ミストラルMistral )は、かつて日産自動車が製造・販売していた乗用車である。欧州市場ではテラノII(テラノ ツー、TERRANO II)の名で販売された。

日産・ミストラル
R20/KR20型
概要
製造国 スペインの旗 スペインバルセロナ日産モトール・イベリカ
販売期間 1993年 - 2005年5月(欧州)
1994年6月 - 1999年2月(日本)
ボディ
乗車定員 5/7名
ボディタイプ 3/5ドアSUV
駆動方式 四輪駆動(パートタイム方式)
パワートレイン
エンジン TD27B 2,663cc 直列4気筒OHVターボディーゼル
TD27BETI 2,663cc 直列4気筒OHVICターボディーゼル
最高出力 100ps/4,000rpm
130ps/4,000rpm
最大トルク 24.8kg・m/2,200rpm
28.4kg・m/2,000rpm
変速機 4速AT
F 独立懸架ダブルウイッシュボーン式トーションバースプリング
R 5リンクコイルスプリング
F 独立懸架ダブルウイッシュボーン式トーションバースプリング
R 5リンクコイルスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,450-2,650 mm
全長 4,105-4,580 mm
全幅 1,755 mm
全高 1,805 mm
車両重量 1,780-1,920 kg
その他
国内累計販売台数 3万9308台[1]
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概要 編集

スペイン日産モトール・イベリカで生産され、ヨーロッパでテラノIIとして販売されていたものを、日本向けに変更し、日産自動車が輸入したモデルである。またフォードOEM供給され、ヨーロッパにて「フォード・マベリック」としても販売された。

シャシはD21型ダットサントラックや、WD21型テラノ / パスファインダーのはしご形フレームを基本としているが、ホイールベースは長短の2種類があり、フロアパン形状をはじめ、サスペンションジオメトリーなどは欧州独自の仕様となる。前輪のセルフアライニングトルクが大きく、直進性が良好なことや、高速域でのフラットな乗り心地など、足回りの設定は欧州流で、WD21型テラノとは乗り味が大きく異なる。

基本となるパッケージングスタイリングは、イタリアのデザイン会社、I.DE.Aの担当である。車型は2ドア・ショートと4ドア・ロングがあり、ロングには荷室容積を損なわない、巧妙な収納方法の3列シートが備わる。バックドアは横開きであるが、同じように横開きのドアを持つ他の国産車とは違い、ドアヒンジが左側にある。このバックドア構造は左ハンドル仕様を基本としたトヨタ・FJクルーザーでも見られた。

搭載されるエンジンは2.7LのTD27Ti型直列4気筒ターボディーゼルエンジンの1種類のみ。

トランスミッションは、4速ATのみとされた。トランスファーは、リアがセンタースルー、フロントはハイボチェーンによるオフセットドライブで、ハイ・ロー2速の副変速機を持つ。四輪駆動への切り替えは、オーソドックスなパートタイム式である。

年表 編集

1994年6月、日本向けR20型ミストラル発売。搭載エンジンはTD27B型直列4気筒OHVターボディーゼル。ボディ形状は4ドア。

1995年3月、日産ピーズフィールドクラフトがテラノIIを独自輸入、販売を開始する。主に右ハンドルのガソリンエンジンモデルを輸入した。同年には2ドア(KR20型)もラインアップに加わる。

1996年2月、ミストラルとして2ドアモデルを追加。運転席エアバッグを標準装備、オートマチックポジションインジケーターを設置、バックライトを左右に設置した。CMソングにピチカート・ファイヴの「ベイビィ・ポータブル・ロック」が使用され、CMにはピチカート・ファイヴ自身が出演した[2]

1997年1月、エクステリアはヘッドライトを従来の角型から丸型に変更。同時にフロントグリルのデザイン変更やボンネットへのエアスクープ追加などが行われた。

1998年8月[3]、日本国内向け生産終了。在庫対応分のみの販売となる。

1999年2月、日本国内での販売終了。欧州モデルのディーゼルエンジンがTD27TBi型から、3.0LのZD30DDTi型へ変更される。また、フェイスリフトが行われ、新型のグリルが装着された。同年、フォードへのOEM供給を終了。

2005年5月、欧州市場での生産・販売終了。

ギャラリー 編集

車名の由来 編集

ミストラルは、フランス南東部に吹く地方風に由来する。

脚注 編集

  1. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第72号17ページより。
  2. ^ 日産公式サイト ミストラルCM情報
  3. ^ ミストラル”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月19日). 2020年1月19日閲覧。

関連項目 編集