専門図書館(せんもんとしょかん、英:Special library[1])は、図書館を設立主体によって分類した時の分類の1つで、大学図書館学校図書館公共図書館国立図書館以外の図書館である。官庁議会等の公的機関研究所美術館博物館等の調査研究機関企業団体等が設置・運営する図書館が専門図書館に含まれる。また、特定分野の資料公文書新聞雑誌書籍など)を収集管理する図書館、あるいは例えば点字図書の提供等、特定の目的に特化した図書館も専門図書館であり、このような観点から見た場合には、国立図書館や大学図書館でありつつ専門図書館である場合もある。専門が指す意味は、設置目的でも利用者でも情報資源でも分野でも機能でもサービスその他でも構わない[2]特殊図書館(とくしゅとしょかん)と呼ばれるものもある[3]。組織の名称を、「図書館」ではなく、資料センター・資料室等とするものも少なくない。

日本の専門図書館 編集

日本国内の専門図書館の連携をはかる団体に、1952年設立の専門図書館協議会があり、2014年時点の加盟機関は約460機関を数える[4]。専門図書館協議会は3年毎に『専門情報機関総覧』を刊行しており、2009年版では1761機関、2012年版では約1700機関、2015年版では1660機関が掲載されている。

米国の専門図書館 編集

米国に本部を置く専門図書館協会(Special Library Association: SLA)は非営利の国際組織で1909年に設立された[5]。SLAの組織は59の支部(Chapter)、25の分科会(Division)、10のローカルミーティング(Caucus)から構成される[5]。専門図書館協会の会員は企業、教育機関、政府機関、非営利団体などの情報部門に所属する情報専門家で、米国国内だけでなく世界80カ国以上に約12,000人の会員がおり、専門図書館協会は学習の機会の提供、業務の支援、相互のネットワークの促進・強化を行っている[5]

脚注 編集

  1. ^ 『図書館情報学基礎資料 第3版』樹村房、2020年2月27日、111頁。 
  2. ^ 豊田恭子ほか『専門図書館のマネジメント』日本図書館協会、2000年
  3. ^ 藤野幸雄「図書館」「専門図書館」『日本大百科全書』小学館、1994年。
  4. ^ 専門図書館協議会「設立の主旨と歴史」。
  5. ^ a b c SLA(専門図書館協会)の概要と最近の動向について”. 2019年2月6日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集