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林俊雄

日本の歴史学者・考古学者

林 俊雄（はやし としお、1949年3月[1] - ）は、日本の歴史学者・考古学者。創価大学名誉教授。専門は中央ユーラシアの歴史と考古学[2]。東京都中野区出身[3]。

林 俊雄
人物情報
生誕 1949年3月（75歳）
日本の旗 日本東京都
出身校 東京教育大学・東京大学大学院
学問
研究分野 東洋史(中央ユーラシア史)・考古学
研究機関 古代オリエント博物館
創価大学
東洋文庫
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略歴 編集

1949年、東京都生まれ。私立桐朋学園高等学校を経て[3]、1972年、東京教育大学（現・筑波大学）文学部 史学方法論専攻（考古学）卒業。1979年、東京大学大学院 人文科学研究科 博士課程 東洋史学科単位取得退学[1]。

1979年4月古代オリエント博物館研究員、1985年5月に主任研究員となる。1991年4月に創価大学文学部助教授、1994年に教授となる[4]。2019年に退任、名誉教授の称号を受ける[5]。公益財団法人東洋文庫 研究部研究員を務める[6]。

主著 編集

単著 編集

  • 『ユーラシアの石人』〈ユーラシア考古学選書〉（雄山閣 2005年、第2版 2019年）。ISBN 978-4639026778。
    • （中国語版）朱振宏 訳『石人考古學 : 突厥遺緒與歐亞草原的世界』（八旗文化：遠足文化事業 2022年／台湾）。ISBN 978-6267129821。
  • 『 グリフィンの飛翔：聖獣からみた文化交流』〈ユーラシア考古学選書〉（雄山閣 2006年）。ISBN 978-4639019367。
  • 『スキタイと匈奴 遊牧の文明』〈興亡の世界史 2〉(講談社 2007年）。ISBN 978-4062807029。 [7]
  • 『遊牧国家の誕生』〈世界史リブレット 98〉（山川出版社 2009年）。ISBN 978-4634349360。

共著・編著・論文 編集

  • 構成・解説「シルクロードの遺跡と出土品」『シルクロード歴史地図』（加藤九祚監修・池崎功イラスト、新時代社 1982年）。ISBN 978-4787400130。
  • 「匈奴における農耕と定着集落」『内陸アジア・西アジアの社会と文化』（護雅夫編、山川出版社 1983年）、3-22頁。ISBN 978-4634652002。 NCID BN01452003。 [8]
  • 『古代オリエント博物館紀要』（古代オリエント博物館）。[9]
    • 「鮮卑・柔然における農耕と城塞」（第5号 1983年）、377-394頁。
    • "Agriculture and Settlements in the Hsiung-nu"（第6号 1984年）、51-92頁。
    • "The Development of a Nomadic Empire: The Case of Ancient Turks (Tuque)"（第11号 1990年）、135-184頁。
    • （中国語から英訳）"Discoveries and Investigations of the Barrows in the Ili Basin（Y.Zhang 張玉忠著、第21号、2000年）、37-64頁。
  • 「掠奪・農耕・交易から觀た遊牧國家の發展：突厥の場合」『東洋史研究』44巻第1号、（東洋史研究會 1985年）、110-136頁。doi:10.14989/154102。
  • 「草原の民：古代ユーラシアの遊牧騎馬民族」『中央ユーラシアの世界』〈民族の世界史 4〉（護雅夫・岡田英弘編、山川出版社 1990年）、25-58頁。ISBN 978-4634440401。[10]
  • 『騎馬民族の謎』（江上波夫・佐原真・埴原和郎・小貫雅男・陳舜臣共著、読売新聞大阪本社編、 學生社 1992年）。ISBN 978-4311201677
  • 「北方ユーラシアの火打金：ウラル以東」『日本と世界の考古学：現代考古学の展開』（岩崎卓也先生退官記念論文集編集委員会編、雄山閣 1994年）、352-369頁。ISBN 978-4639012160。
  • 『講座 文明と環境』（朝倉書店）
    • 「4.7 草原遊牧文明は成立するか？」『第2巻 地球と文明の画期』（伊東俊太郎・安田喜憲編、1996年、新装版 2008年）。160-171頁。ISBN 978-4254106527。
    • 「2.2 遊牧騎馬民族スキタイの侵入」『第5巻 文明の危機：民族移動の世紀』（安田喜憲と共編、1996年、新装版 2008年）、35-48頁。ISBN 978-4254106558。
    • 「4.1 フン族あらわる」『第6巻 歴史と気候』（吉野正敏・安田喜憲編、1995年、新装版 2008年）、78-92頁。ISBN 978-4254106565。
  • 「草原遊牧文明論」『中華の形成と東方世界‐2世紀』〈岩波講座 世界歴史 3〉（樺山紘一ほか編、岩波書店 1998年）、125-149頁。ISBN 978-4000108232。
  • 「草原遊牧民の美術」『世界美術大全集 東洋編 15 中央アジア』(田辺勝美・前田耕作編、小学館 1999年）、56-72頁・336-351頁。ISBN 978-4096010655。
  • 「第5章 草原世界の展開：中世の中央ユーラシア」『中央ユーラシアの考古学』〈世界の考古学 6〉（藤川繁彦編、同成社 1999年）、263-339頁。ISBN 978-4886211774。 
  • 「第1章 草原世界の展開」『中央ユーラシア史』〈新版 世界各国史 4〉（小松久男編、山川出版社 2000年）、15-88頁。ISBN 978-4634413405。
  • 「遊牧民族の王権：突厥・ウイグルを例に」『生産と流通』〈岩波講座 天皇と王権を考える 3〉(網野善彦ほか編、岩波書店 2002年）、115-139頁。ISBN 978-4000111935。
  • 「ユーラシア草原における馬の埋納遺跡（スキタイ時代以前）」『北アジアにおける人と動物のあいだ』（小長谷有紀編、東方書店 2002年）、103-157頁。ISBN 978-4497202130。 
  • 「第3章 中央ユーラシア遊牧民の古墳から見た王権の成立と発展」『古代王権の誕生 III：中央ユーラシア・西アジア・北アフリカ編』（角田文衞・上田正昭監修、角川書店 2003年）、46-69頁。ISBN 978-4045230035。
  • 「フン型鍑(ふく)」『鍑の研究：ユーラシア草原の祭器・什器』〈ユーラシア考古学選書〉（草原考古研究会編、雄山閣 2011年）、341-382頁。ISBN 978-4639021742。[11]
  • 「ユーラシアにおける人間集団の移動と文化の伝播」『環境変動と人間』〈中央ユーラシア環境史 1〉（窪田順平監修・奈良間千之編、臨川書店 2012年）、164-208頁。ISBN 978-4653041917。
  • 「ビザンツ史料に見えるテュルク：テュルクの外交感覚」『テュルクを知るための61章』〈エリア・スタディーズ 148〉（小松久男編著、明石書店 2016年）、189-193頁。ISBN 978-4750343969。 
  • 「第1章 騎馬遊牧民の誕生と発展：スキタイ時代から突厥・ウイグルまで」『中央ユーラシア史研究入門』（小松久男・荒川正晴・岡洋樹編、山川出版社 2018年）、17-32頁。ISBN 978-4634640870。  [12]
  • 「ユーラシ草原文化と樹木」『ユーラシアのなかの宇宙樹・生命の樹の文化史』〈アジア遊学 228〉（山口博監修・正道寺康子編、勉誠出版 2018年）、47-61頁。ISBN 978-4585226949。  [13]
  • 「草原考古学とは何か：その現状と課題」／翻訳：バルトゥオーミエイ・シモン・シモニェーフスキ（Barłomiej Szymon Szmoniewski）著「ビザンツの貨幣、シルクロードを通ってさらにその先へ：四〜九世紀」『ユーラシアの大草原を掘る：草原考古学への道標』〈アジア遊学238〉（雪嶋宏一らと共著、草原考古研究会編、勉誠出版 2019年）。ISBN 978-4585227045。[14]
  • 『金大考古』金沢大学人文学類考古学研究室編
    • 「中国史料から見た匈奴の城塞と農耕」（77号 102-106頁）、2019年。doi:10.24517/00057199。
    • 「フン時代の考古学(上)：赤色石象嵌製品の考察」（81号 75-89頁）、2022年。doi:10.24517/00069155。
    • 「フン時代の考古学(下) : フン型鍑」（82号 33-47頁）、2023年。doi:10.24517/00069162。
  • 「中央アジアにおける土着信仰の復権と大国の思惑：考古学の視点から」『中央アジアの歴史と現在：草原の叡智』〈アジア遊学 243〉（松原正毅編、勉誠出版 2020年）。ISBN 978-4585227090。[15]
  • 巻末解説『砂漠と草原の遺宝：中央アジアの文化と歴史』〈講談社学術文庫〉（香山陽坪著、講談社 2021年）。ISBN 978-4065264423。 [5]
  • 『神話世界と古代帝国』〈アジア人物史 1〉[16]（姜尚中総監修・青山亨ほか9名編、集英社 2023年）ISBN 978-4081571017。
執筆：「第8章 遊牧国家の君主はこうあらねばならぬ - 冷酷にして寛大、先読みは鋭く」445-506頁

翻訳 編集

  • 『ユーラシア』（加藤九祚監修・伊東一郎と共編、新時代社 1983年・1985年）
    • 新1号:「中央アジアにおけるウマ信仰」79-105頁。ISBN 978-4787400154。ASIN B09FPKY6HP
    • 新2号：「『李陵の宮殿』、あるいは一つの伝説の終り」2-22頁。／「中世ロシアの絹織物」109-127頁。／「日本石器時代の旅」128-131頁。ISBN 978-4787400178
  • ヴェロニック・シルツ（英語版）「スキタイとユーラシア草原」『世界考古学大図典』（ 田辺勝美監訳、同朋舎 1987年）、210-225頁。ISBN 978-4810405408。 
  • 編訳『中世初期ユーラシア草原における馬具の発達』〈馬の博物館叢書〉（根岸競馬記念公苑編、馬事文化財団 1988年）NCID BN04608437
  • 翻訳・監修『ウクライナの至宝展：スキタイ黄金美術の煌めき』（ブレーントラスト編、2011年）NCID BB07106088。※「ウクライナの至宝」展カタログ

エッセイ 編集

  • 「忘れがたいあの一言／コラム 歴史の風」『史学雑誌』、第130編 第9号（山川出版社 2021年）、38-40頁。 [17][18]

脚注・出典 編集

  1. ^ a b 経歴と業績, p. 4.
  2. ^ (林 2017) “著者紹介”. 講談社BOOK倶楽部. 2023年2月12日閲覧。
  3. ^ a b 創価大学HP
  4. ^ 経歴と業績, p. 5.
  5. ^ a b (香山陽坪 2021) “内容・解説者紹介”. 講談社BOOK倶楽部. 2023年2月12日閲覧。
  6. ^ “この人物について(2024-02)”. CiNii. 2023年2月12日閲覧。
  7. ^ 松岡正剛の千夜千冊 連環篇 1424夜 (2011年7月19日). “スキタイと匈奴 遊牧の文明”. 2023年2月10日閲覧。
  8. ^ 林俊雄ほか38名の論文収録。900頁を超える歴史学論集：柳橋博之「《新刊紹介》護 雅夫 編『内陸アジア・西アジアの社会と文化』山川出版社一九八三・九一九頁」『史学雑誌』第93巻第4号、史学会、1984年、545-546頁。 
  9. ^ “古代オリエント博物館紀要”. 古代オリエント博物館. 2023年2月12日閲覧。
  10. ^ “目次・著者　”. 岡田宮脇研究室. 2023年2月12日閲覧。
  11. ^ “内容紹介”. 雄山閣. 2023年2月12日閲覧。
  12. ^ “詳細（目次・著者）”. 山川出版社. 2023年2月12日閲覧。
  13. ^ “詳細・目次（著者）・プロフィール”. 勉誠出版. 2023年2月12日閲覧。
  14. ^ “詳細・目次（著者）・プロフィール”. 勉誠出版. 2023年2月12日閲覧。
  15. ^ “詳細・目次（著者）・プロフィール”. 勉誠出版. 2023年2月12日閲覧。
  16. ^ シリーズ全12巻. 2023年10月29日閲覧
  17. ^ かつて教えを受けた、今は亡き先学らが「口頭で」語った「味わい深い」一言を記す：p.38。
  18. ^ “コラム『歴史の風』について”. 史学会. 2023年2月12日閲覧。

参考文献 編集

外部リンク 編集

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