マルコス・ロホ

アルゼンチンのサッカー選手

マルコス・ロホ (Marcos Rojo) こと、ファウスティーノ・マルコス・アルベルト・ロホ(Faustino Marcos Alberto Rojo, 1990年3月20日 - )は、アルゼンチンブエノスアイレス州ラ・プラタ出身のサッカー選手ボカ・ジュニアーズ所属。ポジションはディフェンダー

マルコス・ロホ
名前
本名 ファウスティーノ・マルコス・アルベルト・ロホ
Faustino Marcos Alberto Rojo[1]
ラテン文字 Marcos ROJO
基本情報
国籍 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
生年月日 (1990-03-20) 1990年3月20日(34歳)
出身地 ラ・プラタ
身長 187cm[2]
体重 80kg[2]
選手情報
在籍チーム アルゼンチンの旗 ボカ・ジュニアーズ
ポジション DF (SB) / MF (WB)
背番号 6
利き足 左足
ユース
2000-2008 アルゼンチンの旗 エストゥディアンテス
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2008-2011 アルゼンチンの旗 エストゥディアンテス 43 (3)
2011-2012 ロシアの旗 スパルタク・モスクワ 8 (0)
2012-2014 ポルトガルの旗 スポルティングCP 49 (5)
2014-2021 イングランドの旗 マンチェスター・ユナイテッド 76 (1)
2020 アルゼンチンの旗 エストゥディアンテス (loan) 1 (1)
2021- アルゼンチンの旗 ボカ・ジュニアーズ 49 (6)
代表歴2
2011- アルゼンチンの旗 アルゼンチン 61 (3)
1. 国内リーグ戦に限る。2022年10月12日現在。
2. 2019年10月9日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

地元のクラブであるエストゥディアンテスでキャリアを始め、2009年にはコパ・リベルタドーレスを制し、FIFAクラブワールドカップの決勝に出場した。スパルタク・モスクワに短期間所属した後、2012年にスポルティングCPに加入した。2014年に1,600万ポンドの移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに移籍が決定した。

2011年にアルゼンチン代表デビューを飾り、これまで35キャップ以上を記録している。2014 FIFAワールドカップに出場し、決勝トーナメントに進出したチームから選出されるベストイレブンに決勝まで勝ち上がったアルゼンチン代表から唯一選出された。

クラブ経歴 編集

エストゥディアンテス 編集

ラ・プラタで生まれ育ったロホは、10歳の時に地元のエストゥディアンテスに加入した[3]

2009年にトップチームに昇格し、クラブとプロ契約を結んだ。エストゥディアンテスには3シーズン所属し、リーグ戦43試合の出場で3ゴールを記録した[4]FIFAクラブワールドカップ2009では延長戦から交代で出場したが、1-2でFCバルセロナに敗れた[5]

エストゥディアンテスでは多くの試合に左サイドバックとして出場し、コパ・リベルタドーレスプリメーラ・ディビシオンで優勝を経験した。

スパルタク・モスクワ 編集

 
スパルタク・モスクワでプレイするロホ (2011年3月)

2010年12月、ロホはスパルタク・モスクワと5年間の契約を結んだ[6]。スパルタク・モスクワでは2011年4月20日に行われ、2-1で勝利したロシア・カップ準々決勝のクラスノダール戦で唯一のゴールを挙げた[7]

スポルティングCP 編集

2012年7月、スポルティングCPへ350万ポンドの移籍金で移籍が決定し、ロホは4年間の契約を結んだ[8]。2012年8月19日に行われ、0-0で引き分けたヴィトーリア・ギマランイス戦でデビューを果たし、その試合ではイエローカードを提示された[9]。2012年10月7日に行われたFCポルト戦では3分間で2枚のイエローカードを提示され、スポルティングで初となる退場処分を受け、チームも0-2で敗れた[10]。2013年4月28日に行われたナシオナル戦で初ゴールを記録し、チームも2-1で勝利を挙げた[11]。1年目のシーズンは左サイドバックで出場することもあったが、多くの試合でセンターバックを務めた[12]。チームは近年の中では悪い成績である7位でシーズンを終えた。

2013-14シーズンは第2節のアカデミカ・コインブラ戦でシーズン初ゴールを記録し、チームも4-0で勝利を挙げた[13]。2014年4月19日に行われたベレネンセス戦では退場処分を受けたがチームは1-0で勝利を挙げた[14]。ロホはシーズンで6ゴールを記録し、チームも準優勝と良い成績を残した[12]。2014年8月13日、マンチェスター・ユナイテッドへ移籍を希望するロホは練習に参加することを拒否したと報じられた[15]。スポルティングの会長であったブルーノ・デ・カルバーリョは後にロホの所有権を有する第3者がロホを移籍させるよう圧力をかけてきたことを明かした[16]

マンチェスター・ユナイテッド 編集

2014年8月19日、スポルティングとマンチェスター・ユナイテッドは2,000万ユーロ(1,600万ポンド)の移籍金でロホの移籍について合意し、翌日にロホはクラブと5年間の契約を結び、ナニが1シーズンのローンでスポルティングに加入することが発表された[17]。ロホは今回の移籍について、マンチェスター・ユナイテッドでプレイするという夢が叶ったと述べた。

2010年にアルゼンチンで隣人と口論をしたとされる係争中の刑事告発の影響で労働許可証の取得に時間がかかり[18]、ロホは開幕から3試合に出場することができなかった。9月4日に英国国境局から労働許可証が発給され[19]、9月14日に行われ、4-0で勝利したクイーンズ・パーク・レンジャーズ戦でデビューを果たした[20]。11月2日に行われたマンチェスター・ダービーではマルティン・デミチェリスのタックルにより肩を負傷したため、担架で運び出された[21]。肩の脱臼であることが明らかとなり、ジョニー・エヴァンズフィル・ジョーンズとともにクラブのディフェンスラインの負傷者リストに名を連ねることとなった[22]

2015年2月3日に行われ、3-0で勝利したFAカップ4回戦の再試合であるケンブリッジ・ユナイテッド戦でヘディングにより初ゴールを記録し、チームも3-0で勝利を挙げた[23]

2016-17シーズンにジョゼ・モウリーニョが監督に就任すると同シーズンはリーグ戦21試合に出場する。

しかし2017-18シーズンよりモウリーニョがヴィクトル・リンデロフエリック・バイリーら若手を優先的に起用したほか、自身の怪我の影響もあったため出場機会を大幅に減らす。2018年3月にはユナイテッドとの契約を2021年まで延長したが、翌シーズンもその状況は変わらず、監督がオーレ・グンナー・スールシャールに交代した後も同じだった。シーズン終了後にはエヴァートンFCフェネルバフチェSKが関心を示すも、どれも交渉が最後までまとまらなかった[24]

2020年1月30日、エストゥディアンテスにレンタル移籍した[25]

ボカ・ジュニアーズ 編集

2021年2月2日、ボカ・ジュニアーズと契約。母国復帰となった[26]

代表経歴 編集

 
2014 FIFAワールドカップ決勝クリストフ・クラマー (左) をドリブルで交わすロホ (右)

2011年2月9日に行われ、2-1で勝利したポルトガル代表戦でA代表デビューを飾った[27]。自国で開催されたコパ・アメリカ2011のメンバーに選ばれ、2011年7月2日に行われた開幕戦のボリビア代表戦に出場したが[28]、準々決勝に進出したアルゼンチン代表において、2戦目以降はハビエル・サネッティが左サイドバックのポジションを務めた。

2014 FIFAワールドカップのメンバーに選ばれ、初戦のボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦に出場し、ワールドカップデビューを果たした[29]。グループリーグ3戦目のナイジェリア代表戦では3-2となる決勝ゴールを挙げ、代表初ゴールを記録した[30]。アルゼンチン代表はドイツ代表との決勝に進出し、ロホはアルゼンチン代表から決勝トーナメント進出チームから選出されるカストロール・インデックスによるベストイレブンに唯一選ばれた。

ヘラルド・マルティーノにより、コパ・アメリカ2015のメンバーに選出された[31]。ゴールレスでPK戦に突入した準々決勝のコロンビア代表戦でロホはPKを失敗してしまったが、チームは準決勝進出を決めた[32]。6-1で勝利した準決勝のパラグアイ代表戦では先制ゴールを挙げ、チームの決勝進出に貢献した[33]

2018 FIFAワールドカップ1次リーグナイジェリア戦では決勝ゴールを決め、アルゼンチンの決勝トーナメント進出に大きく貢献。

プレースタイル 編集

フォーフォーツー』によると、スポルティングでの1年目はいくつかのポジション取りのミスやタイミングの悪いタックルが見られ、2年目も自身のスピードに助けられている面があったことから、センターバックより左サイドバックが適正なポジションではないかと考えられていた[12]。また、ファウルが多い点は気になるものの、空中戦の強さについて言及している[12]

センターバックと左サイドバックに加えウイングも務めることができ、ルイ・ファン・ハールが好んだ3-5-2フォーメーションのウイングバックとして適任であると考えられた[3][34]

パーソナルライフ 編集

ポルトガルを拠点に活動する下着モデルのエウヘニア・ルサルドと結婚し、娘を儲けている[3]

複数のタトゥーを体に入れており、両腿にはそれぞれ「プライド」と「栄光」を意味する言葉が彫られている[3]

2014年の12月にクラブで出会った女性と関係を持ったが、ロホは彼女からの脅迫状に対して裁判所に訴え、新聞社に対してこのことについて自分の名前を出さないよう禁止令を出すよう求めた。複数のサッカー選手が関係している疑いが出たため、2015年4月にロホの名前を出してはいけないという禁止令が解かれたが、その件に関してロホの写真を使用することについては引き続き禁止された[35]

個人成績 編集

クラブでの成績 編集

2023年1月23日現在.[36]
所属クラブ シーズン リーグ 国内カップ
[注釈 1]
リーグカップ
[注釈 2]
大陸選手権 その他 合計
ディヴィジョン 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
エストゥディアンテス 2008-09 プリメーラ 6 1 0 0 1[注釈 3] 0 7 1
2009-10 18 0 0 0 6[注釈 4] 0 1[注釈 5] 0 25 0
2010-11 19 2 0 0 0 0 2[注釈 6] 1 21 3
合計 43 3 0 0 7 0 3 1 53 4
スパルタク・モスクワ 2010-11 ロシア・プレミアリーグ 0 0 2 1 5[注釈 7] 0 0 0 7 1
2011-12 8 0 1 0 1[注釈 7] 0 0 0 10 0
合計 8 0 3 1 6 0 0 0 17 1
スポルティングCP 2012-13 プリメイラ・リーガ 24 1 0 0 2 0 7[注釈 7] 0 33 1
2013-14 25 4 1 0 2 1 28 5
合計 49 5 1 0 4 1 7 0 0 0 61 6
マンチェスター・U 2014-15 プレミアリーグ 22 0 4 1 26 1
2015-16 16 0 4 0 1 0 7[注釈 8] 0 28 0
2016-17 21 1 4 0 5 0 10[注釈 7] 0 1[注釈 9] 0 41 1
2017-18 9 0 1 0 1 0 1[注釈 10] 0 12 0
2018-19 5 0 0 0 1[注釈 10] 0 6 0
2019-20 3 0 2 0 4[注釈 7] 0 9 0
合計 76 1 13 1 9 0 23 0 1 0 122 2
エストゥディアンテス 2019 リーガ・プロフェッショナル 1 0 1 0
合計 1 0 1 0
ボカ・ジュニアーズ 2020 リーガ・プロフェッショナル 4[注釈 11] 0 4 0
2021 23 1 3[注釈 3] 0 26 1
2022 26 5 3[注釈 3] 0 29 5
合計 49 6 4 0 6 0 59 6
キャリア合計 226 15 21 2 13 1 49 0 4 1 313 19
  1. ^ アルゼンチン - コパ・アルヘンティーナ、ロシア - ロシア・カップ、ポルトガル - タッサ・デ・ポルトガル、イングランド - FAカップ
  2. ^ ポルトガル - タッサ・ダ・リーガ、イングランド - リーグカップ
  3. ^ a b c コパ・リベルタドーレス
  4. ^ 5試合はコパ・リベルタドーレスの出場試合数、1試合はコパ・スダメリカーナの出場試合数
  5. ^ FIFAクラブワールドカップ
  6. ^ レコパ・スダメリカーナ
  7. ^ a b c d e UEFAヨーロッパリーグ
  8. ^ 3試合はELの出場試合数、4試合はCLの出場試合数
  9. ^ FAコミュニティ・シールド
  10. ^ a b UEFAチャンピオンズリーグ
  11. ^ 新型コロナウイルスの影響で延期したため、2020シーズンは2021年3月から12月にかけて開催された

代表での成績 編集

代表での出場 編集

  • 国際Aマッチ 61試合 3得点(2011年-2019年)[37]


アルゼンチン代表国際Aマッチ
出場得点
2011 9 0
2012 5 0
2013 5 0
2014 11 1
2015 11 1
2016 11 0
2017 2 0
2018 5 1
2019 2 0
通算 61 3

代表での得点 編集

# 開催日 開催地 対戦国 スコア 結果 試合概要
1. 2014年6月25日  エスタジオ・ベイラ=リオ   ナイジェリア 3-2 3-2 2014 FIFAワールドカップ・グループF
2. 2015年6月30日  エスタディオ・ムニシパル・デ・コンセプシオン英語版   パラグアイ 1-0 6-1 コパ・アメリカ2015・準決勝
3. 2018年6月26日  ガスプロム・アリーナ   ナイジェリア 2-1 2-1 2018 FIFAワールドカップ・グループD

獲得タイトル 編集

クラブ 編集

エストゥディアンテス
マンチェスター・ユナイテッド

個人 編集

脚注 編集

  1. ^ 2014 FIFA World Cup Brazil ™ - List of Players
  2. ^ a b Marcos Rojo
  3. ^ a b c d Marcos Rojo: 13 things you might not know about Manchester United transfer target
  4. ^ Marcos Rojo
  5. ^ MATCHES
  6. ^ Попов: с Рохо в России можно сравнить разве что Луковича
  7. ^ SPARTAK MOSKVA VS. KRASNODAR 2 - 1
  8. ^ Sporting Lisbon swoop for Spartak Moscow defender Marcos Rojo
  9. ^ VITÓRIA GUIMARÃES VS. SPORTING CP 0 - 0
  10. ^ PORTO VS. SPORTING CP 2 - 0
  11. ^ SPORTING CP VS. NACIONAL 2 - 1
  12. ^ a b c d Everything you need to know about... Marcos Rojo Read more at http://www.fourfourtwo.com/features/everything-you-need-know-about-marcos-rojo#IvewFsr7l0DsRUB2.99
  13. ^ ACADÉMICA VS. SPORTING CP 0 - 4
  14. ^ BELENENSES VS. SPORTING CP 0 - 1
  15. ^ Manchester United try to resolve Marcos Rojo stand-off
  16. ^ Manchester United: Sporting reveal Marcos Rojo sale 'pressure'
  17. ^ Manchester United sign Marcos Rojo for £16m on five-year deal
  18. ^ Marcos Rojo: Man United signing's debut held up by visa delay
  19. ^ Marcos Rojo granted work permit to play for Manchester United
  20. ^ Man Utd 4-0 QPR
  21. ^ Man City 1-0 Man Utd
  22. ^ Marcos Rojo: Manchester United defender dislocates shoulder
  23. ^ Manchester United survived an early scare to beat League Two Cambridge United and set up an FA Cup fifth-round trip to Preston North End.
  24. ^ マンUのアルゼンチン代表DFロホは1月に退団へ…プレー時間の確保を希望かサッカーキング 2019年9月7日
  25. ^ マルコス・ロホがレンタル移籍へ”. www.manutd.com. 2021年2月10日閲覧。
  26. ^ マルコス・ロホがボカ・ジュニオールズに完全移籍”. マンチェスター・ユナイテッド (2021年2月2日). 2021年2月3日閲覧。
  27. ^ Argentina 2-1 Portugal: Last-gasp Lionel Messi penalty secures entertaining victory after Cristiano Ronaldo equaliser
  28. ^ Argentina 1-1 Bolivia: Kun Aguero saves Sergio Batista's men in Copa America opener
  29. ^ Lionel Messi scored a superb goal as Argentina began their World Cup campaign with a win over World Cup debutants Bosnia-Hercegovina.
  30. ^ Argentina and Nigeria both qualified for the last 16 of the World Cup despite two Lionel Messi goals condemning the African side to a 3-2 defeat in their final group game.
  31. ^ Gerardo Martino confirmó la lista de 23 convocados y mantuvo a Casco para la Copa América
  32. ^ Carlos Tevez scored the winning spot-kick as Argentina beat Colombia on penalties to reach the Copa America semi-finals.
  33. ^ Argentina remain on course to win their first Copa America title since 1993 after thrashing Paraguay to set up a final against tournament hosts Chile.
  34. ^ Marcos Rojo profile: Who is the £16m Manchester United signing?
  35. ^ Manchester United's Marcos Rojo named as footballer in sex scandal court case
  36. ^ マルコス・ロホ - Soccerwayによる個人成績
  37. ^ National Team Appearances of Marcos Rojo”. National-Football-Teams. 2023年1月20日閲覧。

外部リンク 編集