ヴァンヌ

フランスの都市

ヴァンヌVannesブルトン語: Gwenedガロ語:Vann)は、フランスブルターニュ地域圏モルビアン県に属する都市。周辺のコミューンとともに人口約13万人の都市圏を形成している。バンヌとも表記する[1]

Vannes/Gwened

 

地図
行政
フランスの旗 フランス
地域圏 (Région) ブルターニュ地域圏
(département) モルビアン県(県庁所在地)
(arrondissement) ヴァンヌ郡(郡庁所在地)
小郡 (canton) 3小郡庁所在地
INSEEコード 56260
郵便番号 56000
市長任期 ダヴィド・ロト(共和党
2014年-2020年
自治体間連合 (fr) fr:Communauté d'Agglomération du Pays de Vannes
人口動態
人口 52 648人
2012年
人口密度 1 630人/km2
住民の呼称 Vannetais
地理
座標 北緯47度39分21秒 西経2度45分37秒 / 北緯47.65583333度 西経2.760277778度 / 47.65583333; -2.760277778座標: 北緯47度39分21秒 西経2度45分37秒 / 北緯47.65583333度 西経2.760277778度 / 47.65583333; -2.760277778
標高 平均:22 m
最低:0 m
最高:56 m
面積 32,3km2 (3 230ha)
Vannes/Gwenedの位置(フランス内)
Vannes/Gwened
Vannes/Gwened
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概要 編集

 
二言語表記されているヴァンヌの標識
 
ブロ・ワロック地方とヴァンヌ

ブルトン語で『小さな海』を意味するモルビアン湾の付け根に建設された都市である。周辺には、2000年近く前に円形闘技場が建てられている。1世紀にローマ帝国支配下にあった頃、湾に面した都市ロクマリアケールを害して、ガリアの一部族であるウェネティ人(Vénètes)がヴァンヌを首都とした。ヴァンヌとはウェネティ人の都市という意味である。ブルトン語名のグウィネド(Gwened)またはヴァンヌの名で、ブルターニュ王国(現在のモルビアン県の位置にあった)、ブルターニュ公国の首都となり、ブロ・ワロック地方の中心地となった。

ヴァンヌには465年にヴァンヌ公会議が開かれた時、司教座とカトリックの修道会が設置された。初代ヴァンヌ司教となったのは、聖パトルヌであった。市は現在、観光地と海のリゾートを抱え、一方では科学と海のテクノポリスを擁している。

地理 編集

ヴァンヌはモルビアン湾の北岸、マルル川の河口に位置する。

車で一時間ほどの距離には、レンヌナントカンペールがある。パリとは車で4時間の距離である(TGVの場合は3時間、飛行機で1時間)。高速道で1時間ほどの距離にナント・アトランティック空港があり、30分の距離にロリアン=ブルターニュ空港がある。

気候 編集

 
モルビアン湾

ヴァンヌはブルターニュ半島南岸に位置し、モルビアン湾の北岸にあり、海洋性気候である。温暖で雨の多い冬、涼しくて相対的に湿気の多い夏が特徴である。降水量の最高値は寒い時期に記録されることが知られる。

以下の表は、2008年の平均気温を降水量を表している:

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
月間最高気温(°C) 11.5 12.6 12.2 14.8 20.7 21.7 22.2 21.4 19.8 16.2 12 8.6 16.15
月間最低気温 (°C) 4.8 4 5.3 5.6 11.2 11.8 13.1 14.3 10 7.5 6.6 1.5 7.98
月間平均気温 (°C) 8.2 8.3 8.8 10.2 16 16.8 17.7 17.9 14.9 11.9 9.3 5.1 12.07
降水量 (hauteur moyenne en mm) 149.4 78.6 86.8 76 97.2 15 67.6 61.6 68.2 59.6 80.2 55.6 895.8
Source: Météociel[2]

以下の表は、2008年の最高気温と最低気温を示している:

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温 (°C) 14.8 15.7 16.1 21.8 26.6 26.5 29.7 30.6 22.2 23.8 15.6 13.5
\最高気温の日数     22 26 14 26 12 10 23 30 8 12 4-11 4
最低気温 (°C) -3.8 -2.3 -1.7 -2.7 6.8 5.6 7.0 7.2 4.1 0.3 -1.3 -4.7
\最低気温の日数     27 2 20 7 2 6 22 23 30 22 26 30
Source: Météociel

歴史 編集

 
中世の町並み
 
王党派のキブロン上陸と、革命軍による征圧

古代、ウェネティ人が現在のモルビアン県部分を征服していた。

  • 紀元前56年 - モルビアン湾の海戦で、ローマがウェネティ人を下し、一帯を占領。
  • 465年 - 聖パトルヌ、初代ヴァンヌ司教に選出される。
  • 6世紀半ば、フランク王国と対立するブルトン人首領ワロックが、本拠をヴァンヌに置く
  • 751年から753年、ピピン3世によってヴァンヌはカロリング朝支配下に置かれる。
  • 865年 - ヴァイキング襲来
  • 890年-907年 - ヴァンヌ伯・ブルターニュ王のアラン1世の治世
  • 919年 - 2度目のヴァイキング襲来。大聖堂が破壊される
  • 991年-1037年 - ロマネスク様式で大聖堂再建
  • 1168年-1187年 - プランタジネット家支配下に入る
  • 1341年-1364年 - ブルターニュ継承戦争。ヴァンヌはジャン・ド・モンフォール側につき、シャルル・ド・ブロワ側によって包囲され、降伏。
  • 1364年-1399年 - ジャン4世時代、公は本拠をヴァンヌに据えた。1379年にはエルミーヌ城壁の建設始まる。
  • 1487年 - 対フランス戦争のため、フランス軍によってヴァンヌが占領される
  • 1554年 - ブルターニュ高等法院がヴァンヌに移される
  • 1795年 - 王党派がキブロンに上陸。ルイ=ラザール・オッシュ将軍がヴァンヌを平定。
  • 1862年 - 鉄道建設。

人口統計 編集

1962年 1968年 1975年 1982年 1990年 1999年 2006年 2012年
30 411 36 576 40 359 42 178 45 644 51 759 53 079 52 648

source=1999年までLdh/EHESS/Cassini[3]、2004年以降INSEE[4][5]

紋章 編集

この紋章は、1696年のフランス紋章図鑑に記録された。イタチ(hermine)は、ブルターニュ公ジャン4世が、ヴァンヌに建てた城にエルミーヌ城と名付け、1381年にエルミーヌ騎士団を創設したことから、人気の上がった題材であった。1532年ヴァンヌは、フランス王フランソワ1世を前にブルターニュ公国のフランス併合を宣言した。

史跡とみどころ 編集

 
ヴァンヌ中心部の地図

ヴァンヌは、フランス歴史と芸術のまちに登録されている。また、花のまちコンクールの四つ花マークを獲得している。歴史記念物として、以下のものがある。

  • 監獄門(15世紀)とサン=ヴァンサン通り(17世紀)
  • サン=パトルヌ教会(18世紀)
  • ヴァンヌ大聖堂 - ゴシック様式。15世紀から19世紀にかけて建設。
  • サン=イヴ礼拝堂 - イエズス会によって1661年に建設。
  • ノートルダム・デュ・ロイック礼拝堂
  • サン=ゲン礼拝堂の古い出入り口
  • ウルシュリーヌ礼拝堂
  • エルミーヌ城 - 14世紀にブルターニュ公ジャン4世が建てた同名の城が前身。戦争によって城、要塞部分が破壊され、1795年に現在の建物が再建され財務局が置かれた。その後は士官学校、法学校が置かれ、現在ブルターニュ文化研究所が置かれている。付属の庭園がある

教育 編集

ヴァンヌ出身の著名人 編集

スポーツ 編集

姉妹都市 編集

脚注 編集

外部リンク 編集