泡箱

荷電粒子を観測するための装置の一つ

泡箱(あわばこ、英語: bubble chamber)は、荷電粒子を観測するための装置の一つ。1952年アメリカの物理学者ドナルド・グレーザーによって発明された[1] [2]。グレーザーはこの功績により、1960年度のノーベル物理学賞を受賞している[1][3]

泡箱(1954年
泡箱の構造

原理は霧箱に似ており、過熱状態の透明な液体(主に冷却された液体水素)を満たした空間を粒子が通過することにより、粒子が通過した部分の水素が気化し、泡として観測される。

実験 編集

ニュートリノの観測は霧箱では検出できず、1970年11月13日にアメリカアルゴンヌ国立研究所に設置されたZero Gradient Synchrotronの水素泡箱で史上初のニュートリノが観測された[要出典]。なお、ニュートリノ自体は電荷を持たず泡箱に軌跡を残さないため、これは間接的な観測である。

日本で初めての泡箱の実験は、1965年北垣敏男(東北大学)が行なった[要出典]

出典 編集

  1. ^ a b D. A. グレーザー「現代物理学の歩み 泡箱、原題:The Bubble Chamber(SCIENTIFIC AMERICAN February 1955)」『日経サイエンス』2012年11月。 
  2. ^ Donald A. Glaser (1952). “Some Effects of Ionizing Radiation on the Formation of Bubbles in Liquids”. Physical Review 87 (4): 665. Bibcode1952PhRv...87..665G. doi:10.1103/PhysRev.87.665. 
  3. ^ The Nobel Prize in Physics 1960”. The Nobel Foundation. 2019年4月13日閲覧。