Wikipedia

名家 (諸子百家)

中国の諸子百家の1つ

名家（めいか）は、古代中国戦国時代を中心に活動した諸子百家の一派。主な人物に恵施と公孫龍がいる[1]。弁者（辯者）などとも呼ばれる[2]。

『公孫龍子』白馬非馬を述べた箇所

人間の言葉についての思索（言語哲学[3]）を背景に、「白馬は馬ではない」（白馬非馬）、「亀は蛇より長い」（亀長於蛇）、「鶏は三本足」（鶏三足）、「今日越に行って昨日着く」（今日適越而昔来）[4]などの奇怪な学説を説いた。また、政治哲学として非戦論などを説くこともあった[5]。

秦漢以後に学派は断絶したが、明治期の日本や民国初期の中国において、西洋の論理学や哲学・パラドックスと類似視され「中国における論理学」とみなされて以来、再評価されるようになった。しかし現存する文献が乏しいため、実態は不明な点が多い。

道家の荘子、儒家の荀子、墨家の墨弁、黄老思想等と思想上の関連がある。特に『荘子』は、名家への言及を多く含むため、現在名家を知る上で基本資料となっている。

呼称 編集

「名家」という呼称は、漢代の『史記』[6]や『漢書』芸文志が、後から与えた呼称である[7]。これらより前に書かれた『荘子』天下篇（諸子百家の学説誌的な篇）では、名家にあたる学派は「弁者（辯者）」と呼ばれていた[2]。また「弁士」「察士」と呼ばれることもあった[8]。

「名」（名辞・言葉）は、名家を象徴する語だが、名家だけの語ではない[9]。例えば後述の『荀子』や『墨子』をはじめ、他の諸子も頻繁に「名」を論じている。とりわけ、『老子』『荘子』や上博楚簡『恒先』が説く道家的な万物生成論や[10][11][注釈 1]、馬王堆帛書『黄帝四経』などが説く黄老思想において[10][12]、「名」は重要な術語として用いられている。また、『論語』で孔子は「正名」を説いており、その「正名」と関連して、儒教には名分論や名物訓詁の学（経学）の伝統がある。ときには儒教そのものが「名教」と呼ばれることもある[13]。また「名」は名誉・名声の意味で使われる場合も多い[注釈 2]。以上諸々の「名」と名家の関係についても諸説ある[注釈 3][注釈 4]。

「弁」（弁論・弁舌）も、名家に限らず、儒家の子貢や孟子、縦横家・陰陽家・滑稽など、様々な人物が得意とした技能とされる[19][20]。

人物・書物 編集

『漢書』芸文志（漢の宮廷の図書目録）によれば、名家の書物は以下の七冊（七家三十六篇）が漢代当時に存在した[21][22]。

  1. 『鄧析』二篇 - 春秋末期の鄧析の書物。
  2. 『尹文子』一篇 - 尹文の書物。
  3. 『公孫龍子』十四篇 - 公孫龍の書物。
  4. 『成公生』五篇 - 秦代の成公生（中国語版）の書物。
  5. 『恵子』一篇 - 恵施の書物。
  6. 『黄公』四篇 - 秦代の黄疵（中国語版）の書物。
  7. 『毛公』九篇 - 公孫龍と同時代の毛公の書物。

現存する書物は、『公孫龍子』六篇、『鄧析子』二篇、『尹文子』二篇である。ただし現存の『鄧析子』と『尹文子』は、後世の仮託・偽書の疑いがある。また、その内容から名家ではなく雑家や法家に分類される場合もあり[23][24]、その場合は『公孫龍子』が唯一現存する名家ということになる。

名家の人物は以上の七人以外にもいる。例えば『荘子』天下篇や『列子』仲尼篇によれば、桓団（桓團または韓檀）という人物が、公孫龍と同時代の名家の中心人物とされる[25]。また例えば、『韓非子』外儲説左上篇では、兒説という宋の弁者に「白馬非馬」が帰される[26]。またある書物では、田巴という斉の弁士に名家の学説が帰される[注釈 5]。またある書物では、綦毋子という人物が公孫龍の門徒にいたとされる[注釈 6]。

そのほか、『隋書』経籍志など後世の目録では、三国時代の劉劭『人物志』のような人物鑑定術の書物も名家の書物とされる[30][31][注釈 7]。しかしながら、内容的には戦国時代の名家とほぼ関係ない[33]。

なお、20世紀後半から21世紀初頭には、馬王堆帛書・郭店楚簡・上博楚簡といった新出文献が相次いで発見されており、諸子百家の大半はそれらの新出文献により研究が進んでいる[34]。しかしながら、名家に関する新出文献は特に発見されていない[注釈 8]。ただし、黄老思想や生成論の「名」の思想に関しては、豊富に発見されている[10]。

他の諸子百家との関係 編集

雑家・法家 編集

名家は雑家と重なる部分が大きい。上述のように、『尹文子』と『鄧析子』は、現代では雑家に分類されることもある[23]。『尹文子』の雑家的・黄老的な思想は「後期名家の思想」とされる場合もある[36]。また、雑家の書物の『呂氏春秋』（とりわけ審応覧の諸篇[21]）や『淮南子』には、名家の学説や逸話が記録されている。

名家は法家と重なる部分も大きい。『鄧析子』は法家に分類されることもある[24]。また、『尹文子』では「名」と「法」の両字が重要な術語として扱われている[37]。清代の章学誠は『校讐通義』で、名家と法家の二家は相通ずると考察している[38][注釈 9]。

荘子・墨子・宋子・荀子 編集

名家は道家の『荘子』と深く関わる。『荘子』は複数の章（主に万物斉同を説く章）で、名家の学説と似た表現を用いている[40]。また、恵施は『荘子』に度々登場し、荘周の友人あるいは好敵手として描かれている。また、恵施の著作は完全に散逸したが、『荘子』天下篇にその学説が記録されているおかげで、恵施の思想は現在に伝わっている。一方で、公孫龍は『荘子』秋水篇において、「井の中の蛙」として嘲笑的に描かれている[41]。しかし他方で、その秋水篇にも登場する道家の魏牟は、『列子』仲尼篇において、公孫龍の学説を弁護している[42]。

名家は墨家の『墨子』とも深く関わる。墨家が「兼愛」「非攻」といった博愛主義・平和主義を説いたのと同様に、恵施や公孫龍もまた「氾愛」「兼愛」「偃兵」といった博愛主義・平和主義を説いたという[43][44][注釈 10]。また、『墨子』墨弁には、名家の術語や学説と似た表現が頻繁に出てくる[45]。

名家は小説家の宋子（宋銒）とも深く関わる。『荘子』天下篇では、尹文は弁者でなく宋銒と同じ学派（宋尹学派）に分類される。その上で、宋子もまた平和主義（「禁攻寝兵」）[5]や黄老思想を説いたとされる。

名家は儒家の『荀子』とも深く関わる。『荀子』は複数の篇で、恵施と鄧析を奇説・邪説を説く者達、あるいは「礼」にそむく者達として非難している[46]。とりわけ『荀子』正名篇では、名家や宋銒の学説を邪説として非難すると同時に、荀子自身の学説を述べている[47]。

その他 編集

名家は縦横家の張儀とも関わる。張儀は恵施と論争して勝った人物とされる[48]。具体的には、張儀が魏に仕えていた時、魏の宰相だった恵施との間で、外交政策をめぐる論争が起こった。張儀が連衡策を背景に斉・楚との開戦論を説いたのに対し、恵施は非戦論（上記の「偃兵」）を説いた。最終的に、張儀の開戦論が多数派の支持を得たため、恵施は魏を去ることになった[48]。その際、恵施は魏の君主に諫言的な発言をしている[49][注釈 11]。

名家は陰陽家の鄒衍とも関わる。鄒衍は公孫龍と論争して勝った人物とされる[50]。具体的には、鄒衍が趙を訪れた時、趙の平原君の食客だった公孫龍との間で論争が起こった。鄒衍は、「弁」という営為の勝ち負けの仕組みを評価しつつも、結局は卑小な営為だとして非難した。同時に、鄒衍自身の「至道」の思想を説いて平原君の寵愛を得た。それにより、公孫龍は趙を去ることになった[注釈 12]。

『孟子』は、名家との関わりは薄いが、孟軻は邪説と闘う手段として「弁」を好んだ人物だと伝えられる[52][20]。とりわけ『孟子』告子上篇では、告子との議論の中で名家や墨弁の学説と似た表現を用いている[53]。このことにちなみ、郭沫若は告子を弁者の傾向がある人物とみなしている[54]。

孔子の子孫の孔穿は、『公孫龍子』跡府篇や『呂氏春秋』『列子』『孔叢子』において、「白馬非馬」などの学説をめぐって公孫龍と討論した人物として描かれる。

思想 編集

概観 編集

名家および上記の『墨子』墨弁、『荀子』正名篇などの「名」の思想は、近代以降「名学」または「名弁」（名辯）と通称される[55][56][57]。また、「論理学」（中国論理学）と呼ばれることもあるが、これは後述の研究史に由来する慣例的な呼称であり、厳密には「論理学」ではない、とする学者もいる[55][58][59]。

とはいえ、少なくとも言語についての思想（言語哲学[3]）ではある。その上で、知識の正しさについての思想（認識論[60]・知識論・真理論[61]）でもあり、あるいは物の有り方・有無・同一性・関係等についての思想（存在論[62]・形而上学）でもある。また、『公孫龍子』堅白論篇や『荀子』『墨子』の学説[注釈 13]から、視覚光学・感覚器官・統覚機能の理論も含むとされる[63][64]。また、『公孫龍子』通変論篇の内容から、五行説とも関わるとされる[65]。また、『公孫龍子』跡府篇で「士」の意味や「殺人者死、傷人者刑」などの賞罰論を説くこと[注釈 14][67]、恵施と公孫龍はどちらも政治上の逸話が伝わること（特に恵施は魏の宰相であること[68][69]）や、上記の平和主義や黄老思想のことから、政治哲学とも無縁ではない。

しかしながら、具体的にどのような思想だったかは、文献の乏しさや難解さなどの理由から、定説が無く、諸説ある[70][71]（#研究史）。

21世紀現代での主流の説をまとめた入門書として、スタンフォード哲学百科事典の記事がある[72]。

術語 編集

名学の術語として、「名」「実（實）」「指」「物」「同」「異」「離」「合」「体（體）」「兼」[注釈 15]「位」「形」「色」「類」「蔵（藏）」「盈」「内・外」[注釈 16]「有厚・無厚（无厚）」「神」「力」「知」「正」「是」「然」「可」「此」「彼」「弁（辯）」などがある[注釈 17]。しかしながら、これら術語の意味についても諸説あり、定訳が無い。例えば「指」は、「指示対象（英語版）」や「指示作用」と訳されることもあれば[75]、「認識」[76]、「ゆび」[注釈 18]と訳されることもある。

学説 編集

名学の学説としては以下が伝わる。ただし、大抵の学説は箴言的な結論が伝わるのみで、論拠が伝わらない（もしくは論拠が伝わっていても、その論拠が難解である）ため、学説の意味についても諸説ある。

  • 『公孫龍子』の学説。例: 白馬論篇の「白馬非馬」、堅白論篇の「堅白石」「目以火見」、指物論篇の「指非指」
  • 『尹文子』の学説。例: 「好牛・好馬・好人」
  • 『鄧析子』の学説。例: 「天於人無厚也」
  • 『荘子』天下篇で名家に帰される学説
    • 恵施に帰される10の学説。総称「歴物十事」[78]または「歴物」[79]「歴物十条」[80]。例: 「至大無外・至小無内」「大同異・小同異」「今日適越而昔来」「氾愛万物、天地一体也」
    • 名家全般に帰される21の学説。総称「弁者二十一事」[81]または「弁者二十一条」[78][82]。例: 「火不熱」「鶏三足」「犬可以為羊」「亀長於蛇」「黄馬驪牛三」「鏃矢之疾而有不行不止之時」
  • 上記以外の文献で名家に帰される学説。例: 『荀子』不苟篇の「鉤有須」、『列子』仲尼篇の「髪引千鈞」[注釈 19]、『説苑』善説篇の「弾之状」、『韓非子』説林下篇の「恵子曰、置猿於柙中、則与豚同」（伯楽の相馬術説話で引用）[注釈 20]
  • 『墨子』墨弁に出てくる学説。誰に帰されるのか判然としない。例: 経説下篇の「木与夜孰長」、小取篇の「愛弟非愛美人」「乗車非乗木」
  • 『荀子』正名篇で引用される学説。誰に帰されるのか判然としない。例: 「非而謁楹有牛馬非馬也」[注釈 21]

複数の文献に出てくる学説もある。

  • 文献間で同じ学説。例: 『荀子』正名篇と『墨子』小取篇の「殺盗非殺人」[注釈 22]、弁者二十一条と『荀子』不苟篇の「卵有毛」
  • 文献間で一部が異なる学説。例: 弁者二十一条の「孤駒未嘗有母」と『列子』仲尼篇の「孤犢未嘗有母」、『呂氏春秋』淫辞篇の「藏三牙」と『孔叢子』公孫龍篇の「臧三耳」[注釈 23]
  • 文献間で対立する学説。例: 「白馬非馬」と墨弁の「白馬馬也、乗白馬乗馬也」、弁者二十一事の「狗非犬」と墨弁の「狗犬也、而殺狗非殺犬也、可」[88]

そのほか、様々な文献で「堅白」「堅白同異」「堅白同異之辯」「離堅白・合同異」[注釈 24]というフレーズが、公孫龍または名家・墨家の学説の代名詞として言及される[91]。そして実際に、「堅・白」の両字は、『公孫龍子』堅白論篇や墨弁において頻繁に論じられる[92]。ただし、名学と直接関係ない文脈で「堅・白」が論じられる例もある[93]（『論語』陽貨篇の「仏肸召」章、『韓非子』外儲説右上篇の「夫痤疽之痛也」章、『呂氏春秋』別類篇の相剣術説話[注釈 25]）。

『荀子』は複数の篇で、名家の学説や「堅白同異」を邪説として引用している。とりわけ正名篇では、上記の「殺盗非殺人」「非而謁楹有牛馬非馬也」や、宋尹学派の「見侮不辱」などの学説を、「名・実」の観点から三パターン（三惑）に分類して論駁すると同時に、荀子自身の学説（「約定俗成」「大共名・大別名」など）を述べている[47]。なお、「見侮不辱」は正論篇でも論駁される。

『荘子』は複数の篇で、名家の学説と似た表現を用いている[40]。具体的には、斉物論篇の「南郭子綦」章において「指之非指」「馬之非馬」「天地一指也、万物一馬也」「堅白之昧」、養生主篇の「庖丁」章において「刀刃者无厚」、天道篇の「士成綺」章において「呼我牛也而謂之牛」（通称「呼牛呼馬」）、秋水篇の「秋水」章において「至精無形、至大不可囲」、則陽篇の「丘里之言」章において「合異以為同、散同以為異」「指馬之百体而不得馬」といった表現を用いている[40][95]。

『孟子』告子上篇では、名学と直接関係ない文脈で「白馬之白」や「吾弟則愛之、秦人之弟則不愛也」といった表現を用いている。

研究史 編集

研究史に関しては、加地 2012, 坂出 1994, 曹 2017, チャン 2010, 鄭 2010, 梅 2007, Mou 2007などが詳しい。

前近代 編集

約2000年間にわたり、名家の存在はほぼ忘れられていた[55]。名家の諸学説も、意味不明な奇説・邪説として受容されていた[96][97][98]。例外として、魏晋の清談・玄学の時代には、名家の諸学説に対する関心も高まったが、その場合も基本的には難解な学説として受容されていた（『世説新語』文学篇）[99][100]。

『公孫龍子』は『道蔵』などに収録されて辛うじて散逸を免れたものの[注釈 26]、注釈書が作られることは後述の明清代までほぼ無かった[注釈 27]。『墨子』墨弁の場合もおおよそ同様だった[102]。西晋の魯勝は、墨弁の注釈書を著したが、叙文だけ残して散逸してしまった[103]。

一方、『荘子』は多くの注釈書が作られたが、注釈者の大半は、天下篇の名家学説を詳細に注釈する価値が無い箇所とみなしていた[104]。例えば、西晋の郭象（『荘子』注釈者の筆頭）は、天下篇の名家学説に対して「存而不論」（注釈書から削除はしないが注釈を施さない）という冷淡な態度をとっていた[105][注釈 28]。まれに天下篇の名家学説に注釈が施されることは有っても[注釈 29]、名家自体の体系的な研究に繋がることは無かった。斉物論篇の「指之非指」なども、名家と関連付けずに解釈されることが多かった[注釈 30]。

名家や墨弁の体系的な研究が始まったのは、明清代、特に清代末期の光緒年間頃（1870年代から1900年代）の、兪樾・孫詒譲、およびその次代の章炳麟・王国維らによる、清朝考証学の手法を踏まえた諸子学においてであった。しかしながら、ちょうど時を同じくして、明治期の日本から近代的な「中国哲学」の研究手法（次節参照）が流入し始めていた。章炳麟以降の諸子学もその流れに飲み込まれた[111]。そのため結局、秦代から清代まで、伝統的な手法で名学が研究される機会はほとんど無かった。

19世紀末から 編集

論理学 編集

19世紀末、明治期の日本で生まれた「中国哲学」という研究分野[112][113]は、その名の通り中国に「哲学」を、すなわち中国に西洋哲学と似たものを探す分野として始まった[114][115][116][117]。そのため、日本では1880年頃から[注釈 31]、名家や墨弁の思想が「中国における論理学」とみなされるようになった。それに伴い、前近代までと一転して盛んに研究されるようになった[55]。

「論理学」説をとった学者の代表例として、1898年以降の桑木厳翼がいる[注釈 32][123][111][124]。桑木の説は、上記の清末の章炳麟や王国維にも受容された[111][125]。民国初期（1910年代）以降は、胡適[126][127][注釈 33]・梁啓超[127]・郭湛波（中国語版）[129]らが、20世紀中期以降は譚戒甫（中国語版）[127][130]・陳大斉（中国語版）[131]・末木剛博[132]らが、「論理学」説を掘り下げた。

「論理学」説とは、大まかに要約すれば、西洋に無矛盾律や三段論法のような西洋論理学があり、インドに三支作法のような因明・インド論理学があるならば、中国にも同様の論理学が普遍的にあるべきだ、という前提のもと[133]、名家や墨弁の中から論理学として読める箇所を探し出し、『公孫龍子』白馬論篇などを推論（または論証）をしている篇として解釈する説である。

しかしながら、「論理学」説をとった場合、体系的な論理学として読める箇所は墨弁の一部にしか無く[注釈 34]、白馬論篇などは非体系的で奇怪な推論をしていることになってしまう[135]。そして何より、秦代以降はそれらの論理学が絶学になったということになる。そのような解釈結果から、「中国人は論理学の発明に失敗した」「胚胎・萌芽はあったが挫折した」「中国に論理学の伝統は無い」という見解が明治期から形成された[119]。これらの見解は、中国仏教とインド仏教との対照性（主に因明の不振と禅仏教の言語観）や、中国語と印欧語との対照性（文法上の時制や数・格が無い）などの見解と合わさって、「中国哲学は論理的ではない」「中国人は論理的・抽象的思惟において劣っている」（代わりに現実的思惟に優れている）というステレオタイプの形成に繋がった。以上の見解・ステレオタイプをまとめた書物として、比較思想研究の大家、中村元の1948年の著書『東洋人の思惟方法』がある[136][注釈 35]。同書は1960年に英訳され、国際的に読まれた。同書への批判も兼ねて名学を研究する学者も多い[138][139][140]。

詭弁・パラドックス 編集

「論理学」説と重なる部分が大きい説として、「詭弁」説または「パラドックス」説がある[注釈 36]。すなわち、名家の学説は「詭弁」（英: sophism）[119]あるいは「パラドックス」、すなわち論理的誤謬を活用した推論である、あるいは推論によって得られる結論が奇怪なだけで推論の筋は通っている、などと説明される。そのような詭弁説・パラドックス説は、古代ギリシアの「ソフィスト」「ソクラテス以前の哲学者」「小ソクラテス学派」などと名家を積極的に類似視する説でもある。具体的には、プラトン対話篇『ソピステス』『エウテュデモス』やアリストテレス『ソフィスト的論駁について』などに由来するソフィスト像やエリスティケー・レートリケーの文化[142]、あるいは「飛んでいる矢は止まっている」に代表されるゼノンのパラドックス[注釈 37]、エウブリデスのパラドックス[144]、付帯性[145]・相対主義・無限論・原子論・一元論・運動と変化・語義の曖昧さ（多義性）などの思想と類似視される。

詭弁説・パラドックス説をとった学者として、上記の桑木厳翼[123]や、同時期の遠藤隆吉[123][146]、中内義一[123]、アルフレッド・フォルケ（ドイツ語版）[147][148][149][注釈 38]らがいる。このうちフォルケの説は狩野直喜に採用されている[148][151]。フォルケは特に「白馬非馬」について、アンティステネスあるいはソフィスト全般に帰される「教養あるコリスコス」と「コリスコス」の区別という学説[152]や、同語反復以外の命題はすべて誤りという学説[152][注釈 39]を持ち出して、これらと同じ主旨の学説だと解釈している[148]。

詭弁説の大半は同時に、上記の前近代の受容史や『荀子』に由来する名家のイメージ、すなわち奇説・邪説を説いたというイメージを踏襲する説でもある[123]。また、『荀子』正名篇は名家の詭弁を批判して「正しい論理学」を打ち立てようとした篇である、とする説でもある[123]。桑木の論理学説は、そのような詭弁説の要素も持っていた[123]。

一方で、胡適は詭弁説をとらず、「卵有毛」は生物進化論に通じる科学的な学説である、などと解釈していた[128]。

なお、プラトン対話篇では上記の他にも、「正名」や「約定俗成」と紐つけて『クラテュロス』と類似視されることもある[154][155]。

20世紀中期から 編集

概念実在論 編集

20世紀中期以降、以上の論理学説（または詭弁説・パラドックス説）を踏襲しつつ拡張または改訂して、いくつかの新説が提唱されるようになった。

そのような新説の筆頭として、1930年代の馮友蘭による「概念実在論」説がある[156][157]。ここでいう「概念実在論」は、「実念論」「普遍論争における実在論」「普遍者実在論」「プラトンのイデア論」などとも言い換えられる。この説によれば、「白馬非馬」というときの「馬」という字は、日常的な意味での horse を指すのではなく、horseness や universal of horseness（馬概念・馬性・馬の普遍者・馬のイデア）などと翻訳されるべき抽象的な概念を指す字であり、諸子はそのような概念の有り方や有無について論じているのだとされる[158]。

馮友蘭の概念実在論説に近い説として、成中英（中国語版）・馮耀明らの説がある[158][注釈 40]。日本においても、加地伸行[160]・浅野裕一[161]らの説がある。ただし、左に挙げた学者間でも細部の解釈は異なる[158][162]。例えば、馮友蘭や浅野裕一は公孫龍を実念論者だとしているが[157][161][16]、加地伸行は公孫龍を実念論に反対した唯名論者だとしている[160][16]。

加地伸行はまた、上記の経学（名物訓詁の学）などの通史的伝統との接続を試みて、中国には普遍論争に似た「名実論争」の伝統があった、とする精神史的な仮説を提唱している[163][16][注釈 41]。この加地の説は後述の「意味」説の要素も持つ。

メレオロジー 編集

馮友蘭の概念実在論説を否定する形で提唱されたのが、「メレオロジー」説である[158][62]。すなわち、諸子の思想は概念の実在についてではなく、「部分と全体の関係」（part-whole relation）についての思想なのだとされる[166][167]。メレオロジー説は、1970年代以降のチャド・ハンセン（Chad Hansen, 陳漢生）とA.C.グレアムの二人に帰され、アンヌ・チャン[168]やスタンフォード哲学百科事典[72]に参照されている。

メレオロジー説は、西洋思想との類似性よりも、古典中国語（古代漢語）の語彙の用例に論拠を置く。すなわち、術語の「体」と「兼」は、古典中国語において「部分」と「全体」という意味で広く用いられており、そのことを主な論拠としている[169][167]。したがって、この説を採用すれば、普遍論争のような西洋哲学史の枠組みを持ち出す必要がない。仮に普遍論争を持ち出すとしても、諸子は全員唯名論者とみなされる[170][167]。その上で、「白馬非馬」を含む難解な文の多くに、整合的な解釈を与えることができる[171]。

ハンセンはメレオロジー説を主張するにあたって、分析哲学のトピックや方法論を積極的に援用したことでも知られる[171][注釈 42][注釈 43]。

意味・自然言語の問題 編集

概念実在論説とメレオロジー説の対立と併行して、別の切り口から論理学説を改訂する新説も提唱された。とりわけ多いのが、体系的な論理学でも抽象的な哲学でもなく、日常的な言語活動特有の問題についての思想とする説である[178]。こちらの説を採った場合も、諸子は全員唯名論者とみなされる[170]。

例えば、言葉の「意味（英語版）」とは何か、という問題についての思想とする説がある。すなわち、広義の意味論[179]（意味の理論）、ソシュールの記号論[180][181]、フレーゲの意義と意味[181]、オグデンとリチャーズ『意味の意味（英語版）』の意味の三角形（英語版）[182]などに近い思想とされる。言い換えれば、「白馬」や「馬」という言葉の意味、言葉の指示対象（英語版）、言葉と物（世界にある物）との対応関係、言葉同士の異同の関係などについての思想とされる[183][178]。上記の加地伸行の説は、こちらの説の要素も部分的に持つ[179]。

また例えば、自然言語としての古典中国語特有の言い回しや曖昧さ（多義性）等に根ざした論証とする説[184]や、論証ではなく文脈や意図ありきの発話行為のようなものとする説[185]、使用と言及の区別のようなものとする説[186][187]などがある。

藤堂明保は漢字学の立場から、「堅白石」は上古音の多義性ありきの思想とする説を提唱している[188][189]。

その他 編集

20世紀の名学研究は以上に挙げた以外にも、王琯（中国語版）・郭沫若[190]・高亨（中国語版）・胡道静（中国語版）・沈有鼎（中国語版）[191]・銭穆[192]・牟宗三[131]・龐朴（中国語版）・楊寛[193]・ニーダム[194]・赤塚忠[195]・池田知久[196]・宇野精一[197]・大浜晧[198][199]・高田淳[200][199]・武内義雄[201][199]・津田左右吉[202][199]・宮崎市定[203][204]らの研究がある。

20世紀には、ヘーゲルまたはマルクス主義の枠組みによって名学を解釈する研究も多かった。すなわち、「弁証法論理学」「唯心論と唯物論」などの図式に当て嵌めて解釈する研究も多かった[205]。21世紀現代では、そのような解釈は中国内外で退潮している[206][207]。

20世紀末から 編集

1980年代頃からは、ここまでに述べた諸説が入り乱れた状態が続いており、特に進展は無い[注釈 44]。ただし、名家の外堀を埋めるような研究が進展している。具体的には、新出文献の発見をきっかけとする、黄老思想や生成論の「名」の研究[10]（既述）や、諸子研究の方法論（methodology）の問題をめぐる議論[208][209][210]が進展している。

方法論の問題とは、例えば、諸子を西洋哲学の枠組みに当て嵌めて解釈して良いのかという問題[208][211][212]、古典中国語をどのように翻訳するべきかという問題[213][210]（例えば「有」「非」などの字と英語・印欧語のbe動詞・存在動詞との対応関係の問題[214]）、文献解釈におけるプリンシプル・オブ・チャリティーの問題[210][215]、Q.スキナーやポーコックら西洋思想史学のケンブリッジ学派の議論を踏まえた中国思想史の叙述方法の問題[216][217][218]などである。そのほか、上記のステレオタイプの一因になった、中国語と印欧語の対照性の通念をめぐる議論も進展している[219][187]。

関連項目 編集

主な参考文献 編集

日本語 編集

日本語以外・翻訳 編集

「#外部リンク」も参照

外部リンク 編集

脚注 編集

[脚注の使い方]

注釈 編集

  1. ^ 『老子』の「無名天地之始、有名万物之母」など。
  2. ^ 『老子』『荘子』『荀子』『尹文子』などでは名誉・名声も論題になっている[14]。
  3. ^ 例えば後述するように、加地伸行は名学と経学の接続を試みている[15][16]。
  4. ^ 例えば後述の胡適は、孔子の「正名」を論理学的な営為として解釈している。この胡適の「正名」解釈は、21世紀現代では批判の対象になっている[17][18]。
  5. ^ 『太平御覧』巻385等に引用される逸書『魯仲連子』[27][21]。
  6. ^ 『史記集解』平原君虞卿列伝に引用される逸書『別録』等[28][29]。
  7. ^ 『旧唐書』経籍志と『新唐書』芸文志では、類語辞典の『兼名苑』なども名家に加えられる。明の『千頃堂書目（中国語版）』以降、名家は墨家・縦横家とともに雑家にまとめられた[32]。
  8. ^ ただし、浅野裕一は『公孫龍子』通変論篇の解釈において、直接の根拠でない傍証として馬王堆帛書『伊尹九主』を引いている[35]。
  9. ^ 『校讐通義』では、儒家の『爾雅』や正名思想、柳宗元も名家と結びつけられている[39]。
  10. ^ 「偃兵」は、名家の術語というわけではなく、「非戦」「休戦」を意味する一般的な語である[5]。
  11. ^ 出典: 『韓非子』内儲説上篇、『戦国策』魏策一
  12. ^ 出典: 『史記』孟子荀卿列伝、平原君虞卿列伝。および『史記集解』平原君虞卿列伝に引用される逸書『別録』[51][50]
  13. ^ 『公孫龍子』堅白論篇の「目以火見」「神」、『荀子』天論篇や正名篇の「天官」、『墨子』墨弁の「目以火見」「五路」など
  14. ^ 「殺人者死、傷人者刑」は、名家と直接関係ない文脈で『荀子』や『呂氏春秋』去私篇（墨者の法）にも登場し、漢代の文献や「法三章」にも似た記述が登場する[66]。
  15. ^ 「兼」は、名学とは別に、『墨子』の兼愛思想や『荀子』の国家論でも術語として用いられている。そちらの用法の意味についても諸説ある[73]。
  16. ^ 「内・外」は、名学とは別に、いわゆる「仁内義外説」、すなわち『孟子』告子上篇や郭店楚簡『六徳』『語叢一』などの思想でも術語として用いられている。そちらの用法の意味についても諸説ある[74]。
  17. ^ その他、後述の論理学説を採る場合は、墨弁冒頭の「故」「大故」「小故」なども重要な術語とみなされる。
  18. ^ その場合、「指非指」や「指之非指」という学説は、親指や人差し指と五本指全体の関係についての学説と解釈される[76][77]。なお、『孟子』告子上篇に出てくる「無名之指」は、大抵の訳注で「薬指」と解釈される。
  19. ^ 墨弁や『列子』湯問篇に似た表現が出てくる[83]。
  20. ^ 金谷治の『韓非子』訳注によれば、訳は「猿もおりの中にいれられたのでは、豚と同じだ[84]」で、「適材適所」のような意味の学説として引用されている。なお、この学説とほぼ同じ文が『淮南子』俶真訓にあるが、「恵子曰」が付かない。意味は上記の『韓非子』と同じ[85]。
  21. ^ 『荀子』楊倞注は、「非而謁楹有牛」「馬非馬也」で切って、前者は意味不明、後者は「白馬非馬」と同旨とする[86]。荻生徂徠は楊倞注に従いつつ、「楹有牛」を『荀子』不苟篇の「丁子有尾」「鉤有須」と紐つける[86]。一方で、孫詒譲は楊倞注と異なり、「有牛馬非馬」で切って墨弁の「牛馬非牛」と紐付ける[86]。
  22. ^ 「盗人を殺すことは人を殺すことではない」
  23. ^ 後者に従って前者の「牙」を「耳」に改める場合もある[87]。
  24. ^ 馮友蘭は、公孫龍を「離堅白学派」、恵施を「合同異学派」とする学派分類を提唱したが[89]、この学派分類を否定する学者もいる[90]。
  25. ^ 相剣術とは、中国剣の鑑定術のことで、上記の相馬術とともに「術数学」の下位分野にあたる[94]。
  26. ^ 『公孫龍子』の文献問題については加地 2012や浅野 2003が詳しい。
  27. ^ 現存最古の『公孫龍子』注として、北宋の謝希深の注が現存しているが、『四庫提要』や狩野直喜に酷評されており[101]、積極的に参照する学者も少ない。
  28. ^ 郭象『荘子』注の同箇所などによれば、郭象が生きた時代には、名家学説と同様の「名理」をめぐる議論（「辯名析理」）が盛んになっていた[106][105]。郭象はそのような議論に対して、距離を置く態度をとっていた[105]。なお「名理」は、『三国志』魏書鍾会伝、同荀彧伝注、王弼『老子指略』など、才性四本論や玄学にまつわる同時代の文献にも見られる[107]。
  29. ^ 例えば成玄英疏や、『経典釈文』所引の司馬彪注では注釈を施している[108]。また日本では、江戸時代後期の中井履軒が『荘子雕題』で注釈を施している[109]。
  30. ^ 例外として、北宋の陳景元（中国語版）は、『南華真経章句音義』の中で、斉物論篇と名家の関連性を指摘して、同書の付録『南華真経余事雑録』に『公孫龍子』を抄録している[110]。
  31. ^ 詳細な経緯は坂出 1994が詳しい[118]。坂出によれば、明治10年代から20年代には、鈴木唯一・西周・千頭清臣・松本文三郎・蟹江義丸・内田周平といった、主に西洋哲学畑の学者たちによって、論理学・詭弁・パラドックスと名学が類似視された[119]。これに対し、同時期の中国哲学畑の学者たち（藤田豊八・服部宇之吉ら）は、名学に対して「解釈不可能」という立場を取っていた[120]。しかし明治30年代の桑木厳翼（後述）を転換点として、中国哲学畑の学者たち（服部宇之吉・高瀬武次郎・西脇玉峰・牧野謙次郎・小柳司気太ら）もそのような類似視を容認するようになった[121]。
  32. ^ 1898年（明治31年）の「荀子の論理説」、および1900年（明治33年）の「支那古代論理思想発達の概説」[122] NDLJP:1037868/167
  33. ^ 1917年のコロンビア大学博士論文The Development of the Logical Method in Ancient China （漢題『先秦名学史』）と、1919年の『中国哲学史大綱』[128]。
  34. ^ 「墨弁にしか体系的な論理学が無い」という事態は、民国初期に「墨子インド人説」が提唱される一因になった[134]。
  35. ^ 同書とは別に、中村元自身による名学解釈もある。とりわけ、術語の「同・異」について、唐代の『勝宗十句義論』（ヴァイシェーシカ学派の思想を漢訳した書物）でも術語として用いられていることを指摘している。中村は、両字を「普遍・特殊」と翻訳した上で、後述の馮友蘭の説などを踏まえて、『勝宗十句義論』は名学の延長線上にあるとしている[137]。
  36. ^ 鄭 2010の場合は、日本の先行諸説を、1「名家=詭弁家≠論理学派」 2「名家≒詭弁家≒論理学派」 3「名家=論理学派≠詭弁家」の3パターンに大別している[141]。
  37. ^ ゼノンのパラドックスと類似視する例は、1893年の千頭清臣『論理学』の頃からあり[143]、とくに弁者二十一条の「飛鳥之景未嘗動也」「鏃矢之疾而有不行不止之時」が類似視される。
  38. ^ 宇野精一はフォルケについて、西洋哲学の学識がある中国学者の代表例として、フランケと並べて言及している[150]。
  39. ^ これと似た学説はスティルポンにも帰される[153]。
  40. ^ 胡適・胡秋原（中国語版）・小柳司気太らも、概念実在論説に近い説をそれぞれ簡潔に述べている[159]。
  41. ^ ただし、この加地の仮説に対しては、牽強付会であるとする批判もある[164][165]。
  42. ^ とりわけ、「ガヴァガイ」で知られるクワインの翻訳の不確定性テーゼ（英語版）や、同テーゼに由来する「質量名詞仮説」（mass noun hypothesis）を援用したことで知られる[171][158]。この援用は、概念実在論説をとらずにメレオロジー説をとる論拠の一つ、という主旨でされた援用だが、そのような主旨とは別の点から批判を招くことになった。すなわち、英語帝国主義・西洋中心主義・オリエンタリズム等に陥っているとする批判、あるいは強い言語決定論（極端なサピア＝ウォーフの仮説）を説いているとする批判、などの批判がハンセンに寄せられた[172][173][174]。ハンセンはそのような批判に応答し、それらのトピックは重要なトピックだとしつつも、批判としては論旨を取り違えた不当な批判だとしている[172]。ただしハンセンは、そのような批判のうち、クリストフ・ハーブズマイアー（C. Harbsmeier, 何莫邪）からの批判（言語科学的観点からの批判[175][171]）に対してはある程度意義を認めており、それ以降は質量名詞仮説を往年ほど積極的に主張していない[176]。
  43. ^ 分析哲学を援用すること自体は、馮耀明ら他の学者もしている[177]。
  44. ^ 加地 2012によれば、1983年以降、「日本において中国論理学史に関する研究にはほとんど見るべきものがなかった。[60]」 また鄭 2010によれば、1990年代以降の日本には、論文はいくつかあるが、専門とする学者は基本的にいない[16]。

出典 編集

  1. ^ 湯浅邦弘編『概説 中国思想史』ミネルヴァ書房、2010年、ISBN 9784623058204。22頁
  2. ^ a b 関口 1993, p. 73.
  3. ^ a b 浅野 2003.
  4. ^ 池田 2014, 天下篇.
  5. ^ a b c 高田 1962a, p. 88.
  6. ^ 『史記』太史公自序の中の司馬談「論六家要旨」。  中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります：論六家要旨
  7. ^ 関口 1993.
  8. ^ 関口 1993, p. 70.
  9. ^ 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)・加地伸行『名家』 - コトバンク
  10. ^ a b c d 曹峰『近年出土黄老思想文獻研究』2014号、中国社会科学出版社〈国家哲学社会科学成果文库〉、2015年。ISBN 9787516157084。 NCID BB19016186。 
  11. ^ 王中江 著、吉田薫 訳『簡帛文献からみる初期道家思想の新展開』東京堂出版、2018年。ISBN 9784490209891。 （第三章「『恒先』の宇宙観、ならびに人間社会観の構造」）
  12. ^ 芳賀良信「『経法』の形名思想における思惟形式」『礼と法の間隙―前漢政治思想研究』汲古書院、2000年、218-221頁。ISBN 9784762997334。 
  13. ^ 森 2005, p. 35.
  14. ^ 森 2005, p. 40ff;72f.
  15. ^ 加地 2012, p. 337.
  16. ^ a b c d e 鄭 2010, p. 177.
  17. ^ 曹 2017, p. 100f.
  18. ^ Defoort, Carine (2021). “Confucius and the “Rectification of Names”: Hu Shi and the Modern Discourse on Zhengming”. Dao: A Journal of Comparative Philosophy 20 (4). https://www.academia.edu/87546272/Confucius_and_the_Rectification_of_Names_Hu_Shi_and_the_Modern_Discourse_on_Zhengming. 
  19. ^ 大田加代子「『史記』における「辯」と「滑稽」（上）」『名古屋大學中國語學文學論集』第5号、名古屋大學中國語學文學會、1992年。 NAID 120006220220。https://doi.org/10.18999/joucll.5.(1)。 
  20. ^ a b 関口 1993, p. 72.
  21. ^ a b c 赤塚 2002, p. 496-497.
  22. ^ “漢書卷29-30 第90頁 (圖書館) - 中國哲學書電子化計劃” (中国語). ctext.org. 2021年2月13日閲覧。 - 中国哲学書電子化計画
  23. ^ a b “雜家”. 中国哲学書電子化計画. 2021年2月13日閲覧。
  24. ^ a b 狩野 1953, p. 245.
  25. ^ 高田 1962a, p. 84.
  26. ^ 金谷治訳注 『韓非子』第3冊、岩波文庫、1994年、27頁。
  27. ^   中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります：魯仲連子
  28. ^ “史記集解卷七十四~卷七十九 第48頁 (圖書館) - 中國哲學書電子化計劃” (中国語). ctext.org. 2021年2月13日閲覧。
  29. ^ 関口 1993, p. 82.
  30. ^ 関口 1993, p. 79.
  31. ^ 高田 1967, p. 231.
  32. ^ 金文京「中国目録学史上における子部の意義 : 六朝期目録の再検討」『斯道文庫論集』第33号、慶應義塾大学附属研究所斯道文庫、1998年。https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00106199-00000033-0171。 202頁。
  33. ^ 余嘉錫 著、古勝隆一・嘉瀬達男・内山直樹 訳『古書通例』平凡社東洋文庫、2008年、174頁。ISBN 978-4582807752。 
  34. ^ 西山尚志「諸子百家はどう展開したか」『地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国』中国出土資料学会、東方書店、2014年。ISBN 978-4497214119
  35. ^ 浅野 2003, p. 141.
  36. ^ 曹 2017, 3章 両種名家.
  37. ^ 曹峰「「名」と「法」の接點」『人文科学』第13号、大東文化大学、2008年3月、17-35頁、ISSN 18830250、NAID 110007125417。 
  38. ^ 文教大学目録学研究会「章学誠『校讎通義』訳注（七）巻三「漢志諸子第十四」（中）」『文学部紀要』第29巻第2号、文教大学、2016年3月、108-80頁、CRID 1050282814031300352、ISSN 0914-5729、NAID 120006533762。 
  39. ^ 高田 1967, p. 231;234.
  40. ^ a b c 馮 1995, p. 281-298.
  41. ^ 池田 2014, 秋水篇 第四章 東海の大きな楽しみと井の中の蛙.
  42. ^ 高田 1962, p. 82.
  43. ^ 『荘子』天下篇、『呂氏春秋』審応覧審応篇など
  44. ^ 宇野 1987, p. 54.
  45. ^ 高田 1964.
  46. ^ 『荀子』不苟篇・非十二子篇・儒效篇・解蔽篇
  47. ^ a b 中島 1990.
  48. ^ a b 浅野 1976, p. 29.
  49. ^ 金谷治訳注 『韓非子』第2冊、岩波文庫、1994年、250-251頁。
  50. ^ a b 関口 1993, p. 75-76;82.
  51. ^ “史記集解卷七十四〜卷七十九 第48頁 (圖書館) - 中國哲學書電子化計劃” (中国語). ctext.org. 2021年2月13日閲覧。
  52. ^ 野間文史「春秋三伝入門講座 第二章 春秋学の発生」『東洋古典學研究』第1巻、東洋古典學研究會、1996年5月、99頁、CRID 1050859215940385408、ISSN 13469428、NAID 120001009580。 
  53. ^ 加地 2013, p. 76.
  54. ^ 郭 1957, p. 76.
  55. ^ a b c d 関口 1993, p. 65.
  56. ^ 加地 2012, 第一部一章二 胡適の『先秦名学史』.
  57. ^ 郭 1957, 名辯思潮的批判.
  58. ^ 加地 2012, p. 16;385.
  59. ^ 高田 1962a, p. 69.
  60. ^ a b 加地 2012, p. 453.
  61. ^ Harbsmeier 1989, p. 125.
  62. ^ a b Hansen 1992, p. 48.
  63. ^ 高田 1964, p. 19f.
  64. ^ 狩野 1953, p. 251.
  65. ^ 高田 1962, p. 79.
  66. ^ 小倉芳彦「「殺人者死、傷人者刑」 について」『学習院史学』第1号、学習院大学史学会、1965年1月、45-56頁、CRID 1050564288171392128、hdl:10959/897、ISSN 02861658、NAID 110007562695。 
  67. ^ 宇野 1987, p. 55.
  68. ^ 浅野 1976.
  69. ^ 高田 1962b, p. 102f.
  70. ^ チャン 2010, p. 132.
  71. ^ 関口 1993, p. 75;81.
  72. ^ a b Fraser, Chris (2020), Zalta, Edward N., ed., School of Names (Winter 2020 ed.), Metaphysics Research Lab, Stanford University, https://plato.stanford.edu/archives/win2020/entries/school-names/ 2023年6月24日閲覧。 
  73. ^ 佐藤将之「第一章 統治天下人民的帝王：《墨子》的「兼」與《荀子》」『荀子禮治思想的淵源與戰國諸子之研究』臺大出版中心、2013年。ISBN 9789860396348。 
  74. ^ 西信康「第六章 『孟子』に見える告子の仁内義外説」『郭店楚簡『五行』と伝世文献』北海道大学出版会、2014年。ISBN 9784832967991。 
  75. ^ 加地 2012, 第二部三章 指物論.
  76. ^ a b 浅野 2003, p. 58（浅野は「ゆび」説を否定して「認識」とする）.
  77. ^ 福永光司『荘子 内篇』講談社〈講談社学術文庫〉、2011年、72頁。ISBN 978-4062920582。 
  78. ^ a b 浅野 1976, p. 16.
  79. ^ 浅野 2004, p. 170.
  80. ^ 天野 1967, p. 77.
  81. ^ 高田 1962a, p. 70.
  82. ^ 天野 1967, p. 81.
  83. ^ 高田 1964, p. 22f.
  84. ^ 金谷治訳注 『韓非子』第2冊、岩波文庫、1994年、146頁。
  85. ^ 楠山春樹『淮南子 上』明治書院〈新釈漢文大系 54〉、1979年8月。ISBN 4-625-57054-9。128頁。
  86. ^ a b c 宇野 1987, p. 67.
  87. ^ 楠山春樹訳著『呂氏春秋』中巻、明治書院〈新編漢文選〉1997年、ISBN 978-4625572029。630頁。
  88. ^ 高田 1964, p. 23.
  89. ^ 馮 1995, p. 315.
  90. ^ 高田 1962a, p. 85.
  91. ^ 検索結果「堅白」 - 中国哲学書電子化計画
  92. ^ 高田 1964, p. 15.
  93. ^ 藤堂 1962, p. 1f.
  94. ^ 大野裕司『戦国秦漢出土術数文献の基礎的研究』北海道大学出版会、2014年、121-125頁。ISBN 978-4832968028。 
  95. ^ 池田 2014, 各篇の注釈.
  96. ^ 加地 2012, p. 14（揚雄『法言』吾子篇「公孫龍詭辞数万」）.
  97. ^ 本田済訳『抱朴子 外篇2』平凡社東洋文庫、1990年、144頁。（『抱朴子』応嘲篇「夫制器者…」）
  98. ^ 加地 2012, p. 122（南宋の陳振孫『直斎書録解題』や、南宋の黄震『黄氏日鈔』読諸子、元末明初の宋濂『宋文憲公全集』巻27諸子辯）.
  99. ^ 高田 1962a, p. 86（『世説新語』文学篇の楽広と客人の会話）.
  100. ^ 高田 1962b, p. 114（『世説新語』文学篇の謝玄と司馬道子の会話）.
  101. ^ 狩野 1953, p. 249.
  102. ^ 久保田 2005, p. 90.
  103. ^ 叙文は『晋書』隠逸伝に引用されて伝わる。   中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります：魯勝墨辯注敘
  104. ^ “金陵叢書(甲集)・莊子翼2 第504頁 (圖書館) - 中國哲學書電子化計劃” (中国語). ctext.org. 2021年2月13日閲覧。
  105. ^ a b c 古勝隆一『中国中古の学術』研文出版、2006年、232-234頁。ISBN 978-4876362622。 
  106. ^ 加地 2012, p. 328.
  107. ^ 許抗生「名理之学」、『中国大百科全書 哲学1』中国大百科全書出版社、1987年。NCID BN12206880。622頁。
  108. ^ 池田 2014.
  109. ^ 湯城吉信「中井履軒の老荘観」『中国研究集刊』第46巻、2008年、51頁、doi:10.18910/61207。 
  110. ^ 加地 2012, p. 127-128.
  111. ^ a b c 梅 2007, p. 65.
  112. ^ チャン 2010, p. xii.
  113. ^ 坂出 1994, p. 21.
  114. ^ 梅 2007, p. 62-65.
  115. ^ 戸川芳郎「漢学シナ学の沿革とその問題点――近代アカデミズムの成立と中国研究の"系譜"（二）」『理想』397号、1966年、14頁。NAID 40003723061
  116. ^ 加地 2012, p. 14.
  117. ^ 中島 2007, p. i;259.
  118. ^ 鄭 2010, p. 175.
  119. ^ a b c 坂出 1994, p. 95-99.
  120. ^ 坂出 1994, p. 96-97;114.
  121. ^ 坂出 1994, p. 111-114.
  122. ^ 坂出 1994, p. 100-110.
  123. ^ a b c d e f g 加地 2012, p. 12-16.
  124. ^ 中島 2022.
  125. ^ 楊冰「王国維の哲学思想の出発点「正名説」における桑木厳翼の『哲学概論』（1900）の影響 : 王国維の『哲学弁惑』（1903）を中心に」『人文学論集』第32巻、大阪府立大学人文学会、2014年。https://doi.org/10.24729/00004353。 
  126. ^ 高坂史朗「Philosophyと東アジアの「哲学」」『人文研究』第55巻第8号、2004年3月、1-17頁、ISSN 0491-3329、NAID 120006003465。 
  127. ^ a b c Fraser 2003, p. xviii.
  128. ^ a b 加地 2012, 第一部一章二「胡適の『先秦名学史』」.
  129. ^ 加地 2012, 第一部一章三 郭湛波『先秦辯学史』.
  130. ^ 薮内清 訳『墨子』平凡社東洋文庫、1996年。ISBN 4-582-80599-X　225頁。
  131. ^ a b 加地 2012, p. 27.
  132. ^ 加地 2012, p. 180.
  133. ^ 加地 2012, p. 325.
  134. ^ 加地伸行「「墨子はインド人である」論争」『中国学の散歩道 独り読む中国学入門』研文出版、2015年（原著1978年）。ISBN 978-4876364015。 
  135. ^ 末永 2004, p. 8.
  136. ^ 中村元『中村元選集 決定版 第2巻 東洋人の思惟方法 2 シナ人の思惟方法』春秋社、1988年（初出1948年）ISBN 978-4393312025。第三節「抽象的思惟の未発達」
  137. ^ 中村元『論理の構造 上』青土社、2001年、245;307頁。ISBN 978-4791758050。 
  138. ^ 加地 2013, p. 28;95.
  139. ^ Graham 2003, p. 66.
  140. ^ Hansen 1976, p. 191.
  141. ^ 鄭 2010, p. 180.
  142. ^ 高田 1967, p. 239.
  143. ^ 坂出 1994, p. 96.
  144. ^ 桑木厳翼「支那古代論理思想発達の概説」1900年、NDLJP:1037868/176
  145. ^ 山口義久「論理と詭弁の間に」『人文学論集』第33巻、2015年。 1;6頁。
  146. ^ 坂出 1994, p. 97.
  147. ^ Forke, Alfred (1901). “The Chinese Sophists”. Journal of the Chinese Branch of Royal Asiatic Society (XXXIV).  / Forke, Alfred (1927). Geschichte Der Alten Chinesischen Philosophie. Hamburg: L. Friederichsen and Co. 
  148. ^ a b c 狩野 1953, p. 247.
  149. ^ 大浜 1959, 第一部第二章 名家の論理.
  150. ^ 宇野 1987, p. 4;16.
  151. ^ 加地 2012, p. 176.
  152. ^ a b 『形而上学』1024b;1026b, 『ソピステス』251b（「教養あるコリスコス」という日本語訳は出隆訳『形而上学』岩波文庫による。）
  153. ^ プルタルコス著、戸塚七郎訳「コロテス論駁」『モラリア 14』京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉1997年。ISBN 9784876981014 120-125頁（訳者注釈）
  154. ^ Bunnin, Nicholas (2009). “The Theory of Names in Plato's Cratylus” (英語). Journal of Chinese Philosophy 36 (4): 531–540. doi:10.1111/j.1540-6253.2009.01539.x. ISSN 1540-6253. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1540-6253.2009.01539.x. 
  155. ^ 大島正二『「辞書」の発明 中国言語学史入門』三省堂、1997年、37頁。 
  156. ^ Mou 2007, p. 466 ("Platonic-realistic interpretation").
  157. ^ a b 馮 1995, p. 301f.
  158. ^ a b c d e Mou 2007, p. 466.
  159. ^ 加地 2012, p. 272.
  160. ^ a b 加地 2013, p. 78.
  161. ^ a b 浅野 2004, p. 193.
  162. ^ 浅野裕一「〈書評〉加地伸行著『中国論理学史研究―経学の基礎的探求―』」『集刊東洋学』第51巻、中国文史哲研究会、1984年5月、123-133頁、CRID 1050570939473962880、hdl:10097/00132347、ISSN 0495-9930。 
  163. ^ 加地 2012, p. 7f;298;337.
  164. ^ 曹 2017, p. 119-122.
  165. ^ 中島 1990, p. 26.
  166. ^ チャン 2010, p. 138-139.
  167. ^ a b c Graham 1989, p. 83.
  168. ^ チャン 2010, p. 132-133（ただし、完全な支持ではなく一部批判を与えている）.
  169. ^ Hansen 1976, p. 195.
  170. ^ a b チャン 2010, p. 134;137.
  171. ^ a b c d チャン 2010, p. 133.
  172. ^ a b Hansen, Chad (1985-10). “Response to Bao Zhiming”. Philosophy East and West 35 (4): 419. doi:10.2307/1398540. https://www.jstor.org/stable/1398540?origin=crossref. 
  173. ^ 中島隆博『『荘子』鶏となって時を告げよ』岩波書店〈書物誕生 あたらしい古典入門〉、2009年、101f頁。ISBN 978-4000282925。 
  174. ^ チャン 2010, p. 641（訳者解説）.
  175. ^ Harbsmeier 1990, p. 155.
  176. ^ Hansen, Chad (2011), “Remembering Mass: Response to YANG Xiaomei”, Dao: A Journal of Comparative Philosophy (Springer) (10-4): 541-546, doi:10.1007/s11712-011-9237-y, https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11712-011-9237-y 
  177. ^ Fung 2020.
  178. ^ a b チャン 2010, p. 134-136.
  179. ^ a b 加地 2012, p. 117;299.
  180. ^ 加地 2012, p. 194.
  181. ^ a b 中島 1990, p. 39-40.
  182. ^ 加地 2012, p. 166.
  183. ^ Harbsmeier 1990, p. 128.
  184. ^ 近藤 2009.
  185. ^ 末永 2004, p. 11.
  186. ^ Thompson, Kirill Ole (1995-10). “When a "White Horse" Is Not a "Horse"”. Philosophy East and West 45 (4): 481. doi:10.2307/1399790. https://www.jstor.org/stable/1399790?origin=crossref. 
  187. ^ a b Huang, Qiao (2020-09). “《公孫龍子: 重釋與重譯》 (Gongsun Long Zi: Chongshi yu Chongyi). By 劉利民 (LiuLimin). (Chengdu: Sichuan Daxue Chubanshe, 2015. xviii+ii, Pp. 298. Paperback. ISBN 978‐7‐5614‐9146‐1)” (英語). Journal of Chinese Philosophy 47 (3-4): 328–332. doi:10.1111/1540-6253.12416. ISSN 0301-8121. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1540-6253.12416. 
  188. ^ 藤堂 1962.
  189. ^ 鄭 2010, p. 177;182f.
  190. ^ 郭 1957.
  191. ^ 志野好伸「論理学者にとっての中国哲学 : 金岳霖・沈有鼎を中心に (大会シンポジウム 世界哲学としての中国哲学)」『中国 : 社会と文化』第35号、中国社会文化学会、75頁、2020年。 NAID 40022371762。 
  192. ^ 天野 1967, p. 86.
  193. ^ 楊寛「第二章四 墨子と墨経」『歴史激流 楊寛自伝 ある歴史学者の軌跡』西嶋定生監訳、高木智見訳、東京大学出版会、1995年。ISBN 978-4130230445。 
  194. ^ ジョセフ・ニーダム著、吉川忠夫ほか訳『中国の科学と文明 第2巻 思想史上 新版』思索社、1991年。国立国会図書館書誌ID:000002182228
  195. ^ 赤塚 2007.
  196. ^ 池田 1985.
  197. ^ 宇野 1987.
  198. ^ 大浜 1959.
  199. ^ a b c d 鄭 2010, p. 176.
  200. ^ 高田 1967.
  201. ^ 武内義雄『中国思想史』講談社学術文庫、2022年。（初出1936年） 8章-9章
  202. ^ 津田左右吉「辯者及び名家の思想」『道家の思想と其の開展』東洋文庫、1927年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1051338/1/112。 
  203. ^ 宮崎市定「公孫龍子の研究」『宮崎市定全集 5 史記』岩波書店、1991年、復刊1999年。（初出1964年『東方学報』第36册。1978年『アジア史研究 第5』にも収録）
  204. ^ 加地 2012, p. 17f;124;454.
  205. ^ 加地 2012, 第一部一章四 汪奠基の『中国邏輯思想史料分析』・『中国邏輯思想史』 / 附論一『韓非子』における〈矛盾〉説話.
  206. ^ 加地 2012, p. 422.
  207. ^ 曹 2017, p. 116f.
  208. ^ a b 曹 2017, 附論五 回到諸子: 无法之法.
  209. ^ Mou 2007.
  210. ^ a b c Hansen 2007.
  211. ^ 大阪大学中国学会「パネルディスカッション 出土資料と中国学研究」『中国研究集刊』第36巻、2004年、34頁。 
  212. ^ 李 2005, p. 12.
  213. ^ Rosemont Jr., Henry (2021). “Translating and Interpreting Chinese Philosophy”. In Zalta, Edward N.. The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Spring 2021 ed.). Metaphysics Research Lab, Stanford University. https://plato.stanford.edu/archives/spr2021/entries/chinese-translate-interpret/ 
  214. ^ Graham 1989, p. 406.
  215. ^ G.E.R.ロイド著、川田殖；金山弥平；金山万里子；和泉ちえ訳『古代の世界 現代の省察 : ギリシアおよび中国の科学・文化への哲学的視座』岩波書店、2009年。ISBN 9784000228930。 8頁。
  216. ^ 佐藤将之「書評 末永高康著『性善説の誕生：先秦儒家思想の一断面』」『中国出土資料研究』第21巻、中国出土資料学会、2017年、121-123頁。 
  217. ^ 曹 2004, p. 9;12.
  218. ^ 中島 2007, p. 54.
  219. ^ ラマール・クリスティーン (2018年10月6日). “シノロジーから言語科学まで──ヨーロッパの中国語学の多様性（日本中国学会第70回大会 記念シンポジウム）”. 日本中国学会. p. 8. 2021年2月13日閲覧。
  220. ^ “Publications Donald Sturgeon”. ハーバード大学. 2021年2月13日閲覧。
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=名家_(諸子百家)&oldid=99910757」から取得