十王戦争(じゅうおうせんそう:サンスクリット語 दाशराज्ञ dāśarājñá)とは、『リグ・ヴェーダ』に描かれる時代の古代インドにおいて、インド・アーリア人を中心とした諸部族の間で勃発した戦争である。

十王戦争
現在のパンジャーブ
十王戦争の戦地となった五河地方(パンジャーブ)
戦争:十王戦争
年月日紀元前12世紀頃?
場所インド五河地方
結果トリツ族バラタ族の勝利
交戦勢力
トリツ族
バラタ族
プール族インド・アーリア人

ブリグ族インド・アーリア人
マツヤ族インド・アーリア人
ドルヒユ族ガンダーラ人)
パルシュ族ペルシア人?)
ダーサ族ダアイ?)
パニ族パルニ氏族?) アリナ族
アヌ族
バラーナ族

指導者・指揮官
スダース王
ヴァシシュタ
十王
ヴィシュヴァーミトラ
戦力
不明 不明
損害
不明 不明[1]
Template:Campaignbox 十王戦争

概要 編集

戦争の様子は、『リグ・ヴェーダ』に描写されている(7.18、7.33、7.83.4-8)。

この戦争は、関係のない非アーリア人の諸部族を巻き込んだ、インド・アーリア人の内部抗争の性格が強い。優秀な司祭長ヴィシュヴァーミトラを軍師としたプール族は、パンジャーブの諸部族と連合し、勢力を伸ばし始めていたトリツ族バラタ族に対し、戦いを挑んだのである。しかし、ヴァシシュタを司祭長とするスダース王に率いられたトリツ族・バラタ族は、プール族を中心とした十王の軍に勝利し、インド・アーリア人の諸部族の中での覇権を確立した。

この戦争の記録は、『リグ・ヴェーダ』に述べられていること以外の史料が無く、神話的であるが、実際の歴史的事件であったとする学説が有力である。

脚注 編集

  1. ^ en:Mandala 7

参考文献 編集