を記録した。

2013年はAA級トレントンとAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースでプレー。AA級トレントンでは124試合に出場して打率.272、10本塁打、62打点、18盗塁を記録した。

2014年はAAA級スクラントン・ウィルクスバリで開幕を迎え、130試合に出場。打率.305、10本塁打、60打点、15盗塁と好成績を残し、9月16日にマーティン・プラド故障者リスト入りしたため、ヤンキースとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[2]。9月22日のボルチモア・オリオールズ戦でメジャーデビュー。「9番・指名打者」として先発起用され、3打数2安打1打点だった[3]。この年メジャーでは7試合に出場して打率.333、3打点を記録した。

2015年二塁手のレギュラーの可能性もあった[4]が、結局スティーブン・ドリューがレギュラーに定着した為、37試合の出場に留まった。打撃面では打率.230、1本塁打、5打点、1盗塁という内容だった。守備面では、二塁を27試合守って4失策、守備率.952という成績を記録したほか、3試合で外野守備にも就いた。

パドレス時代 編集

2015年11月11日にロナルド・ヘレーラ英語版とのトレードで、サンディエゴ・パドレスへ移籍した[5]

2016年は主に傘下のAAA級エル・パソ・チワワズでプレー。メジャーでは15試合に出場して打率.154だった。オフの12月2日にFAとなったが、6日にマイナー契約で再契約し、2017年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。

2017年は開幕をAAA級エル・パソで迎え[6]、6月6日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。

2019年7月22日にDFAとなった[7]

フィリーズ時代 編集

2019年7月27日に金銭トレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍[8]

広島時代 編集

 
広島東洋カープ時代
(2020年10月16日、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)

2019年11月2日にNPB広島東洋カープと契約を結んだ[9]

2020年は、主に左翼手としてシーズン前半は1番、後半は6、7番に座り99試合に出場。鈴木誠也堂林翔太に次ぐチーム3位の11本塁打を記録した。夏場以降は長野久義が左翼を守る関係で一塁手としても出場した。11月26日に、球団よりクリス・ジョンソンと共に翌年の契約は結ばないことが発表された[10]

サムスン時代 編集

2020年12月16日にKBOリーグサムスン・ライオンズと契約した[11][12]

2021年はチームの主力として140試合に出場して158安打、打率.286、29本塁打、97打点、OPS 0.854を記録[13]。2022年もチーム最多の28本塁打、109打点を記録した。2023年は、打率.285、16本塁打、80打点を記録した。2023年までサムソンと契約していた。

メキシカンリーグ時代 編集

2024年1月26日、メキシカンリーグメキシコシティ・レッドデビルズと契約した。

選手としての特徴・人物 編集

走攻守三拍子揃った選手。打撃では三振率が低く、コンタクト能力に優れた中距離打者[12]。守備では三塁、二塁、一塁、外野と様々なポジションをこなす万能性を持つ[14]。走塁では積極性があり、全力疾走に徹している[14]

明るく社交的な性格であり、広島時代は春季キャンプから積極的にチームメイトに話しかけ、すぐに打ち解けた[15]。また、打撃不振に陥った際は自らチームメイトの鈴木誠也に助言を求めるなど向上心が高い[15]

サムスンに移籍が決まると、広島時代のチームメイトである長野久義がサムスンOBでもある巨人時代のチームメイトの李承燁に連絡を取り、「人間性も実力も素晴らしい選手」とピレラを紹介している[16]

「常にポジティブに、積極的に、ハッピーでいること」を信条とし、劣勢な状況であっても全力プレーを怠らない[17]

広島時代のシーズン終了後、アメリカに帰国する際には、コーチの廣瀬純や主力選手から広島駅へ見送られ、「カープに戻ってきたい。それが一番の希望」と話したが、叶わなかった[15]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2014 NYY 7 25 24 6 8 1 2 0 13 3 0 0 0 0 1 0 0 4 1 .333 .360 .542 .902
2015 37 78 74 7 17 3 0 1 23 5 1 0 1 1 2 0 0 16 4 .230 .247 .311 .588
2016 SD 15 41 39 2 6 2 0 0 8 0 0 1 1 0 1 0 0 9 0 .154 .175 .205 .380
2017 83 344 312 43 90 25 4 10 153 40 4 3 1 2 27 0 2 71 8 .288 .347 .490 .837
2018 146 473 438 54 109 23 2 5 151 32 6 3 0 2 30 1 3 89 10 .249 .300 .345 .645
2019 2 5 5 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 3 1 .000 .000 .000 .000
PHI 12 19 17 1 4 1 0 1 8 2 0 0 0 0 2 0 0 4 0 .235 .316 .481 .786
'19計 14 24 22 1 4 1 0 1 8 2 0 0 0 0 2 0 0 7 1 .182 .250 .364 .614
2020 広島 99 337 316 47 84 9 2 11 130 34 2 3 0 0 19 2 2 53 4 .266 .312 .411 .723
2021 サムスン 140 621 553 102 158 25 2 29 274 97 9 6 0 3 57 2 8 89 8 .286 .359 .495 .854
2022 141 630 561 102 192 33 4 28 317 109 15 5 0 2 55 12 12 81 19 .342 .411 .565 .976
2023 139 605 557 66 159 28 1 16 237 80 6 4 0 2 42 5 4 69 20 .285 .339 .425 .764
MLB:6年 302 985 909 113 234 55 8 17 356 82 11 7 3 5 63 1 5 196 24 .257 .308 .392 .699
NPB:1年 99 337 316 47 84 9 2 11 130 34 2 3 0 0 19 2 2 53 4 .266 .312 .411 .723
KBO:3年 420 1856 1671 270 509 86 7 73 828 286 30 15 0 7 154 19 24 239 7 .305 .370 .496 .866
  • 2023年度シーズン終了時

太字はリーグ最多

年度別守備成績 編集

内野守備


一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B)




































2014 NYY - 4 4 7 1 2 .917 -
2015 - 27 36 44 4 12 .952 -
2016 SD - 12 10 16 1 4 .963 -
2017 5 29 0 1 6 .967 7 2 9 0 1 1.000 1 0 2 0 0 1.000
2018 9 22 2 0 0 1.000 77 99 158 7 34 .973 -
2020 広島 9 70 2 1 4 .986 - 2 1 3 1 1 .800
MLB 14 51 2 1 6 .981 127 151 234 13 53 .967 1 0 2 0 0 1.000
NPB 9 70 2 1 4 .986 - 2 1 3 1 1 .800
外野守備


左翼(LF) 右翼(RF) 外野




































2015 NYY 2 1 1 0 0 1.000 1 1 0 0 0 1.000 -
2016 SD - 1 0 0 0 0 .--- -
2017 68 117 5 3 2 .976 4 3 0 0 0 1.000 -
2018 31 34 3 2 1 .949 5 10 0 0 0 1.000 -
2019 1 1 0 0 0 1.000 - -
PHI 4 4 0 0 0 1.000 - -
'19計 5 5 0 0 0 1.000 - -
2020 広島 - - 69 93 3 1 0 .990
2021 サムスン 38 61 2 0 1 1.000 - -
2022 121 228 7 5 1 .979 3 0 0 0 0 -
2023 99 171 6 1 0 .994 19 32 0 1 0 .970 -
MLB 105 157 9 5 3 .971 11 14 0 0 0 1.000 -
NPB - - 69 93 3 1 0 .990
  • 2020年度シーズン終了時

記録 編集

NPB初記録

背番号 編集

  • 67(2014年、2019年9月6日 - )
  • 38(2015年 - 同年途中)
  • 63(2015年途中 - 同年終了、2021年 - 2023年)
  • 17(2016年)
  • 2(2017年 - 2019年7月21日)
  • 10(2020年)

脚注 編集

  1. ^ Padres' Players Weekend nicknames explained MLb.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ Bryan Hoch (2014年9月17日). “Appendectomy ends Prado's season”. MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  3. ^ Scores for Sep 22, 2014”. ESPN MLB (2014年9月22日). 2014年12月13日閲覧。
  4. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、57頁頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  5. ^ Post Sports Desk (2015年11月11日). “Yankees use Jose Pirela in trade with Padres”. New York Post. http://nypost.com/2015/11/11/yankees-use-jose-pirela-in-trade-with-padres/ 2015年11月12日閲覧。 
  6. ^ http://www.sandiegouniontribune.com/g00/sports/padres/sd-sp-padres-minors-jose-pirela-20170522-story.html
  7. ^ Jeff Todd (2019年7月22日). “Correa back as Astros designate Kemp” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年7月28日閲覧。
  8. ^ Todd Zolecki (2019年7月27日). “Phillies add utility man Pirela from Padres” (英語). MLB.com. 2019年7月28日閲覧。
  9. ^ 広島 新外国人ピレラ獲得を発表「とても興奮しています」内外野守る万能型”. デイリースポーツ (2019年11月2日). 2020年5月30日閲覧。
  10. ^ 来季の外国人選手契約について”. 広島東洋カープ公式サイト (2020年11月26日). 2020年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月29日閲覧。
  11. ^ https://www.samsunglions.com/roster/roster_2.asp?pcode=A0447
  12. ^ a b 【公式】広島東洋カープ退団のピレラが韓国球界入り!サムスン・ライオンズに入団決定”. スポーツソウル (2020年12月16日). 2021年3月3日閲覧。
  13. ^ "韓国に渡った元広島助っ人、MVP級活躍で守備も献身 「私が見てきた外国人打者で最高の選手」監督代行絶賛". J-CAST NEWS. 株式会社ジェイ・キャスト. 7 October 2022. 2022年10月7日閲覧
  14. ^ a b 広島 万能ピレラ健脚にも注目”. 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社 (2020年6月10日). 2021年3月3日閲覧。
  15. ^ a b c 【広島】ピレラは韓国球界へ 帰国時に広島駅へ見送りに来た仲間に感謝…第二の人生、羽ばたく”. スポーツ報知 (2021年1月1日). 2021年3月3日閲覧。
  16. ^ 広島・長野がイ・スンヨプ氏へかけた一本の電話 気遣いエピソードが韓国で話題”. 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社 (2021年2月24日). 2021年3月3日閲覧。
  17. ^ 守備でも奮闘。カープの助っ人・ピレラ「スコアに関係なく一生懸命、ガムシャラにプレーすること」” (2020年10月6日). 2021年3月4日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集