旅順南路(りょじゅんなんろ)は中国遼寧省大連市にある旅順軍港と大連の市中心を結ぶ3つの道路の内、最も南の、黄海沿岸を行く道路である。G201国道鶴崗佳木斯通化~大連~旅順)の最終段で、距離は約40キロメートルある。

旅順南路を黒石礁からスタートしてすぐ、学苑広場を通る。

概要 編集

現在の大連市の約南半分が日本の租借地であったころ、旅順軍港と大連の市中心を結ぶ3つ戦略道路が作られ、その後も拡張されている。

  • 旅順北路
旅順港から北へ向かい、水師営を過ぎて、しばらくして渤海海岸と平行に東へ向かい、大連国際空港経て、大連市中心部へ[1]
  • 旅順中路
山の中を通り、黄河路・西安路ショッピング街を経て、市中心部へ[2]
  • 旅順南路
白銀山トンネルを経て、最も南の黄海沿岸に沿って、黒石礁・星海広場を経て、市中心部へ。
  • 郭水公路支線
21世紀になって完成した支線で、旅順南路の郭家から、旅順口区政府新ビル・水師営を経て、旅順開発区・旅順新港まで。別名:新城大街。

このうち旅順南路が最も早く1922年に整備され全通し、 [3] 最も美しく、活発な地帯を通り、市中心部から中山路を経て、黒石礁と呼ばれるところから旅順南路になり、旅順軍港まで全体で約32キロメートルある。現在は完全舗装されていて、ほぼ片側3車線あり、以前は有料道路であったが、2005年より無料になっている。

トンネル 編集

旅順南路には2つのトンネルがあり、双方とも現在西行き(旅順方面行き)のトンネルは1922年に竣工したもので1車線、入口が急カーブなので速度を落して注意深く通過する必要があり、東行き(大連方面行き)は21世紀になって完成したもので2車線、速度を落さずに通過できる。

  • 黄泥川トンネル(旧名:老座山トンネル、西行きは254m、東行きは推定330m)
老座山の下を通るこのトンネルは、遼寧省で最初の近代的な道路トンネルであった。 [4]
  • 白銀山トンネル (大連方面行きは390m)

おもな通過地点 編集

大連市中心部から旅順に向かって、現在は次のようなところを通過する。

大連市は旅順南路に沿って「旅順南路ソフトウェア産業帯」を建設中で、いま東側から黄泥川までの建設が始まっている。黒石礁から小平島前まで延長された路面電車(202路)は、近い将来旅順南路に沿って旅順まで延長される予定である。

現代の写真集 編集

旅大八景 編集

日本の租借地時代のころ、金州古八景に倣った旅順南路に沿った「旅大八景」が作られている。 [7] 大連市中心部から旅順に向かって、

参考 編集

  1. ^ 日清日露の両大戦では、日本軍の旅順港攻撃は金州からこの道路に沿って展開された。
  2. ^ 日露戦争の旅順攻撃で日本軍初めてロシア軍に勝った戦いは、ここの峠で行われ、四国連隊が中心だったためそこは「剣山」と名付けられ、その石碑はいま旅順の日露監獄の倉庫にあり、見ることもできる。
  3. ^ 黄泥川の歴史 (中国語)
  4. ^ 遼寧省の一番目の道路トンネル
  5. ^ 旅順南路から見た台山(大連富士)の写真
  6. ^ 黄泥川が起点の地図 (中国語)
  7. ^ 旅順中学校開校百周年記念誌(東京で発行、2009年)

関連項目 編集

外部リンク 編集