レイ湖(れいこ、Lago di Lei)はイタリアスイスの国境に位置する長さ約8kmのダム湖である。1955年に発効した条約[1]により、湖のほとんどのエリアはイタリアに属し、ダム及びアクセスのためのトンネルのみスイスに属する。ダムの高さ138m、湖面標高1931m(最高)、総貯水容量1億9千7百万立方メートル。湖は揚水発電の上池であり、自然流量の利用の他、スフナー湖(Sufnersee)からフェレーラ(Ferrera)発電所経由で揚水される[2]。この湖から流れ出た水はライン川に合流し、イタリアの水として唯一、北海に注ぐ。

レイ湖
レイ湖
所在地 イタリアスイス
位置 北緯46度28分59秒 東経9度27分18秒 / 北緯46.48306度 東経9.45500度 / 46.48306; 9.45500座標: 北緯46度28分59秒 東経9度27分18秒 / 北緯46.48306度 東経9.45500度 / 46.48306; 9.45500
水面の標高 1,931 m
成因 人造湖
淡水・汽水 淡水
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

歴史 編集

 
レイ湖周辺の地図。ダム周辺のみスイス、湖の大部分はイタリアである。

1942年、ヒンターライン川(Hinterrhein)水系での電源開発のためクラフトヴェルケ・ヒンターライン・コンソーシアム(Konsortium Kraftwerke Hinterrhein、KKH)が設立されたが、水没する地域の反対により開発は失敗した[3]

1949年にスイスとイタリアとの間で協定が締結され[4]、1956年にクラフトヴェルケ・ヒンターラインAG(Kraftwerke Hinterrhein AG、KHR)[5]設立、1957年夏に着工。1962年秋にダムは満水となった。レイ湖及び東西の隣接する谷からの水を導入する標高1407mのフェレーラ発電所には3基のフランシス水車が据え付けられ、落差524 m、流量45 m3/sに対応する。

操業開始から約50年経った2011年から2017年にかけて発電設備のリノベーションが行われ、2012年には建設以来初めてダムの水が抜かれた[6]

ギャラリー 編集

参考文献 編集

  1. ^ Convenzione tra la Confederazione Svizzera e la Repubblica Italiana concernente una modificazione di confine nella Valle di Lei (レイ谷の国境修正に関わるスイス連邦とイタリア共和国間の合意)”. 2020年4月23日閲覧。
  2. ^ Valle di Lei reservoir”. 2020年4月23日閲覧。
  3. ^ Carl Jegher (1943-04-24). “Die Kraftwerke Hinterrhein mit den Stauseen Sufers und Rheinwald”. Schweizerische Bauzeitung 121 (17): 207–215. doi:10.5169/seals-53084. 
  4. ^ Accordo tra la Svizzera e l’Italia concernente la concessione di forze idrauliche del Reno di Lei”. 2020年4月23日閲覧。
  5. ^ Kraftwerke Hinterrhein AG”. 2020年4月23日閲覧。
  6. ^ Kraftwerke Hinterrhein increase efficiency thanks to modern technology” (2013年6月14日). 2020年4月23日閲覧。

関連項目 編集