北浜駅 (北海道)

北海道網走市にある北海道旅客鉄道の駅

北浜駅(きたはまえき)は、北海道網走市字北浜にある北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線である。駅番号B76事務管理コードは▲111619[2]

北浜駅
駅舎(2021年5月)
きたはま
Kitahama
B75(臨)原生花園 (5.4 km)
(2.8 km) 藻琴 B77
地図
所在地 北海道網走市字北浜無番地
北緯43度57分30.26秒 東経144度21分9.49秒 / 北緯43.9584056度 東経144.3526361度 / 43.9584056; 144.3526361座標: 北緯43度57分30.26秒 東経144度21分9.49秒 / 北緯43.9584056度 東経144.3526361度 / 43.9584056; 144.3526361
駅番号 B76
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 釧網本線
キロ程 154.7 km(東釧路起点)
電報略号 キマ[1]
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
26人/日
-2014年-
開業年月日 1924年大正13年)11月15日
備考 無人駅
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歴史 編集

1980年(昭和55年)に19代駅長・木村茂が待合室にらくがき帳を設置したのを皮切りに、「オホーツク海に一番近い駅・海岸まで20メートル」の看板の設置や入場券を買った旅行客に対し貝殻に「通行証」とペンキで描いた記念品を手渡すなどの独自のサービスを行うようになってから観光客が増え始めた[3]

これらのサービスは無人駅となった後も、旧駅長室に軽食喫茶店「停車場」が入居し、オーナーによる切符を売る駅業務の代行とともに続けられていた[3]

年表 編集

1977年の北浜駅と周囲約500m範囲。左が網走方面。オホーツク海岸に接している。単式ホーム1面1線と、間に細い積卸場が挟まる形で貨物積卸線が2本、駅舎横の網走側に貨物ホームと引込み線を有する。貨物荷物取扱廃止に伴い貨物線がすべて撤去されたのち、釧路側駅裏に保線車用引込線が敷かれた。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
 
引込線が確認できる(2003年4月)

駅名の由来 編集

開業時、当地は濤沸(とうふつ)村であったが[9]、「既設駅名(引用注:十弗駅)と紛れやすい為[10]」、また「同音の地名が他にも多いため[4]」混同を避け、当地が「見(引用注:北見国)のにあたる[4]」として「北浜」と名づけられた[10][4]

駅構造 編集

単式ホーム1面1線をもつ地上駅知床斜里駅管理の無人駅である。ホームは4両分程度の長さをもつ。

駅舎内には、かつての駅事務室を改装した喫茶店「停車場」が営業している[3][11]1986年東京で修行していたマスターが旧事務室にオープンしたもので、店内の椅子や網棚などは、旧型客車で使用されていたものを再利用している[3]。店内からはオホーツク海を眺めることができる。待合室の壁面は、旅行者が訪問の足跡として貼った名刺や切符などで埋め尽くされている。

駅舎の網走寄りには流氷見学用の展望台が設けられている。

利用状況 編集

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
2016年(平成28年) 15.8 [JR北 1]
2017年(平成29年) 13.8 [JR北 2]
2018年(平成30年) 12.0 [JR北 3]
2019年(令和元年) 8.8 [JR北 4]
2020年(令和02年) 9.2 [JR北 5]
2021年(令和03年) 10.0 [JR北 6]
2022年(令和04年) 10.4 [JR北 7]

駅周辺 編集

北浜地区のもっとも網走市街寄りに位置し、集落からはやや外れている。

その他 編集

当駅は1965年昭和40年)4月に封切りとなった映画「網走番外地」第一作で「網走駅」として囚人を駅から護送するシーンのロケ地として用いられたことで知られている[3]

その後もドラマ『みにくいアヒルの子』など多くの映画やテレビドラマなどの撮影で利用され、中国映画狙った恋の落とし方。』で登場した際は中国国内における北海道ブームも相まって、来駅する中国人観光客が増加したこともある[3][13][14]

隣の駅 編集

北海道旅客鉄道(JR北海道)
釧網本線[15]
藻琴駅 (B77) - 北浜駅 (B76) - *(原生花園駅 (B75) - 浜小清水駅 (B74)
*:原生花園駅停車は4月25日 - 10月31日(ただし、一部列車は通年通過)

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、140頁。ISBN 4-09-395401-1 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、246頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ a b c d e f 加賀元 (2011年9月25日). “駅 人 話 北浜駅”. 朝日新聞(朝日新聞社)
  4. ^ a b c d 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、166頁。ASIN B000J9RBUY 
  5. ^ a b c 朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 28号・釧網本線/石北本線、曽根悟(監修)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月31日、14-15頁。 
  6. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、926頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  7. ^ “「通報」●飯田線船町駅ほか13駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年2月28日) 
  8. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-123-6 
  9. ^ 内閣印刷局, ed (1924-11-11). “鉄道省告示 第218号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (3666). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2955814/7?tocOpened=1. 
  10. ^ a b 札幌鉄道局 編『駅名の起源』北彊民族研究会、1939年、110頁。NDLJP:1029473 
  11. ^ 「存廃に揺れる北辺の本線」『鉄道ジャーナル』No.610、2017年8月、51頁。 
  12. ^ 北浜駅前”. NAVITIME. 2019年9月2日閲覧。
  13. ^ オホーツク園観光連盟 - 中国映画「非誠勿擾」大ヒット
  14. ^ オホーツクの地域情報 経済の伝書鳩 - 網走に中国人観光客が急増
  15. ^ 下り順に記載。路線は原生花園駅方の東釧路駅が起点。

JR北海道 編集

  1. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)』、北海道旅客鉄道、2017年12月8日。 オリジナルの2017年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171209102545/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/senku/pdf/senku/08.pdf2017年12月10日閲覧 
  2. ^ 釧網線(東釧路・網走間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。 オリジナルの2018年8月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818153329/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/08.pdf2018年8月19日閲覧 
  3. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  4. ^ 釧網線(東釧路・網走間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月2日閲覧。
  5. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集