孤独問題担当国務大臣

イギリスに設置された孤独者問題に対処するために任命された国務大臣

孤独問題担当国務大臣(こどくもんだいたんとうこくむだいじん、: Minister for Loneliness)は、イギリス政府に設置された、社会的孤独者問題に対処するために任命された「国務大臣」である。政務次官 (Parliamentary Under Secretary of State) が所掌する業務のうち「孤独問題」を担当するものを言う。2021年の第2次ジョンソン内閣改造に伴い、廃止された。

イギリスの旗 イギリス
孤独問題担当国務大臣
Secretary of State for the Southern Department
所属機関内閣
指名首相
任命イギリス連合王国女王陛下
任期陛下の仰せのままに
創設2018年1月17日 (6年前) (2018-01-17)
初代トレーシー・クラウチ
最後ダイアナ・バラン英語版
廃止2021年9月17日 2年前 (2021-09-17)

概要 編集

イギリスは近年、高齢化社会や社会不適合などで「孤独に困っている人間」が急増して社会問題化している。2016年にテロリストの兇弾に斃れた労働党下院議員のジョー・コックスは生前に社会的孤独者の問題を調査・提言する組織を準備し、コックスの死後に遺志を継いだ超党派の英国議会議員らが「ジョー・コックス委員会」を結成し、委員会が長い期間をかけて福祉団体などと連携して社会的孤独に関する調査した結果をまとめた提言が2017年12月に発表された[1]。提言は「国家的戦略により、孤独問題に対処することが必要」とし、問題解決への意志を政府が示すべく「専門の閣僚を設置するべき」などとされた[2]

連合王国内閣総理大臣兼第一大蔵卿テリーザ・メイは、社会的孤独者問題を担当する政務職を設置することを決断し、スポーツ・市民社会担当政務次官英語版を務める保守党トレーシー・クラウチ下院議員の所管業務に、「孤独問題に対する省庁横断的業務」を加え[3]、メディアは「孤独問題担当大臣」の設置と報じた[4]

2018年10月に、孤独問題に関する戦略が発表された[5]

2018年11月に、クラウチが国務次官を辞職して後任にミムズ・デイヴィス英語版下院議員が任命された。2019年7月に成立したジョンソン内閣は、デイヴィス下院議員の後任にダイアナ・バラン英語版上院議員を任命した。

歴代担当者 編集

氏名 内閣 任期 党派
1   トレーシー・クラウチ テリーザ・メイ内閣 2018年1月17日 - 2018年11月1日 保守党
2   ミムズ・デイヴィス英語版 テリーザ・メイ内閣 2018年11月5日 - 2019年7月25日 保守党
3   ダイアナ・バラン英語版 ボリス・ジョンソン内閣 2019年7月26日 - 2021年9月17日 保守党

脚注 編集

関連項目 編集