交響曲第4番 (ニールセン)

交響曲第4番 作品29, FS 76 は、カール・ニールセン1914年から1916年にかけ作曲した交響曲である。作曲者自身によって『不滅』(または滅ぼし得ざるものデンマーク語: Det Uudslukkelige英語The Inextinguishable)という副題が与えられている。

音楽・音声外部リンク
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Nielsen:4.Sinfonie 'Das Unauslöschliche' - パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団による演奏。hr交響楽団公式YouTube。
C.Nielsen:Symphony No.4 'The Inextinguishable', Op.29 - 韓国芸術総合学校交響楽団による演奏《指揮者名無記載》。韓国芸術総合学校メディアコンテンツセンター公式YouTube。

4つの楽章の要素が移行していくという構成になっており、しばしば4楽章や2楽章の曲と誤解されるが、単一楽章の作品であり、2群のティンパニによる競演を特徴とし、ニールセンが手がけた交響曲の中でも特に劇的な作品と目されている。

副題 編集

作曲者自身はデンマーク語"Det Uudslukkelige" という副題を与えたが、これは日本語で「消し去り難いもの」や「滅ぼし得ぬもの」といった意味であり、日本では簡潔に『不滅』の副題で親しまれている。また、ドイツ語により "Das Unauslöschliche" と表記されることがままあり、原題が用いられることは比較的稀である。

楽曲 編集

ニールセンの交響曲は、この第4番以降の作品において多調性を採用しており、『交響曲第6番』までの3つの交響曲については基本となる調が記されていない。これは古典的な交響曲のような、基本となる調を設定し、他の調との対比により構成する、という概念を排す意図からである。この第4番はニ短調の全奏部(Allegro)で始まり、クラリネットによるイ長調、間奏となる気楽な田舎風の曲想の第2部(Poco allegretto、ト長調)を経て、伝統的な緩徐楽章の役割は悲劇的な曲想の第3部(Poco adagio quasi andante)に譲られる。第4部(Allegro)では2群のティンパニが活躍し、結末においてホ長調となって締め括られる。

ニールセンの作品では最も演奏・録音の機会に恵まれているが、解釈に特有の問題があり、作曲家のロバート・シンプソンは著書において、主にテンポ設定に関してページ数を割いている。

楽器編成 編集

フルート3(3番はピッコロ持ち替え)、オーボエ3、クラリネット3、ファゴット3(3番はコントラファゴット持ち替え)、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバティンパニ2人、弦楽5部

演奏時間 編集

約35分。

初演 編集

1916年2月1日コペンハーゲンにて作曲者ニールセンの指揮により行われた。

日本での初演は1968年6月30日秋山和慶指揮東京交響楽団により行われた。

登場するメディア作品 編集

外部リンク 編集