ユニット (unit) とは、医薬・臨床化学分野で用いられる酵素活性(触媒活性)の単位である。英語では enzyme unit、ドイツ語では Enzymeinheit で、そのまま訳せば「酵素単位」であるが、日本語では「ユニット」という単位名称で呼ばれる。

ユニット(酵素単位)
enzyme unit
記号 U
非SI単位
酵素活性
SI (1/60) µkat
組立 µmol/min
定義 1分につき1マイクロモルの基質化学反応を促進する酵素活性
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1ユニットは、至適条件下(温度30で、最も化学反応が進む酸性度)で毎分1マイクロモル(µmol)の基質を変化されることができる酵素量(1マイクロモル)と定義されている。この単位は、1964年に国際生化学連合(現 国際生化学・分子生物学連合)が採択したものである。なお、この際の定義文中では「国際単位」(international unit)という名称が用いられているが、ビタミンなどの生物学的効果を示す国際単位(IU)や、国際単位系(SI)とは無関係である。

時間の単位「分」が国際単位系(SI)においてはSI併用単位にすぎないことから、1999年一貫性のある1モル毎秒に相当するカタール(記号:kat)がSIに導入され[1][2]、ユニットはカタールに置き換えることが推奨されている。ユニットとカタールの換算は以下のようになる。

1 U = (1/60) µkat(マイクロカタール) = 約 16.667 nkat(ナノカタール
1 kat = 60×106 U

出典 編集

  1. ^ 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006)、日本語版” (PDF). 付録1,第21回 CGPM, 1999年「酵素活性の表現のための SI 組立単位,モル毎秒の固有の名称,カタール」. 独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合センター訳・監修. p. 79-80 (2006年). 2020年12月19日閲覧。
  2. ^ 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006)、日本語版” (PDF). 「表3 固有の名称と記号で表される一貫性のあるSI組立単位」中、酵素活性. 独立行政法人産業技術総合研究所計量標準総合センター訳・監修. p. 29 (2006年). 2020年12月19日閲覧。