外崎修汰

日本のプロ野球選手

外崎 修汰(とのさき しゅうた、1992年12月20日[2] - )は、青森県弘前市出身のプロ野球選手内野手外野手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。

外崎 修汰
埼玉西武ライオンズ #5
2022年4月15日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 青森県弘前市
生年月日 (1992-12-20) 1992年12月20日(31歳)
身長
体重
177 cm
82 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手三塁手遊撃手外野手
プロ入り 2014年 ドラフト3位
初出場 2015年7月8日
年俸 1億6000万円(2024年)
※2023年から4年契約[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 日本の旗 日本
プレミア12 2019年
獲得メダル
男子 野球
日本の旗 日本
WBSCプレミア12
2019
アジア プロ野球チャンピオンシップ
2017

経歴 編集

プロ入り前 編集

弘前市内でリンゴの農家を営んでいる家庭に生まれる[3]弘前市立桔梗野小学校4年生の時に桔梗野ボンバーズで軟式野球を始め、弘前市立弘前第四中学校では弘前シニア、弘前白神シニアでプレーした[3][4]。当時盛岡東シニアに所属していた菊池雄星とは弘前シニア在籍時に対戦経験がある[3]

青森県立弘前実業高校では1年生時の春に正遊撃手となり[3]、4番遊撃手として迎えた3年夏は3回戦で青森県立青森東高等学校に敗れた[5]。甲子園出場経験はない[3]

富士大学経済学部経済学科に進学[6]硬式野球部に所属する。2年生時の秋季リーグで北東北大学野球リーグの最多打点賞、3年生時の秋季リーグで最多盗塁賞(8個)、4年生時の秋季リーグで首位打者(打率.432)、ベストナイン(二塁手)、優秀選手賞を獲得した[7]。4年生時は主将を務め、チームは春・秋連続優勝を果たした[3]。6月10日に行われた第63回全日本大学野球選手権大会・1回戦では3番・遊撃手で先発出場し、3打数1安打だった[8]2014年11月14日に行われた第45回明治神宮野球大会・1回戦では3番・二塁手で先発出場し、3打数1安打だった[9]。大学の1年先輩に山川穂高、1年後輩に多和田真三郎、2年後輩に小野泰己がいる。

2014年10月23日に行われたプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズから3位指名を受け[10]、契約金5000万円、年俸1200万円(金額は推定)で仮契約を結んだ[11]。背番号は44[12]

西武時代 編集

2015年7月3日に初めて出場選手登録され[13]、同8日の対オリックス・バファローズ戦の6回裏に代走でプロ初出場しその後守備に就くと、8回裏に回ってきた打席でプロ初安打を放った[14][15]。7月25日の対北海道日本ハムファイターズ戦では「8番・遊撃手」でプロ初のスタメン出場を果たし、2回の第1打席で放った打球は左翼のポール上を通過し一度はファウルと判定されたが、ビデオ判定により本塁打に認定されるという形でプロ初本塁打・初打点を記録した[16][17]。同31日の対福岡ソフトバンクホークス戦でも「7番・遊撃手」でスタメン出場し、2回裏にプロ初盗塁(二盗)を記録した[18]。8月は月間打率.189、守備でも失点に絡む致命的なミスが続くなど精彩を欠き出場機会が激減したものの[19]初昇格から一度も登録抹消されることなくシーズンを終え、ルーキーイヤーは一軍で43試合に出場して打率.186・1本塁打・4打点・9盗塁を記録。二軍では70試合に出場して27個の盗塁を成功させ、イースタン・リーグの最多盗塁者賞とスポーツニッポンの選定によるイ・リーグの新人賞及びデイリースポーツの選定による技能賞をそれぞれ受賞した[20]

2016年は自身初の開幕一軍入り、さらに「9番・遊撃手」で開幕スタメン入りも果たしたが、2打数無安打だった[21]。7月24日に婚姻届を提出し入籍したことが同29日に球団から発表された[22]。9月はイースタン・リーグ公式戦11試合の出場でリーグ最多の5本塁打を記録するなど活躍し、ファーム月間MVPを獲得[23]。二軍通算では56試合に出場し、水口大地と並んでチーム最多の16盗塁を記録した[24]。ただ一軍では2度の登録抹消を経験するなど[25][26]37試合の出場で打率.176・2本塁打・5打点・6盗塁という成績にとどまり、秋季キャンプでは三塁や外野の守備練習にも取り組んだ[27]

 
2017 アジア プロ野球チャンピオンシップにて

2017年は春季キャンプでは正遊撃手候補としてアピールしたが[28]源田壮亮の入団があり、2年連続で開幕を一軍で迎えたものの開幕スタメンを逃した。開幕当初は代走から二塁や三塁の守備に就くことが多かったが[28]、4月半ばから外野両翼のスタメンに定着。5月までは打率が2割そこそこだったバッティングも交流戦での監督の辻発彦のアドバイスを機に上昇[29]。6月8日の読売ジャイアンツ戦で自身プロ初となる満塁本塁打を放った[30]。この年はシーズンを通して一軍に帯同し、135試合に出場。自身初の規定打席に到達し、打率.258・10本塁打・48打点・23盗塁を記録した。オフの10月12日に第1回アジア プロ野球チャンピオンシップ日本代表に選出された[31]。同大会では3試合に出場し、打率.462・1本塁打・4打点の活躍でMVPに選出された[32]。契約更改では前年から倍増以上となる推定年俸2700万円でサインし、また翌年からの背番号が5に変更されることとなった[33]

 
宮崎・南郷キャンプにて
(2018年2月9日)

2018年は開幕から両翼や三塁でスタメン出場を続け[34]、自身初のオールスターゲームに選出された[35]。その後もレギュラーとして出場を続けていたが、9月2日の試合を背中の張りで欠場し、フルイニング出場が止まると[36]同4日に一軍登録を抹消された。レギュラーシーズン中の復帰はかなわなかったが、この年はレギュラーとして119試合に出場し、打率.287・18本塁打・67打点・25盗塁という成績でチーム10年ぶりのリーグ優勝に貢献した[37]クライマックスシリーズで復帰を果たし[38]、オフの11月9日から行われた日米野球にも参加し、3度のスタメンを含む5試合に出場した[39]。契約更改では4300万円増となる推定年俸7000万円でサインをした[40]

2019年浅村栄斗のFA移籍に伴い開幕から二塁手として固定され、シーズン序盤は打撃が不調だったものの夏場からは復調し[41]、自身初の全試合出場を達成。打率.274・26本塁打・90打点・22盗塁を記録し、チームのリーグ連覇に大きく貢献した[42]。オフの11月に開催された第2回WBSCプレミア12日本代表に選出され[43]、契約更改では倍増となる推定年俸1億4000万円でサインをした[44]

2020年新型コロナウイルスの影響で120試合制となる。7月29日のソフトバンク戦で自身初の4番でスタメン出場、一軍で1番から9番の全打順を経験したこととなった[45]。9月13日のソフトバンク戦(福岡PayPayドーム)では1回表に1番打者として石川柊太から先頭打者本塁打を記録するが、この後両軍ともに点が入らずチームは勝利した。初回先頭打者本塁打だけのスミ1勝利は、球団21年ぶりのことだった[46]。9月以降は打撃不振に陥り、一時は打率が2割3分台まで落ち込み[47]、この年も全試合出場を果たしたが、打率.247・8本塁打・43打点・21盗塁という成績に留まった。自身初となる二塁手でのゴールデングラブ賞を受賞したものの[48]、シーズン後半は打撃不振で外野に回され、二塁のスタメンで山野辺翔が使われる試合も少なくなく、二塁でのスタメン出場は104試合に留まった。契約更改では1000万円減の推定年俸1億3000万円でサインし、「打撃を頑張って外野を守らないようにしていきたい」と翌年の二塁手専任を誓った[49]

2021年4月3日のソフトバンク戦(福岡PayPayドーム)の1回表第1打席、高橋礼から左足首付近に死球を受け、左腓骨を骨折し[50]、4月12日に手術を受けた[51]。復帰は早くて7月中旬と見込まれていたが、早い回復を見せ6月15日の二軍戦で実戦復帰[52]、7月3日に一軍復帰を果たした[53]。翌4日のオリックス戦でスタメン復帰して以降は全試合に二塁でスタメン出場したものの、一時は8番まで打順が落ち[54]、最終戦でも7番打者起用[55]と打撃が振るわず、この年は73試合の出場で打率.220・5本塁打・19打点・9盗塁という成績に終わった。オフに、2600万円減となる推定年俸1億400万円で契約を更改した[56]

2022年はオープン戦で4本塁打を記録したが[57]、レギュラーシーズンでの第4号は開幕から3か月後の6月29日[58]。開幕から低調な打撃が続き、シーズン終盤には腰痛により10日間戦列を離れ[59][60]、この年は132試合に出場し、規定打席に到達したシーズンとしては自己最低の打率.215・出塁率.295・OPS.650・10盗塁。ホームランは12本と3年ぶりの2桁本塁打こそ達成したが[61]、打率と出塁率はリーグワースト2位[62]、113三振はリーグ5位タイとバッティングの粗さが目立った[63]。しかしながら源田壮亮との二遊間は一級品で、源田と共にゴールデングラブ賞を受賞した。この年に取得したFA権を行使したが残留、5600万円増の1億6000万円で4年契約を結んだ[64]

選手としての特徴 編集

“走攻守”3拍子揃ったユーティリティープレイヤー[65]

守備

守備では二塁を中心に内・外野複数のポジションを高い水準でこなし、俊足を生かした広い守備範囲と強肩を兼ね備えている。こういった能力を買われ、試合途中からポジションを移動することも多い[66]

打撃

パンチ力があり、勝負強さが光るバッティングを見せる[67][68]。また、犠打など小技も得意であり、2桁犠打を達成したシーズンもある[68]

走塁

4年連続20盗塁以上を記録したこともあるほどの俊足[69][70]

人物 編集

愛称は「アップルパンチ」。これは、FM NACK5の番組『NACK5 SUNDAY LIONS』のリポーターを務めていた安藤かなみが命名した愛称で、実家がリンゴ園である「アップル」と、パンチ力が武器である「パンチ」を組み合わせた造語[71]。また、転じて外崎がホームランを打った際にも用いられている[72][73]。なお、チームメイトからは「トノ」と呼ばれている[74]

プレー中にコミカルな動きや変顔になってしまうことが多いことから、パ・リーグTVのYouTubeチャンネルで度々特集が組まれている[75][76]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2015 西武 43 110 97 16 18 3 0 1 24 4 9 1 6 0 6 0 1 30 1 .186 .240 .247 .488
2016 37 57 51 8 9 0 0 2 15 5 6 0 3 0 3 0 0 11 1 .176 .222 .294 .516
2017 135 489 438 65 113 22 3 10 171 48 23 3 10 3 33 0 5 109 4 .258 .315 .390 .706
2018 119 510 453 70 130 24 3 18 214 67 25 9 6 1 47 0 3 102 9 .287 .357 .472 .830
2019 143 621 533 96 146 27 6 26 263 90 22 6 14 6 63 0 5 132 9 .274 .353 .493 .846
2020 120 500 433 62 107 18 2 8 153 43 21 7 7 2 54 1 4 87 7 .247 .335 .353 .688
2021 73 300 254 30 56 14 0 5 85 19 9 5 6 3 35 0 2 54 1 .220 .316 .335 .651
2022 132 547 478 54 103 25 3 12 170 47 10 6 11 3 52 0 3 113 12 .215 .295 .356 .650
2023 136 571 503 60 131 28 3 12 201 54 26 3 3 4 56 0 5 114 11 .260 .338 .400 .738
通算:9年 938 3705 3240 461 813 161 20 94 1296 377 151 40 66 22 349 1 28 752 55 .251 .327 .400 .727
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

WBSCプレミア12での打撃成績 編集

















































2019 日本 5 16 11 1 2 0 0 0 2 0 2 0 0 1 4 0 0 3 0 .182 .375 .182

年度別守備成績 編集



二塁 三塁 遊撃 外野
















































2015 西武 - 6 0 3 0 0 1.000 34 45 72 7 21 .944 -
2016 2 6 8 0 2 1.000 12 6 11 1 1 .944 20 18 28 4 5 .920 -
2017 50 20 39 0 8 1.000 27 7 22 1 2 .967 - 118 177 4 2 0 .989
2018 15 6 13 1 3 .950 61 39 75 5 7 .958 - 80 122 6 1 0 .992
2019 142 361 456 14 97 .983 - - 4 6 1 1 0 .865
2020 110 224 362 5 72 .992 - - 18 31 0 2 0 .939
2021 72 157 221 5 53 .987 - - -
2022 131 281 420 10 90 .986 - - 2 0 0 0 0 ----
2023 135 275 409 13 81 .981 - - -
通算 657 1330 1928 48 403 .985 106 52 111 7 10 .959 54 63 100 11 26 .937 222 336 11 6 0 .983

表彰 編集

記録 編集

初記録
その他の記録

背番号 編集

登場曲 編集

代表歴 編集

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 西武 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年12月5日閲覧。
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  4. ^ 23日ファン感で西武新人りんご即売対決!?”. 日刊スポーツ (2014年11月5日). 2022年4月16日閲覧。
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  7. ^ 新着情報一覧(2012/9/24(月) 2012年度 北東北大学野球秋季リーグ戦)(2013/9/29(日) 2013年度北東北大学野球秋季1部リーグ戦 個人賞およびベストナイン)(2014/9/21(日) 2014年度 北東北大学野球秋季1部リーグ戦 個人表彰選手、ベストナイン) 北東北大学野球連盟
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  14. ^ 西武・秋山 大敗も一矢!土壇場9回弾で28戦連続安打 スポニチ Sponichi Annex 2015年7月9日掲載
  15. ^ 2015年7月8日 埼玉西武 対 オリックス 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  16. ^ 西武外崎プロ初弾は特別、ビデオ判定に「ドキドキ」 日刊スポーツ 2015年7月25日掲載
  17. ^ 2015年7月25日 埼玉西武 対 北海道日本ハム 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  18. ^ 2015年7月31日 埼玉西武 対 福岡ソフトバンク 一球速報 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
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  21. ^ 2016年3月25日 埼玉西武 対 オリックス 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  22. ^ 外崎修汰選手 入籍のお知らせ 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2016年7月29日配信
  23. ^ 2016年9月度「ミズノ月間MVP賞」受賞選手 NPB.jp 日本野球機構
  24. ^ 2016年度 埼玉西武ライオンズ 個人打撃成績(イースタン・リーグ) NPB.jp 日本野球機構
  25. ^ 西武 大石、斉藤を1軍登録、藤原、外崎を抹消”. 日刊スポーツ (2016年5月18日). 2021年10月27日閲覧。
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  27. ^ 西武 外崎修汰内野手・レギュラー獲得へ新監督も期待”. 週刊ベースボールONLINE (2016年11月24日). 2021年10月27日閲覧。
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  29. ^ 西武・外崎修汰は古き良きパの職人。繋ぐ意識の延長線上に2ケタ本塁打。 2/3 Number Web 2017年8月24日配信
  30. ^ 2017/06/08(木)第3回戦 埼玉西武 vs 巨人
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  32. ^ 外崎、初代MVP!打率・462&4打点の大暴れ「自信が少しついてきている」”. サンスポ (2017年11月20日). 2021年10月27日閲覧。
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  73. ^ 西武・外崎 2アップルパンチ!!今季初の連発で確信歩き 辻氏も大絶賛「もう完璧。よく我慢した」 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年5月27日閲覧。
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  78. ^ 44 外崎 修汰 選手名鑑2017 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  79. ^ 5 外崎 修汰 選手名鑑2021 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト

関連項目 編集

外部リンク 編集