ワイヤードロジック

電子回路のみで実装される論理演算

ワイヤードロジック: Wired Logic結線論理)は、論理回路の構成方法の一つで、ハードウェアによる物理的な結線で命令を実行するもの。ハードワイヤードロジック (Hard Wired Logic) とも言う。布線論理、配線論理とも。ランダムロジックともいう[1]

高速な反面、複雑な命令の実装は困難である。このためRISCプロセッサ内部の命令実行部など、比較的複雑性の低い機能の実装に用いられる。またCISCプロセッサでも486以降のx86などは、ワイヤードロジックを取り入れ、マイクロプログラム方式の部分を減らしている。

概要 編集

CISCプロセッサなどの複雑なステートマシンを構成する論理回路では、状態遷移を管理しやすくする手法としてマイクロコードマイクロプログラム方式)があるが、一つの処理を行うのに複数のクロックが必要になる。その間次の処理に移ることはできず、クロックあたりの処理能力をあげることが難しい。

これに対しワイヤードロジックでは、マイクロコードにおける処理の複数のステップを、パイプライン化しやすい組み合わせ回路に展開した形(「ランダム論理」)で実現する。

マイクロコードに対するハードワイヤードのメリット/デメリット 編集

  • メリット
    • クロックあたりの処理能力(CPI)が高い
    • パイプライン化することで、クロックの速度を上げやすい
  • デメリット
    • 回路規模が大きくなる
    • マイクロコードROMの差し替えといった修正(チューニングや機能拡張)ができない

脚注 編集

  1. ^ ワイヤードロジック”. 日経クロステック. 日経BP社 (2000年1月10日). 2020年5月19日閲覧。

関連項目 編集