東谷 小雪(あずまや こゆき)は、吉崎観音作の漫画ケロロ軍曹』およびその関連作品に登場する架空の人物。アニメ版声優広橋涼

人物

日向家を囲む四方の風の東。忍野村(しのびのむら)[1]という忍者で暮らしていたくノ一

現在は吉祥学園中等部2年A組生徒で、出席番号は3番(アニメ第165話Bパートより)。

「小雪」という名前はアニメでは骸(ムクロ)が付けた(名付けようと思った時に、が降った事に由来する)。一人称は基本的に「私」だが、「小雪の嬢」と言うこともある。

パートナーはドロロ

外見・服装

の色は青緑色で髪は一本結びにしており(結ぶ位置は原作とアニメとでかなり違っていたが、超劇場版3・5thシーズンからは原作と同じ位置になった)、大きなえんじ色リボンを結んでいる。身長は152cm→158 cm、体重は42kg→46 kg(『ケロロ軍曹 ひみつ超ひゃっか』より)。

服装は忍者服を着ていることが比較的多いが、一般的な私服を着ている場合もある。もともと原作で小雪の着ている忍者服には冬服としての袖があるものと夏服としての袖の無いノースリーブのものがあったが、現在は袖の無いものに統一されている(アニメでは初登場時から袖なし)。通学時はセーラー服を着ている(村を離れるときに骸からもらったもの)。下着は当初は普通の下着を着用していたが、話が進むにつれてふんどしに変わった(原作のみ)。水遊びの時は、ふんどしを締め、胸にはサラシを巻いている(アニメでは一般的な水着で、原作・アニメ共にスクール水着を着ていたこともある)。

性格・行動

明るく活動的。冬樹ほどではないが、友達を大切にする性格で、特に夏美のためならあらゆる事をしようとする。「だいじょ~び!!」が口癖(アニメのみ)。

その一方でかなりノリの良い一面や影響されやすい一面もあり、例えばアニメ第56話Aパートでは時代錯誤なスポ魂物に感動して夏美とテニスで対決し、第88話ではダソヌ☆マソを倒すために歌うようダンス☆マンに言われて一人喜んでいた[2]。さらに第115話Aパートでは夏美と競演できるという喜びからか無意識のうちに「火遁の術」を使っていた。ケロロに対しては言葉遣いが良い。

長い間忍の世界で生きていたためか趣味思考や行動が常人とズレており、例えばアニメ第111話Aパートで日向家にお泊りした際は大量の暗器を持ち出したり、「オオサンショウウオの丸干し」等々を「おやつ」として持ち込んで夏美を仰天させていた[3]。アニメ第66話Bパートではレストランで手裏剣を飛ばしたり天井に張り付いたりした事もある。また、電車のマナーも知らず、網棚に普通に座ろうとした事もある。小雪の思考や行動があまりにズレていて「普通」に振る舞うことが苦手なことは小雪自身で自覚する事もあり、「普通」に慣れようとするエピソードもある。しかし、夏美はたとえ普通とズレていても「忍の状態の小雪」こそが「普通の小雪」であると認識している(原作第121話より)。

ギロロが携帯で夏美にメールを送る作戦をしているにもかかわらず、それを拾った途端に走りながら交番に届ける描写からルールも分かって来た様子[4]

ドロロとの出会い

小雪が仕掛けた動物用のにひっかかっていたドロロを最初に見つけた人物[5]で、ドロロを介抱した命の恩人。当初は彼を河童と間違えていた。その後吉祥学園に転校という形で入り、そこで日向姉弟がケロロ小隊と暮らしている事を嗅ぎ付けてドロロが合流する手助けをする。

現在の生活

現在はドロロと共に、侵略宇宙人から地球を守る活動をしている。ケロロ小隊とは友好的な関係にあって付き合いもよく、たびたび彼らの元に世話になることも多い。原作・小説版では日向家の隣に[6]、アニメでは西澤財閥所有の森の中の水車小屋に住んでいる。転校してしばらく経つのに何故か制服が変わっていない(前述したとおりセーラー服を着ている)。

人間関係

夏美との関係

吉祥学園に転校して来たその日に日向夏美と出会い、それ以来親友として仲良く付き合っている。原作ではむしろ友達という関係を通り越して、もはや恋愛同性愛)感情を抱いていると言っていいほどの状態(というより友達と恋人を取り違えている節がある)であり、夏美は小雪が恋愛感情を見せる度にうろたえている(むしろ夏美は小雪と姉妹の方がよかったと思っている)。

夏美にはバレンタインチョコも贈っている(ドロロに渡しているかは不明)。また、彼女が胡散田ヒカリと昼食をとっていた時には睨み付けていた。

原作の彼女には「すぐ服を脱がせようとする」という悪癖があり、夏美を裸にするために忍術まで使用する事が多い。一緒に入浴した際は媚薬まで使って夏美とくっつこうとしていた。アニメでは、規制のためこれらがある程度制限されているが、すぐ夏美にくっつこうとする所は変わっておらず、温泉雪山で遭難したエピソードなどでラブラブ(?)な様子を披露している。アニメ第83話Aパートで一緒に温泉旅館に行った時は、原作同様夏美を裸にしようとしていた。

原作では夏美の事を当初は「さん」付けで呼んでいたが、今は「夏美ちゃん」と呼んでいる(アニメでは「夏美さん」で統一)。 なお、逆の場合は「小雪ちゃん」と呼ばれているが、劇場版2では夏美から、実の妹のように「小雪」と呼び捨てにしたこともあった。

その他の交友関係

初登場時、夏美並の身体能力を見せ付けたことからクラスメートからは「夏美のライバル」として認識されていたが、現在は夏美と共にクラスの要として頼りにされている(アニメ第26話および第118話Aパート)。

また、日向家の祖母・秋奈のことを「おばあちゃん」と呼んで慕っている。夏美[7]をはじめとするクラスメートや・秋奈からは「小雪ちゃん」と呼ばれている。ドロロやケロロは「小雪殿」と呼んでいる。

桃華とは仲は悪くないのだが、日向家がらみで張り合うことが多い。例えば原作第70話、アニメ第34話Aパートでは「温泉のチケット」を巡って実戦にまで発展していた。この理由は桃華が冬樹を、小雪が夏美を慕っているために日向家がらみで「一つしかない座」が出るとどうしてもかち合ってしまうからである。

同じく夏美に惚れているギロロからは夏美との仲を嫉妬されており、彼は小雪のことをタママアンゴル=モアに対してそう呼ぶのと同じく、「あの女」と認識している。そのため、ギロロとも何かとかち合う事が多い。

ドロロ以外のケロロ小隊メンバーについてはあまり接点が無く、せいぜい「ドロロのお友達」という認識程度。といっても、全く交流がないわけではないし、原作ではケロロを「さん」付けで呼び[8]、アニメ第309話ではギロロを呼び捨てにしていた。冬樹の事は原作は「弟君(おとうとぎみ)」、アニメでは「冬樹さん」、劇場版では「冬樹殿」と呼んでいる。なお、冬樹からは基本的には「東谷さん」と呼んでいるが、アニメ第18話では「小雪ちゃん」と呼んだことがあった。

能力

忍者であるため運動神経は相当なもので、夏美と同等かそれ以上(器械体操は小雪のほうが上。テニスや羽根突きは互角)。「小雪忍法」と呼ばれる、主に冷気を操る忍法を多く持つ。

例えば、彼女の変装術(本人曰く「他人の姿形・声色を真似る隠密術」)は非常に高度なものであり、原作で桃華に化けた時はポールにすら「侮れない」と言わせている。また嗅覚は非常に鋭く、クルルの機械をもってしても彼女をごまかす事は不可能。

優れた演技力の持ち主でもあり、昔話など国語力にも秀でている。しかしドロロとは違い日本の伝統行事に関する知識を著しく欠いていて、桃の節句獅子舞も知らない。小刀を持つ時は左手、食事は右手を使うことから恐らく両利きと見られる(原作7・13巻)。

食べ物の話題が出ると、前述のオオサンショウウオなどのいわゆるゲテモノの話をする。また、おむすびを作ろうとすると、必ず砲丸のような代物が出来てしまう[9]。小雪とドロロが向かい合って食事をするシーンがよく登場するが、誰がその料理を作っているのかは不明である[10]。アニメ330話Bパートではキャンプでカレーを作ることになり、クルルの指導で日向家も満足する味のカレーを作ることに成功した。

「芸人魂を持つくノ一」を自認し、日頃からネタ作りや練習を欠かさない(アニメ第273話)。だが、「面白い笑い話」だと言うので聞いてみたら駄洒落だったり[11]など、笑いのセンスは今一つである。これに関してはドロロと同じ。

陰陽師として修行をした経験があり風水に詳しい。また九字の印から退魔の術を施して幽霊に多少なりともダメージを与えられる[12]

脚注

  1. ^ 小雪とドロロが日向家近隣に転居した後、ダム湖に沈んだ(アニメ第259話)。
  2. ^ 他の3人(夏美・桃華モア)は困惑気味だった。
  3. ^ ちなみに、オオサンショウウオは天然記念物で、国の許可を得たのかは不明だが、勝手に持ち帰ると勿論違法である。ナレーターにも「天然記念物ですし」とツッコミを入れられていた。
  4. ^ 後にギロロにビームライフルに当てられてしまった。アニメ第309話。
  5. ^ アニメでの第一発見者は彼女の忍仲間である忍犬・零夜叉である。
  6. ^ 半分はドロロのため、半分は夏美と仲良くなるため。
  7. ^ 但し、劇場版2では実の妹のように「小雪」と呼び捨てにしたこともあった。
  8. ^ アニメ版でも「ケロロさん」と呼んでいる。
  9. ^ このおむすびはきちんと食べられるが同時にをも砕く破壊力を持っている。
  10. ^ 原作から判断すると、恐らく作っているのはドロロ(原作57話のドロロの台詞より)。
  11. ^ 「悪の十字架」をモチーフとしたものを披露した事もある
  12. ^ ケロロ小隊は現在のところ幽霊に干渉する術を持ち合わせていない。

関連項目