児童合唱(じどうがっしょう)は、変声前の子供のみの合唱である。童声合唱ともいう。少年合唱も同義だが、男子のみを指す場合が多い。

声域は女声合唱に比してやや狭いがほぼ重なる、声質は異なり、透明さや溌剌さが大人の女声合唱と異なる魅力がある。女声合唱男声合唱とともに同声合唱に分類される。変声後の男児を含む中学生による混声合唱は、児童合唱に含まない場合が多い。

日本の児童合唱団は、男子は変声期を迎える小学6年生から中学生の間に退団することが多いが、ファルセットを用いて活動する者も見られる。女子は男子ほど声変わりが顕著でなく、高校生や大学生で活動する者もいる。日本以外の児童合唱団や少年合唱団の多くは、変声にかかわらず未成年のみの合唱を表す。

本項は、クラシック音楽における児童合唱について重点的に説明する。ポピュラー音楽についても後述する。

編成 編集

声域、声質によって、ソプラノアルトに分かれる。3部に分かれる場合は、ソプラノとアルトの間にメゾソプラノが置かれる。

他の合唱との組み合わせ 編集

おもに管弦楽つき合唱曲や合唱つき交響曲で、女声と男声の混声合唱と別に、児童合唱のパートが与えられることがある。混声合唱曲で、高声部を通常の女声に代わり児童(特に少年)が受け持つことがある。前者は、オルフの『カルミナ・ブラーナ』や、マーラー交響曲第8番などがある。後者は、かつて教会で女性の歌唱が禁じられたことから代替されたが、現在はおもに音楽的な観点から選択される。高声部に児童合唱を指定した曲は、ストラヴィンスキーの『ミサ曲』やシベリウスの『アテネ人の歌』などがある。混声合唱曲で女声パートを少年合唱が担当する場合もあり、通常の混声合唱と異なるハーモニーを奏でる。

楽曲 編集

主な児童合唱曲 編集

女声合唱団の歌唱も少なくない。()内は伴奏形態を示す。

児童合唱が用いられる主なオペラ 編集

ポピュラー音楽における児童合唱 編集

1950年代後半から1980年代にかけて、児童合唱団が歌唱する、アニメや特撮など児童向けフィクション番組や映画の主題歌が多くみられた。おもな曲を下記する。()内に番組名と歌手および合唱団名を記す。

主な合唱団 編集