ワールドゴルフランキング

1985年から制度化されている、世界のゴルフランキング

オフィシャルワールドゴルフランキング世界ゴルフランキング: Official World Golf Ranking)は、1985年から制度化されている、世界のゴルフランキングのことである。

ポイント対象ツアー 編集

PGAツアー国際連盟に加盟されている5つの主要ツアーは

また下記のツアーもポイントの対象となる

概説 編集

最初に世界ランキング1位になった選手は、ベルンハルト・ランガー(当時西ドイツ)であった。最初は各地の賞金ランキングの“お飾り”のような位置づけで、ほとんど効力を持っていなかった。しかし、1999年からメジャー大会世界ゴルフ選手権などの出場資格を決定するに際して、「世界ゴルフランキング50位以内」が加えられるようになった。これ以後、ゴルフ世界ランキングは大きな位置づけを持つようになる。

ゴルフの世界ランキングは、過去「2年間」にトーナメントで獲得したポイントを、出場試合数(ただし、40試合以下の場合は「40」、56試合以上の場合は「56」)で割り算する平均点方式を取っている。メジャー大会のポイントはもちろん大きい(優勝で100pt)が、各トーナメントの大会規模だけでなく、地域ツアーによっても獲得できるポイントが大きく異なる。基本的にはアメリカPGAツアー → 欧州ツアー → 日本ツアーなどの順に、獲得ポイントが少なくなっていく。LIVゴルフ参戦組を排除しないゴルフ大会もあるため、その点数は厳密に反映させてランキング付けを行っている。

Tour 平均ポイント 旗艦大会 最高ポイント
PGAツアー 24 ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ 80
ヨーロピアンツアー 24 BMW PGA選手権 64
日本ゴルフツアー機構 16 日本オープンゴルフ選手権競技 32
オーストラレーシアPGAツアー 16 (6) オーストラリアン・オープン 32
サンシャインツアー 14 (6/4) アルフレッド・ダンヒル選手権 32
アジアンツアー 14 インドネシアン・マスターズ 20
ウェブドットコムツアー 14 ウェブドットコムツアー選手権 20
チャレンジツアー 12 チャレンジツアー・グランドファイナル 16
PGAツアー・カナダ 6 n/a n/a
ワンアジアツアー 6 n/a n/a
PGAツアー・ラティーノアメリカ 6 n/a n/a
韓国プロゴルフツアー 6 n/a n/a
アジアンデベロップメントツアー 6 n/a n/a
PGAツアー・チャイナ 6 n/a n/a
アルプスツアー 4/6 n/a n/a
ノルディックゴルフリーグ 4/6 n/a n/a
PGAユーロプロツアー 4/6 n/a n/a
プロゴルフツアー 4/6 n/a n/a

ランキングの記録 編集

かつて世界ランキング1位を保持した生涯最長記録は、グレッグ・ノーマンオーストラリア)の「331週」であった。これをタイガー・ウッズが塗り替えた。(2016年現在で通算683週)。

連続世界1位保持の最長記録は、タイガー・ウッズの「281週」(2005年6月12日~2010年10月30日)である。タイガー・ウッズが初めて世界ランキング1位になったのは、1997年6月16日(当年の全米オープンの大会終了後)であった。ウッズとノーマンの両選手が抜きん出ているが、その下にニック・ファルドイングランド)の「97週」、ローリー・マキロイ北アイルランド)の「95週」と続く。

日本人選手では松山英樹(2017年)の2位が過去最高位であり、その他には中嶋常幸が4位(1987年)、尾崎将司が5位(1996年)、青木功が8位(1987年)と計4人がトップ10入りしている[5]

歴代世界ランキング1位 編集

選手 国・地域 到達日 合計週数
1 ベルンハルト・ランガー   西ドイツ 1986年04月06日 3
2 セベ・バレステロス   スペイン 1986年04月27日 61
3 グレッグ・ノーマン   オーストラリア 1986年09月14日 331
4 ニック・ファルド   イングランド 1990年09月02日 97
5 イアン・ウーズナム   ウェールズ 1991年04月07日 50
6 フレッド・カプルス   アメリカ合衆国 1992年03月22日 16
7 ニック・プライス   ジンバブエ 1994年08月14日 44
8 トム・レーマン   アメリカ合衆国 1997年04月20日 1
9 タイガー・ウッズ   アメリカ合衆国 1997年06月15日 683
10 アーニー・エルス   南アフリカ共和国 1997年06月22日 9
11 デビッド・デュバル   アメリカ合衆国 1999年03月28日 15
12 ビジェイ・シン   フィジー 2004年09月05日 32
13 リー・ウエストウッド   イングランド 2010年10月31日 22
14 マルティン・カイマー   ドイツ 2011年02月27日 8
15 ルーク・ドナルド   イングランド 2011年05月29日 56
16 ローリー・マキロイ   北アイルランド 2012年03月04日 122
17 アダム・スコット   オーストラリア 2014年05月18日 11
18 ジョーダン・スピース   アメリカ合衆国 2015年08月16日 26
19 ジェイソン・デイ   オーストラリア 2015年09月20日 51
20 ダスティン・ジョンソン   アメリカ合衆国 2017年02月19日 135
21 ジャスティン・トーマス   アメリカ合衆国 2018年05月13日 5
22 ジャスティン・ローズ   イングランド 2018年09月10日 13
23 ブルックス・ケプカ   アメリカ合衆国 2018年10月21日 47
24 ジョン・ラーム   スペイン 2020年7月19日 52
25 スコッティ・シェフラー   アメリカ合衆国 2022年3月27日 83

   最長記録, 太字:現在の1位
2024年4月14日付

女子ゴルフ世界ランキング 編集

2006年シーズンから、女子ゴルフにも世界ランキングが導入された。現在は時計会社のスポンサーつきの名称で「ロレックス女子ゴルフ世界ランキング」(Rolex Women's World Golf Rankings、略称:ロレックスランキング(Rolex Rankings))と呼ばれている。2006年2月20日に第1回の女子ゴルフランキングが発表されたが、半年後の8月8日付でシステムに一部変更が加えられ、出場試合数の少ない選手でも「35」で割り算する平均点方式になった。女子も過去2年間に獲得したポイントが対象となる。2010年6月21日付けでのランキングで、宮里藍選手が日本人初の世界ランク1位となった[6]

歴代世界ランキング1位(女子) 編集

選手 国・地域 到達日 合計週数
1 アニカ・ソレンスタム   スウェーデン 2006年02月21日 60
2 ロレーナ・オチョア   メキシコ 2007年04月23日 158
3 申智愛   韓国 2010年05月03日 25
4 宮里藍   日本 2010年06月21日 10
5 クリスティ・カー   アメリカ合衆国 2010年06月28日 6
6 ヤニ・ツェン   中華民国 2011年02月14日 109
7 ステイシー・ルイス   アメリカ合衆国 2013年03月18日 25
8 朴仁妃   韓国 2013年04月15日 106
9 リディア・コ   ニュージーランド 2015年02月02日 104
10 アリヤ・ジュタヌガーン   タイ 2017年06月12日 23
11 ユ・ソヨン   韓国 2017年06月26日 19
12 パク・ソンヒョン   韓国 2017年11月06日 20
13 馮珊珊   中国 2017年11月13日 23
14 コ・ジンヨン   韓国 2019年04月08日 46

   最長記録, 太字:現在の1位
2020年03月16日付(累計734週)

外部リンク 編集

脚注 編集

  1. ^ Ranking Points Incentive For Asian Development Tour Hopefuls” (2013年1月29日). 2013年2月4日閲覧。
  2. ^ OWGR – Press Release” (2013年11月20日). 2013年11月20日閲覧。
  3. ^ a b c d OWGR Board Announce Inclusion of New Tours”. OWGR (2015年7月15日). 2015年7月18日閲覧。
  4. ^ OWGR Board Announcement”. OWGR (2016年4月15日). 2016年6月21日閲覧。
  5. ^ “松山、世界トップ10“AON”に続く日本人4人目の快挙!中嶋「英樹はすごい」”. GOLF報知. (2016年10月25日). http://golf.hochi.co.jp/archives/22806 
  6. ^ Ai Miyazato new No. 1 in Rolex Rankings