マーヤー (サンスクリット語: मायाMāyā) は、インドの宗教やインド哲学に現れる概念である。

ヒンドゥー教用語
マーヤー, 摩耶
英語 illusion, magic
サンスクリット語 माया
(IAST: Māyā)
日本語 摩耶, 幻影

元来、ブラフマーなどが用いる神の力・神秘的な力を意味し、その後、幻影という意味に変化した。人を幻惑させる力という意味で、「幻力」と訳されることもある。

インド哲学では、シャンカラなどにより、現実世界がマーヤー(幻影)であり、真実の世界を覆い隠しているとされ、ショーペンハウアーも『意志と表象としての世界』にて物自体である意志の単一性・本質を覆い隠している、物自体の客体である表象における数多性(個別化の原理)の説明としてマーヤーを用いている(マーヤーのヴェール)。

仏教 編集

大乗仏教においては、摩耶は般若経の重要なテーマである。

般若経においては、すべての法(現象)は幻のようなものであり、それは五蘊に限らず、菩薩涅槃さえも含むすべての存在がそうだと述べている[1]

脚注 編集

  1. ^ Shi Huifeng. Is “Illusion” a Prajñāpāramitā Creation? The Birth and Death of a Buddhist Cognitive Metaphor. Fo Guang University. Journal of Buddhist Philosophy, Vol. 2, 2016

関連項目 編集