最優秀投手(さいゆうしゅうとうしゅ)は、日本プロ野球表彰の一つ。

最優秀投手
リーグ NPB
種目 プロ野球
日本の旗 日本
歴史
初回  1
最終受賞 2012年
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概要 編集

セントラル・リーグではベストナイン投手が対象で1967年より表彰された。

パシフィック・リーグでは1953年より表彰が始まる。投票委員による投票で選出され、「MVPと同等に価値あるもの」と位置付けられた。制定から数年間はMVPの投票対象から投手を除く規定も設けられていた。しかし、多くの場合ベストナイン投手と重なった(1956年のみ異なる)うえ、MVPからの除外規定を途中からなくした結果、1957年からは3年連続して受賞者がMVPと重複することとなり、1959年限りでいったん廃止される。2002年より最高勝率に替わってシーズン勝率1位投手(シーズン13勝以上の投手のうち最も勝率の高い投手)が表彰された。

なお、それ以前には最優秀防御率や最高勝率の投手を「最優秀投手」の名称で表彰したり、セ・リーグでは1951から52年に防御率と勝率から「最優秀投手」を選出・表彰することがおこなわれていた[1]

2013年より、タイトル名を「勝率第一位投手賞」と改称し、セ・パ両リーグともに表彰規定を「13勝以上での勝率1位」に統一することとなった[2]。このため、実質的に「最優秀投手」というタイトルは廃止され、最高勝率がタイトルとして復活する形になった。

歴代受賞者 編集

1953年から1959年まで 編集

年度 選手名 所属球団
1953 川崎徳次 西鉄ライオンズ
1954 西村貞朗 西鉄ライオンズ
1955 中村大成 南海ホークス
1956 島原幸雄 西鉄ライオンズ
1957 稲尾和久 西鉄ライオンズ
1958 稲尾和久 西鉄ライオンズ
1959 杉浦忠 南海ホークス
  • 太字はMVP受賞選手。パシフィック・リーグのみ表彰。

1967年から2001年まで 編集

年度 選手名 所属球団
1967 小川健太郎 中日ドラゴンズ
1968 江夏豊 阪神タイガース
1969 高橋一三 読売ジャイアンツ
1970 平松政次 大洋ホエールズ
1971 平松政次 大洋ホエールズ
1972 堀内恒夫 読売ジャイアンツ
1973 高橋一三 読売ジャイアンツ
1974 堀内恒夫 読売ジャイアンツ
1975 外木場義郎 広島東洋カープ
1976 池谷公二郎 広島東洋カープ
1977 小林繁 読売ジャイアンツ
1978 新浦寿夫 読売ジャイアンツ
1979 小林繁 阪神タイガース
1980 江川卓 読売ジャイアンツ
1981 江川卓 読売ジャイアンツ
1982 北別府学 広島東洋カープ
1983 遠藤一彦 横浜大洋ホエールズ
1984 山根和夫 広島東洋カープ
1985 小松辰雄 中日ドラゴンズ
1986 北別府学 広島東洋カープ
1987 桑田真澄 読売ジャイアンツ
1988 小野和幸 中日ドラゴンズ
1989 斎藤雅樹 読売ジャイアンツ
1990 斎藤雅樹 読売ジャイアンツ
1991 佐々岡真司 広島東洋カープ
1992 斎藤雅樹 読売ジャイアンツ
1993 今中慎二 中日ドラゴンズ
1994 山本昌広 中日ドラゴンズ
1995 斎藤雅樹 読売ジャイアンツ
1996 斎藤雅樹 読売ジャイアンツ
1997 山本昌 中日ドラゴンズ
1998 佐々木主浩 横浜ベイスターズ
1999 上原浩治 読売ジャイアンツ
2000 工藤公康 読売ジャイアンツ
2001 藤井秀悟 ヤクルトスワローズ
  • セントラル・リーグのみ表彰。ベストナイン投手に同じ。

2002年から2012年まで 編集

年度 セントラル・リーグ パシフィック・リーグ
選手名 所属球団 選手名 所属球団 勝率
2002 上原浩治 読売ジャイアンツ J.パウエル 大阪近鉄バファローズ .630
2003 井川慶 阪神タイガース 斉藤和巳 福岡ダイエーホークス .870
2004 川上憲伸 中日ドラゴンズ 岩隈久志 大阪近鉄バファローズ .882
2005 黒田博樹 広島東洋カープ 斉藤和巳 福岡ソフトバンクホークス .941
2006 川上憲伸 中日ドラゴンズ 斉藤和巳 福岡ソフトバンクホークス .783
2007 高橋尚成 読売ジャイアンツ 成瀬善久 千葉ロッテマリーンズ .941
2008 S.グライシンガー 読売ジャイアンツ 岩隈久志 東北楽天ゴールデンイーグルス .840
2009 D.ゴンザレス 読売ジャイアンツ ダルビッシュ有 北海道日本ハムファイターズ .750
杉内俊哉 福岡ソフトバンクホークス
2010 前田健太 広島東洋カープ 杉内俊哉 福岡ソフトバンクホークス .696
2011 吉見一起 中日ドラゴンズ 田中将大 東北楽天ゴールデンイーグルス .792
2012 内海哲也 読売ジャイアンツ 攝津正 福岡ソフトバンクホークス .773
  • セントラル・リーグはベストナイン投手に同じ。パシフィック・リーグは勝率1位投手。

脚注 編集

  1. ^ セ・リーグの1951年と1952年は最優秀防御率投手と同じ結果であった。また、読売新聞においては以後1966年までセ・リーグの最優秀防御率投手を「最優秀投手」と表記していたが、朝日新聞など他のメディアでは「最優秀防御率投手」と記載していた年もあり、正式な名称であったかどうかは不詳である。
  2. ^ “プロ野球:「最優秀投手」勝率第一位投手賞に改称”. 毎日新聞. (2013年3月7日). オリジナルの2013年12月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131202234034/http://mainichi.jp/sports/news/20130308k0000m050039000c.html 

関連項目 編集