卓球ブンデスリーガ: Tischtennis-Bundesliga、略称:TTBL)は、ドイツにおける卓球の全国リーグである。男女別のリーグとなっており、2022年現在は男子12チーム、女子9チームが所属している。サッカー・ブンデスリーガの卓球版にあたる。

卓球ブンデスリーガ
今シーズン・大会:
現在進行のスポーツイベント de:Tischtennis-Bundesliga 2021/22
競技卓球
創立1960年
オーナーDTTB(ドイツ卓球協会)
参加チーム男子12/女子9
ドイツの旗 ドイツ
前回優勝ボルシア・デュッセルドルフ(男子)
ttc berlin eastside(女子)
スポンサーリープヘル
公式サイト公式サイト

概要 編集

ドイツ国内においては1932年から卓球チームの全国大会が毎年開催されていたが[1]、現在の卓球ブンデスリーガの初シーズンが開幕したのは1966年である。

男子はリーグ戦の上位4チームによってプレーオフを行い優勝を決定し、下位2チームはシーズン終了後に2部リーグ(: 2. Bundesliga)へ降格となる。女子リーグでは上位2チームでプレーオフを行い、それ以外のチームはリーグ戦の結果で順位が決まる。

男女とも、2部の優勝チームが1部へ昇格するが、昇格するにはクラブの資金面で厳しい条件があるため、2部で優勝しながら条件を満たせないために昇格を辞退するチームもある。

ドイツはヨーロッパの中でも金銭面の条件がよいため、各国から選手が集まってくる。そのためにリーグのレベルは高い。一方、ブンデスリーガのほかにもドイツカップ(ドイツのクラブによるカップ戦)など試合が多く、国の代表選手の場合にはITTFワールドツアーなどにも参加しなければいけないため、スケジュールは過密になりがちである。そのため、過密な日程を嫌って他のリーグに移籍する選手もいる。

試合方式 編集

1部の試合は2008/2009年シーズンより、シングルス4試合(3人が出場する)とダブルス1試合の合計5試合で行い、どちらかが3勝した時点で終了する方式となった。2部の試合は、ダブルス3試合、シングルス12試合(6人が出場し2回戦う)の合計15試合で行われ、どちらかが9勝した時点で終了となる。8対7になった場合には、最後にダブルスを1試合行い、9対7になった場合は9勝目をあげたチームの勝利、8対8になった場合は引き分けとなる。勝ったチームは勝ち点2、引き分けの場合は勝ち点1と失点1、敗れたチームは失点2を獲得する。勝ち点と失点の差が大きいチームの順位が上となる。

各チームの登録選手には、世界ランキングや昨シーズンの成績などを基にして、実力の高い順に一番手、二番手というように順番がつけられている。できるだけ実力が近い選手同士が対戦するように工夫されており、例えば、一番手の選手の場合は、必ず対戦チームの一番手と二番手の選手と戦うことが決まっている。前半戦が終了した時点で、上位登録選手の成績が悪く下位登録選手の成績が良い場合には、後半戦で登録順位が入れ替わる場合もある。

  • 1部の試合方式
  1. ホームの一番手 vs アウェイの二番手
  2. ホームの二番手 vs アウェイの一番手
  3. ホームの三番手 vs アウェイの三番手
  4. ホームの一番手 vs アウェイの一番手
  5. ダブルス vs ダブルス

2019-20シーズン 編集

2019-20シーズンのブンデスリーガは2019年8月17日に開幕したが、ドイツ国内での新型コロナウイルスの影響により3月8日に開催された第21節をもって中断された。

男子1部リーグについては6月10日から無観客によるプレーオフが開催され、1.FCザールブリュッケンTTが初優勝を果たした。プレーオフでは、感染対策のため5番のダブルスをシングルスへ変更、ゲーム間のチェンジコートなしなどの措置がとられた[2]。女子1部リーグについてはプレーオフを中止し、ベルリンイーストサイドドイツ語版の優勝が決定した。

所属チーム 編集

2021-22シーズン男子1部 編集

原則として、上位4チームがプレーオフ進出、下位2チームが2部へ降格となる。

最終
順位
クラブ 本拠地 備考
1位 ボルシア・デュッセルドルフ デュッセルドルフ 2020-21シーズン優勝
2位 1. FCザールブリュッケンTT ザールブリュッケン 1.FCザールブリュッケンの卓球部門。2022年、神巧也が加入。
3位 ミュールハウゼンドイツ語: Post SV Mühlhausen 1951 ミュールハウゼン
4位 フルダ・マーバーツェルドイツ語: TTC RhönSprudel Fulda-Maberzell フルダ
5位 オクセンハウゼンドイツ語: TTF Liebherr Ochsenhausen オクセンハウゼン
6位 ベルクノイシュタッドドイツ語: TTC Schwalbe Bergneustadt ベルクノイシュタッド
7位 TTCノイ・ウルム ウルム ワイルドカードで2019-20シーズンから加入[3]。2022年、張本智和が加入。
8位 ケーニヒスホーフェン バートケーニヒスホーフェン 2022年、宇田幸矢が加入。
9位 ヴェルダー・ブレーメン ブレーメン
10位 グリューンヴェッターズバッハドイツ語: ASV Grünwettersbach グリューンヴェッターズバッハ
11位 グレンツァオドイツ語: TTC Zugbrücke Grenzau ヘール=グレンツハウゼン 2021-22シーズンから1部へ昇格。
12位 バート・ホンブルクドイツ語: TTC OE Bad Homburg バート・ホムブルク・フォア・デア・ヘーエ 2021-22シーズンから1部へ昇格。田中佑汰が在籍している[4]

その他の男子チーム 編集

2021-22シーズン女子1部 編集

上位6チームがプレーオフ進出。

クラブ ホームタウン 備考
ベルリンイーストサイドドイツ語版 ベルリン 2020-21シーズン優勝
コルバーモア Kolbermoor
ミュンスター ビンゲン・アム・ライン
TSV Schwabhausen Schwabhausen
TSV Langstadt 1909 バーベンハウゼン
SV Böblingen ベーブリンゲン
ESV Weil ヴァイル・アム・ライン
TTC 1946 Weinheim ヴァインハイム

その他の女子チーム 編集

クロパッハ英語版を本拠地とするクラブ。2012/13シーズンまでに6連覇を達成したが、現在は活動していない。

歴代優勝クラブ 編集

[注釈 1] 男子 女子
2021 ボルシア・デュッセルドルフ ベルリンイーストサイドドイツ語版
2020 1. FCザールブリュッケンTT ベルリンイーストサイド
2019 オクセンハウゼンドイツ語版 ベルリンイーストサイド
2018 ボルシア・デュッセルドルフ SV DJK Kolbermoor
2017 ボルシア・デュッセルドルフ ベルリンイーストサイド
2016 ボルシア・デュッセルドルフ ベルリンイーストサイド
2015 ボルシア・デュッセルドルフ ベルリンイーストサイド
2014 ボルシア・デュッセルドルフ ベルリンイーストサイド
2013 ヴェルダー・ブレーメン FSV Kroppach
2012 ボルシア・デュッセルドルフ FSV Kroppach
2011 ボルシア・デュッセルドルフ FSV Kroppach
2010 ボルシア・デュッセルドルフ FSV Kroppach
2009 ボルシア・デュッセルドルフ FSV Kroppach
2008 ボルシア・デュッセルドルフ FSV Kroppach
2007 TTCフリッケンハウゼンドイツ語版 TTC Langweid
2006 TTCフリッケンハウゼンドイツ語版 Müllermilch Langweid
2005 Müller Würzburger Hofbräu TVブセンバッハドイツ語版
2004 オクセンハウゼンドイツ語版 Müllermilch Langweid
2003 ボルシア・デュッセルドルフ FC Langweid
2002 TTC Zugbrücke Grenzau FSV Kroppach
2001 TTC Zugbrücke Grenzau FC Langweid
2000 オクセンハウゼンドイツ語版 FC Langweid
1999 TTC Zugbrücke Grenzau FC Langweid
1998 ボルシア・デュッセルドルフ Team Galaxis Lübeck
1997 オクセンハウゼンドイツ語版 Team Galaxis Lübeck
1996 ボルシア・デュッセルドルフ FC Langweid
1995 ボルシア・デュッセルドルフ TSG Dülmen
1994 TTC Zugbrücke Grenzau Spvg Steinhagen
1993 ボルシア・デュッセルドルフ Spvg Steinhagen
1992 ボルシア・デュッセルドルフ Spvg Steinhagen
1991 TTC Zugbrücke Grenzau Spvg Steinhagen
1990 ボルシア・デュッセルドルフ Spvg Steinhagen
1989 ATSVザールブリュッケンドイツ語版 Spvg Steinhagen
1988 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1987 TTC Zugbrücke Grenzau FTGフランクフルトドイツ語版
1986 ボルシア・デュッセルドルフ FTGフランクフルトドイツ語版
1985 ATSVザールブリュッケンドイツ語版 ATSVザールブリュッケン
1984 ATSVザールブリュッケンドイツ語版 DSC Kaiserberg
1983 ATSVザールブリュッケンドイツ語版 TSV Kronshagen
1982 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1981 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1980 ボルシア・デュッセルドルフ TTVg Weiß-Rot-Weiß Kleve
1979 ボルシア・デュッセルドルフ TSV Kronshagen
1978 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1977 SSVロイトリンゲン DSC Kaiserberg
1976 TTCアルテナドイツ語版 DSC Kaiserberg
1975 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1974 ボルシア・デュッセルドルフ Kieler TTK Grün-Weiß
1973 TTCアルテナドイツ語版 VfLオスナブリュック
1972 メットマナーTVドイツ語版 DSC Kaiserberg
1971 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1970 ボルシア・デュッセルドルフ DSC Kaiserberg
1969 ボルシア・デュッセルドルフ DTC Kaiserberg
1968 VfLオスナブリュック DTC Kaiserberg
1967 TuSa 08デュセルドルフドイツ語版 DTC Kaiserberg
1966 VfLオスナブリュック DTC Kaiserberg
1965 TuSa 08デュセルドルフドイツ語版 DTC Kaiserberg
1964 TuSa 08デュセルドルフドイツ語版 Kieler TTK Grün-Weiß
1963 TuSa 08デュセルドルフドイツ語版 DTC Kaiserberg
1962 TuSa 08デュセルドルフドイツ語版 DTC Kaiserberg
1961 ボルシア・デュッセルドルフ[7] Kieler TTK Grün-Weiß
1960 TTCメルフェルデンドイツ語版 TKハノーファードイツ語版
1959 TTVメテレンドイツ語版 アイントラハト・フランクフルト
1958 TSVミルバーツホーフェンドイツ語版 アイントラハト・フランクフルト
1957 TTCメルフェルデンドイツ語版 アイントラハト・フランクフルト
1956 TTCメルフェルデンドイツ語版 アイントラハト・フランクフルト
1955 TTCメルフェルデンドイツ語版 TTC Rot-Weiß Hamburg
1954 MTVミュンヘン1879ドイツ語版 TTC Rot-Weiß Hamburg
1953 MTVミュンヘン1879ドイツ語版 アイントラハト・フランクフルト
1952 TSV Milbertshofen アイントラハト・フランクフルト
1951 MTVミュンヘン1879ドイツ語版 MTVミュンヘン1879
1950 MTVミュンヘン1879ドイツ語版 TSV Union Wuppertal
1949 MTVミュンヘン1879ドイツ語版 TSV Union Wuppertal
1948 MTVミュンヘン1879ドイツ語版[8] アイントラハト・フランクフルト[9]
1947 MTVミュンヘン1879ドイツ語版 -
1939 ポストSVウィーン ポストSVウィーン
1938 ハンブルガードイツ語版 BSGオスラム・ベルリン
1937 ハンブルガードイツ語版 BSGオスラム・ベルリン
1936 BSGオスラム・ベルリン BSGオスラム・ベルリン
1935 TTC Friedenau-Berlinドイツ語版 Reemtsma-SG Dresden
1934 TTC Gelb-Weiß Berlin TTC Kurpfalz Ludwigshafen
1933 Kieler TTK Grün-Weißドイツ語版 同点優勝 ボルシア・ベルリン - Grün-Weiß Magdeburg[10]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 例えば、2021年は2020-2021シーズンの優勝チームを指す。

出典 編集

  1. ^ 1940年から1946年までは開催されなかった。
  2. ^ “ブンデスPO決勝 ザールブリュッケン、悲願の初V!”. 卓球王国. (2020年6月15日). https://world-tt.com/ps_info/ps_report_detail.php?bn=3&pg=HEAD&page=BACK&rpcdno=716#716 
  3. ^ a b ブンデスリーガに新クラブ参入。メンバーはハオ帥ら実力者揃い”. 卓球王国. 2019年9月6日閲覧。
  4. ^ Mannshaft”. TTC OE – Ein-Sparten Tischtennis-Verein aus Bad Homburg. 2021年10月2日閲覧。
  5. ^ ドイツ・ブンデスリーガはレギュラーシーズンが終了。シェルベリが2季連続の個人成績1位”. 卓球王国 (2022年4月15日). 2022年4月24日閲覧。
  6. ^ 村松雄斗、再び輝くためにドイツ「マインツ」へ。「自分に甘えず、ドイツへ行く”. 卓球王国 (2022年4月12日). 2022年4月24日閲覧。
  7. ^ Ausführlicher Rückblick auf diese Herren-Mannschaftsmeisterschaft: Zeitschrift tischtennisドイツ語版, 2011/5 Seite 53
  8. ^ Bericht über die Herren-Meisterschaft Zeitschrift DTSドイツ語版, 1948/7
  9. ^ Bericht über die Damen-Meisterschaft Zeitschrift DTSドイツ語版, 1948/11
  10. ^ Walter Grein: Tischtennis, Verlag Deutscher Tischtennis-Sport, Hannover, 1953, Seite 40

関連項目 編集

外部リンク 編集