桜通信』(さくらつうしん)は、小学館発行の漫画雑誌『週刊ヤングサンデー』に1995年から2000年まで連載されていた遊人原作の漫画作品。

桜通信
漫画:桜通信
作者 遊人
出版社 小学館
掲載誌 週刊ヤングサンデー
発表期間 1995年 - 2000年
巻数 全20巻
漫画:新・桜通信
作者 遊人
出版社 日本文芸社
掲載誌 コミックヘヴン
発表期間 2014年2月8日 -
巻数 2巻
OVA:桜通信
監督 岡嶋国敏
シリーズ構成 寺田憲史
キャラクターデザイン たけうちのぶゆき、下坂英男
音楽 萩田光雄
アニメーション制作 シャフト
発売日 1997年
話数 全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

単行本は20巻まで発売中。OVAにてアニメ化(全12話)、またセガサターン用ゲームソフトも発売された。

大学受験・大学生活を題材にした漫画であり、主人公・ 因幡冬馬が慶應大学を目指して長い浪人生活を送る様子が描かれている。 また、物語全体が彼のモノローグで説明されており、これから起こることを知っているような語り口を使うこともある。

ストーリー 編集

因幡冬馬は受験生。冬馬が受験のために東京のホテルに泊まっていたところ、幼なじみの女子高生・春日麗が部屋を訪れる。冬馬は麗だと気づかずに追い返してしまう。麗は幼い頃のふとした出来事がきっかけで冬馬のことが好きになり、今に至っている。

冬馬は、S修大学、K沢大学に落ち、残るは記念受験の慶應義塾大学だけとなっていた。その慶應義塾大学の受験で、絶世の美女である四葉美咲子と出会い、冬馬は一目惚れしてしまう。しかし、冬馬は慶大に不合格となり、美咲子は合格した。冬馬は、合格したと美咲子につい嘘をついてしまい、慶大生を装って慶應義塾大学に通いながら予備校に通うこととなった。

その後、叔父の家で浪人生活することを決めて家を訪れた際に麗と再会し、二人で叔父の家に住むことにした。

こうして、冬馬と麗、美咲子の三角関係がはじまることになる。

登場人物 編集

声優はOVA版のもの。

因幡冬馬(いなば とうま)
声優 - 真殿光昭
主人公。大学受験に失敗した浪人生で、浪人中は美咲子のいる慶應義塾大学を第一志望にしている。あだ名はトンマ。親は旅館経営をしており、親との仲は悪く、休館日に無人の旅館の浴場を自負しながら私物化することもある。
「女の顔と乳にうるさい」と銘打つ性格で、自分のさえない容姿を棚上げして女性の容姿に難癖を付け、童貞卒業の為の女性をソープ嬢と同等の存在として語ったり、ソープ嬢が金が必要で流れ作業がすぐに終わると文句を付けたり、避妊しない性交の口実として結婚を持ち出すなど、自分に都合がいい女性を一般女性の中に求めた。麗と交際するようになってからも多くの女性と関係を持ち、関係を持った後に相手の気持ちを確認せずに一人合点することが多い。社会人で成人女性で恋人持ちの悦子を麗と比較して振ったこととまだ中学生の桃恵を襲いかけて止めたことがあるだけで、誘惑には弱く、自己犠牲以外の麗を愛する理由があったかは不明。不快な顔芸やジョークが一切読者の好感度を意識して描かれておらず、顔芸が普段の振る舞いとのギャップ及び主人公への嘲笑を表現している摩周とは演出が異なる。OVA版など、原作版以外は細かい設定が一切ないただの冴えない主人公である。
春日麗(かすが うらら)
声優 - 氷上恭子
メインヒロイン。冬馬より1歳下の従妹。東京の女子高生[注釈 1]。幼い頃に母親と死別しており、幼い頃の些細な出来事がきっかけで冬馬が好きになり今に至る。冬馬の尻ぬぐいをすることが多く、彼に対して過剰とも言える自己犠牲行為を見せるが、主人公を好きになった理由が本当に些細な理由であり、主人公と対面するシーンでは常に主人公と異なる絵柄で描かれている。
四葉美咲子(よつば みえこ)
声優 - 兵藤まこ
もう1人のヒロイン。慶應義塾大学の文学部生で、同じ大学の者との恋愛を求めている。良家の令嬢であり、許嫁がいる。絶世の美女だが、自分で自分を等身大の女だと思っている。それゆえに結婚前の些細な事を冬馬や摩周に求めた。作中では現在の大学生活ではなく、過去の高校生活を語ることが多く、摩周との関係は不明瞭な点が多い。冒頭で冬馬に嘘の電話番号を渡した。
夏樹香美(なつき こうみ)
声優 - 笠原留美
麗の友人。サバサバした性格で、付き合う男に高学歴等のブランドを求める。デートクラブで麗に中絶費用を稼がせるためにヤリモク回し(男性客を騙す行為)に荷担するも、騙した男性客達に輪姦される。摩周に高望みな性格を利用され、彼との交際を口実にお香に扮した麻薬を冬馬に渡す役を任され、本人は気付いていなかった。以後、吹っ切れたのかイメクラ嬢として働く。作中では、連載当時流行の反映を受けている。
鵠沼直美(くげぬま なおみ)
冬馬が通う予備校の数学講師兼チューター。受験生には恋愛不要論を唱えている。その実態は、過去の恋愛経験から男性不信になった同性愛者である。
山田めぐみ(やまだ めぐみ)
冬馬が通う予備校の予備校生。鵠沼の意向によって冬馬に痴漢被害を受けたと狂言した。
秋本美寿紀(あきもと みずき)
麗がバイトで行っていたデートクラブの女の子で、一番指名率が高かった。白血病を患っている。作中では想像シーンのみで濡れ場が描かれた。
冬馬と同じ予備校に通う秋本浩司は兄である。
清水桃恵(しみず ももえ)
冬馬の幼なじみ。根暗な兄に性的虐待を受けている。男性不信。
小岩井悦子(こいわい えつこ)
冬馬が通う予備校の美人受付嬢。遠距離へ転勤予定の恋人がいる。
林葉琴美(はやしば ことみ)
女でありながら、電車で麗に痴漢行為をしていた女子高生。若干レズの気がある。
堀田美枝子(ほりた みえこ)
冬馬が通う予備校の予備校生。落とした携帯を届けてくれたことをきっかけに冬馬と知り合う。
朝比奈りん子(あさひな りんこ)
冬馬が通う予備校の予備校生。公園で暴力を受けた。
摩周達彦(ましゅう たつひこ)
声優 - 安井邦彦
慶應義塾大学の経済学部生。美咲子に思いを寄せている。裕福な家の出で、父親に対しては従順な息子として振る舞い、余人の前では傲慢な顔を見せるなど、歪んだ性格の持ち主。高望みを理由に自分に言い寄った香美を、冬馬を麻薬漬けにする為に利用した挙句、セックスフレンドとしても利用し、「ヤリマン」と言い放って振った。美咲子を否定する振る舞いは作中では見られなかった。
風間隆一(かざま りゅういち)
一橋大学商学部生。麗の幼なじみで、彼女の家庭教師になる。あだ名はジンマ。
伊吹丈(いぶき じょう)
冬馬が通う予備校の講師で、教育熱心な人となりをしている。
土田拓也(つちだ たくや)
冬馬が通う予備校の予備校生。小学生の頃は神童と呼ばれるほど成績がよかったが、中学以降は成績を落とした。大学受験に失敗し、浪人生。あだ名は184(イチハチヨン)。

OVA 編集

1997年発売。全12話。

スタッフ 編集

サブタイトル 編集

  • 第1話 東京サクセス
  • 第2話 いとこはブルセラ女子高生
  • 第3話 ニセ学生は恋の奴隷?
  • 第4話 誘惑のラブ・ホテル
  • 第5話 はじめてのベッドイン?
  • 第6話 ファーストラブ鎌倉
  • 第7話 恋のトライアングル
  • 第8話 美咲子の告白
  • 第9話 雨の中でファーストキス
  • 第10話 二人のバスルーム
  • 第11話 受験生シンドローム
  • 第12話 受験生の決断

関連項目 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ それ自体が売りの設定であり、作中で中絶に立ち会った医者と看護師がその点の性的ニュアンスを強調するために描かれており、最終回までそのコンセプトは崩れなかった